夫や妻が不倫!離婚する場合の対処法や慰謝料はどうなる?

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結婚している夫婦であっても、夫婦のどちらかが不貞(不倫)をしてしまうことがある。不貞とは、法律用語であり、一般には不倫とか浮気などと言われていることが多い。

不倫は法律上の離婚原因にもなっている重大な裏切り行為である。相手が不倫したことにより、自分としても離婚することに決めたら、実際には離婚はどのような流れで進んでいくのだろうか。また、離婚を切り出す前に準備しておくべきことや、離婚の切り出し方、離婚の際にもらえる慰謝料などのお金の問題も気になるところである。

そこで今回は、不倫の場合の離婚手続の流れや準備事項、支払を受けられるお金などについて解説していきたい。ご参考になれば幸いだ。

目次

目次

1、不倫は法律上の離婚原因!不倫した側が離婚に反対しても離婚できる

2、不倫された場合には離婚しなくてもよい

3、不倫されて「離婚したい」と思った場合の離婚手続きの進め方

4、離婚を切り出す前の準備事項

5、離婚の切り出し方は?

6、不倫されて離婚する場合の慰謝料は?

7、不倫されて離婚する場合の財産分与は?

8、不倫されて離婚する場合の親権、養育費は?

9、不倫されて離婚する場合の婚姻費用は?

1、不倫は法律上の離婚原因!不倫した側が離婚に反対しても離婚できる

(1)不貞とは?

結婚当初は仲が良かった夫婦であっても、ときには一方の配偶者が不倫をしてしまうことがある。不倫は、法律用語では「不貞(ふてい)」と言う。

不貞とは、結婚している人が他の異性と男女関係を持つことである。一般的には「不倫」や「浮気」などと言われている。

ただ、法律上の不貞という場合には、いわゆる男女関係(性関係)があることが必要である。単にデートをしたりキスをしたというだけでは、法律上の「不貞」とは言えない。この意味で、法律上の不貞の意味合いと一般用語としての浮気や不倫の意味合いは、異なってくることがある。

(2)不倫は法律上の離婚原因となる

そして、法律上、不貞は離婚原因となっている(民法770条1項1号)。よって、結婚している相手が不貞をした場合には、「不倫した相手が離婚に反対していたとしても」自分が望めば離婚することが出来る。

以上のように、不貞(不倫)は、結婚相手に対する重大な裏切り行為であり、法律上当然離婚原因に規定されていることを覚えておこう。

2、不倫された場合には離婚しなくてもよい

(1)不倫されたからといって必ずしも離婚しなければならないわけではない

不貞は結婚相手に対する重大な裏切り行為であるから、不倫は法律上の離婚原因になっていることはお伝えした通りだ。ただ、相手方に不貞をされたからといって、不貞をされた被害者である自分としては、必ずしも離婚しなければならないというわけではない。

たとえば、夫が別の女性と不倫した上、その女性と結婚したいから別れて欲しいなどと身勝手なことを言ってくることがある。今まで渡していてた生活費も渡さなくなることもある。このような場合には、自分はその言葉に言いなりになって離婚しなければならないのかという問題が発生する。

答えとしては、不貞された自分としては離婚に応じる必要は無いということになる。

(2)有責配偶者が離婚を希望したとしても認められない

法律では、有責配偶者からの離婚請求は認められないことになっている。

有責配偶者とは、自分が離婚原因を作った方の配偶者という意味である。不貞があった場合には、不貞をした配偶者が有責配偶者となる。

そして、法律上、不貞をした配偶者の側からは離婚請求をすることが認められない。たとえば不貞をした夫が妻に対して一方的に離婚裁判を起こしても、妻が離婚を受け入れない限り、その裁判では離婚は認められないのである。

もちろん、不貞をされた妻の方から離婚請求することは可能だ。

つまり、不貞があった場合には、離婚するもしないも不貞をされた側の意思1つで決まることになる。不貞が法律上の離婚原因だと言っても、不貞された方が離婚したくなければ離婚の必要はないのだ。

