大分県で活躍する弁護士や弁護士事務所の現状
1.大分県の弁護士数は159人で全国第32位
九州の東部に位置する大分県は日本有数の温泉地として知られ、別府や由布院などの温泉が有名です。
農作物では