以上のように、夫や妻が別の異性と不倫をした上、身勝手に離婚を突きつけてきても、必ずしも応じる必要は無いということを覚えておこう。

3、不倫されて「離婚したい」と思った場合の離婚手続きの進め方

結婚相手が不貞をした場合、必ずしも離婚しなければならないわけではないことは先ほどお伝えした通りだ。

ただ、不貞をされた場合には、自分としても離婚したくなることは多いだろう。この場合、どのようにして離婚手続きが進むのだろうか。

(1)まずは話し合い

一般的な離婚手続きの進め方は、まずは夫婦のどちらかが離婚を切り出すところから始まる。このことは、不貞が原因で離婚する場合も同じである。不貞をした方から離婚を切り出すこともあれば、不貞された方が切り出すこともあるだろう。

そして、切り出された側が離婚を了承すれば、今度は離婚条件を決めることになる。離婚条件とは、財産分与の額や慰謝料の金額、未成年の子どもがいる場合の親権者や養育費の金額、面会交流方法の決定などである。これらの離婚条件についてきちんと話し合いをして、夫婦が合意出来れば協議離婚届を提出して離婚することが出来る。

(2)話し合いで解決しなければ離婚調停

もしこれらの離婚条件について折り合いがつかない場合には、家庭裁判所で離婚調停を利用して話し合いを進めることになる。離婚調停は、不貞をした側であっても不貞をされた側であっても、どちらの方からも申し立てることが出来る。

(3)離婚調停でも決着がつかなければ離婚裁判

離婚調停でも話し合いの決着がつかない場合には、離婚裁判を申し立てることになる。

裁判を申し立てること自体は不貞した側も不貞された側からでも可能であるが、不貞をされた側が離婚を拒絶した場合には、上述の通り、離婚自体が認められないことになる。不貞をされた側も離婚を望んでいる場合には、離婚裁判で離婚条件が決定され、ようやく離婚が出来る。

このように、不貞があった場合の離婚手続の進み方は、まずは夫婦のどちらかが離婚を切り出すところから始まる。その後夫婦で話し合い、話し合いが出来なければ調停を利用し、調停でも解決が出来なければ裁判を利用するという流れになる。

4、離婚を切り出す前の準備事項

相手が不貞をしている場合に、当方から離婚を切り出したいこともあるだろう。この場合、離婚を切り出す前に事前に準備しておくべき事項はあるのだろうか。

(1)何よりも証拠を集める

相手が不貞をしている場合に離婚するなら、相手方に不貞を認めさせて慰謝料を支払ってもらう必要がある。そのためには、不貞の証拠を集めておくことが大切である。通常、不貞している側は、自ら不貞の事実を認めることはない。不貞の証拠を突きつけられて、はじめて不貞を認めることが普通である。よって、不貞された側が有利に離婚協議の話し合いをすすめるには、不貞の証拠を集めておくことが必須になる。

(2)不倫の証拠として最も有効なのは?

不貞の証拠として最も有効なものは、興信所(探偵社)の調査報告書である。調査報告書において、配偶者と浮気相手が一夜を共にしている事実などが明らかになっていれば、不貞の証拠として利用することが出来る。ただし、調査が1度で成功するとは限らないので、不貞の証拠がとれるまで何度か調査依頼をしなければならないことが多い。この場合、かなりの費用がかかることがあるので、注意が必要だ。興信所は、事務所によってまったく費用が異なってくるので、良心的な興信所を見つけることが重要である。

(3)その他、不倫の証拠として有効なのは?

また、不貞の証拠としては、たとえば配偶者と不貞相手のメールやツイッター、配偶者の携帯電話やパソコンに保存されている写真類なども証拠になる。配偶者と不貞相手の間で交わされた手紙やメモ、プレゼント類の写真なども証拠として利用出来る。これらについては、コピーをとったり写真を撮ったりして、証拠を残しておくことにしよう。

不貞をしている相手方に対してこちらから離婚を切り出す際には、上記のような不貞の証拠をきっちり集めてからにすることが重要だ。

5、離婚の切り出し方は?

不貞をしている結婚相手に対して自分から離婚を切り出す場合、どのような方法で離婚を切り出せば良いのだろうか。

  • 切り出すのはきちんと証拠を集めた上でがベスト

この場合、まずは、しっかり不貞の証拠を集めておくことが大切だと言うことは説明した。

そして、離婚を切り出す場合には、相手方に対しストレートに「不倫をしているのでは?」と尋ねてみると良いだろう。

すると、相手はしらばっくれるかもしれない。そのときに、不貞の事実を知っていることを告げよう。この場合、まだ不貞の証拠をつきつける必要は無い。たとえば「いついつ、どこで女性と一晩過ごしたことを知っている」など、証拠から判明している事実だけを突きつけてみよう。

すると、相手は不貞を認めるかもしれない。もし不貞を認めない場合には、証拠のコピーを見せても良いだろう。

(2)見せる証拠はコピーがベター

このとき、原本を見せると相手方が興奮して、暴れて取り上げたり、破損してしまうかもしれないので、原本を見せてはいけない。また、コピーを渡してもいけない。あくまで呈示するだけにとどめよう。

すると、さすがに相手も不貞を認めざるを得なくなる。その上で、当方としては離婚を望んでいることを相手方に告げる。当然、相応の慰謝料などの金銭支払いもしてもらう必要があることを宣告しよう。

不貞が前提となっているので、相手方としては慰謝料支払いを断ることが出来ない状況になっているはずである。

以上のような方法で、離婚を切り出せば、当初から優位に立って離婚協議をすすめることが可能になる。

6、不倫されて離婚する場合の慰謝料は?

相手方が不貞をした場合の離婚手続の進み方や離婚話の切り出し方については理解できたが、相手方が不貞をした場合、どの程度の慰謝料の支払いが受けられるのだろうか。

(1)慰謝料の金額はどのように決まる?

不貞の慰謝料については、結婚年数や相手方の年収や立場、年齢、未成年の子どもの有無などによって金額が異なってくる。

結婚年数が長ければ長いほど慰謝料の金額は高くなるし、相手方の年収や立場、年齢が高ければ高いほど、慰謝料の金額も高くなる傾向がある。さらに、未成年の子どもがいる方が慰謝料の金額は高くなる。

これらの考慮要素をふまえて、慰謝料の金額は基本的に当事者同士が話し合って自由に決めることが出来る。

(2)裁判の場合の慰謝料の金額の相場は?

ただ、裁判になった場合には慰謝料の金額に相場がある。不貞の慰謝料の金額の相場は、結婚10年くらいの夫婦の場合で、だいたい300万円程度である。ただ、この金額にこだわる必要は無い。支払能力の高い相手であれば、1000万円程度の慰謝料支払いをすることもある。逆に収入や貯蓄のほとんどない相手方の場合には、50万円程度の支払いしか受けられないこともあるし、分割払いになるケースもある。結局はケースバイケースで対応するしかないが、決められない場合には上記の相場を参考にすると良いだろう。

7、不倫されて離婚する場合の財産分与は?

相手方が不貞をして離婚する場合、離婚条件としては財産分与も決定する必要がある。夫婦の結婚中に積み立てた財産がある場合、離婚時には財産分与を行うことが出来る。不貞があった場合、財産分与の割合や決定方法はどうなるのだろうか。

この点、不貞があったとしても財産分与の割合や決定方法自体は、不貞が無い場合と変わらない。財産分与の割合は、原則として2分の1なので、不貞があったとしても原則としては2分の1ずつになる。

ただし、これは裁判や審判で決められる場合の原則であって、財産分与の割合については基本的に当事者が自由に決めることが出来る。極端な話、夫婦のどちらかが100%もらっても良いのである。

よって、不貞事案の場合などには、不貞をされた方がすべての財産をもらうということもあり得る。

十分な慰謝料支払いを受けられない場合などには、財産分与と慰謝料を含めて、夫婦のすべての財産を不貞された側が受け取ることによって、離婚条件を整えることも多い。このように、慰謝料と財産分与を同時に処理する場合の財産分与のことを、慰謝料的財産分与と言う。

以上のように、不貞があった場合には、不貞の事実も加味して自分に多めに財産分与をしてもらいたいことを主張すると良いだろう。

8、不倫されて離婚する場合の親権、養育費は?

不貞があった場合に未成年の子どもがいる場合には、子どもの親権者を決めないといけない。不貞があると、子どもの親権者はどうなるのだろうか。

(1)不倫したからと言って親権者になれないわけではない

この点、不貞があったからと言って、必ずしも不貞した側が子どもの親権者になれないということではない。世の中には、不貞した側が子どもの親権者になっていることもある。しかし、実際問題として争いになれば、不貞した側は親権者として不適格と判断されることが多いだろう。特に、不貞相手とのつきあいが続いている場合には、親権者としての適格性を認めてもらうことが非常に困難になる。よって、通常は不貞された側が子どもの親権者となるのが普通である。

(2)養育費の金額はどのように決まるか?

そして、子どもの親権者となった場合には、相手方に対して養育費の請求をすることが出来る。この場合、養育費の金額はどのようにして算定するのだろうか。

不貞があったことが原因で養育費が増額されることがあるのかが気になる人も多いだろう。

ただ、養育費の金額自体は不貞があったからと言って変わらない。養育費の金額については、元夫婦のお互いの収入状況などに応じて相場が決まっており、その相場をまとめた養育費算定表という表にあてはめることによって計算出来る。

養育費の計算方法について詳しくは「できればたくさんもらいたい! 養育費の相場と計算方法」を参考にして欲しい。

なお、養育費の金額については話し合いによって、それより多い金額の支払を受けたり、逆にそれより少ない支払を受けることも自由である。不貞が原因で離婚する場合には、当方が優位に立つ分、多めに養育費の支払い請求をしても良いだろう。

9、不倫されて離婚する場合の婚姻費用は?

(1)婚姻費用とは?

夫婦が離婚する場合、離婚前に別居期間が発生することが多い。特に不貞が原因で離婚する場合には、お互いに一緒に住むことに耐えられなくなって、離婚協議中に別居するケースが極めて多い。この場合には、収入の多い側が収入の少ない側に生活費を支払わなければならない。夫婦には、お互いに扶養する義務があるからである。夫婦間で支払う必要のある生活費のことを、法律用語では「婚姻費用」という。たとえば、別居中に夫が妻に対して支払をすることなどよくある。

ただ、不貞があった場合、不貞した側は相手方に対して婚姻費用を請求することは出来ない。自分が不貞して別居原因を作っておきながら、婚姻費用の請求をすることは認めないという判断である。

逆に、不貞された場合には、当然相手方に対して婚姻費用の請求が可能だ。

(2)婚姻費用の金額はどのように決まる?

この場合、婚姻費用の金額はどのようにして決定するのだろうか。

婚姻費用の金額は、婚姻費用の算定表を用いて計算する。さきほどの養育費の算定表と同様、全国の家庭裁判所で採用されている婚姻費用の算定表が存在するので、それを利用する。婚姻費用の算定表については「婚姻費用の相場、計算方法は?婚姻費用分担請求をする方法」の記事を参考にしてみて下さい。

そして、婚姻費用についても、不貞が原因の離婚の場合には自分の側が優位に立って話し合いを進めることが出来ることを利用して、多めに請求してみても良いだろう。

このようにして、相手方が不倫したことにより離婚協議をすすめる場合には、不貞の証拠さえとっておけば何かと有利に離婚交渉をすすめることが出来るのである。覚えておくと良いだろう。

まとめ

今回は相手の不倫を原因として離婚する場合に知っておいて欲しいことをご説明したがいかがだっただろうか。

夫婦の一方が、配偶者とは別の異性と男女関係をもった場合には、法律上の離婚原因である「不貞」となる。不貞された側は、不貞した側に対して離婚請求が出来る。相手に不貞をされて離婚したい場合には、まずは不貞の証拠を集めることが重要だ。不貞の証拠を集めたら、それを前提にして相手方に離婚を切りだそう。離婚の際には慰謝料や財産分与、子どもの親権や養育費、根因費用などが問題になる。これらの金銭支払いの金額についてはそれぞれ相場があるが、必ずしも相場に従わないといけないというわけではない。不貞が原因の離婚の場合には、自分の側が優位に立つことを利用して、なるべく多くの支払が受けられるように、有利な離婚条件になるように話をすすめていくと良いだろう。

 

そのためにも、不貞の証拠をきっちりとっておくことが極めて重要になってくる。この点はきちんと覚えておこう。

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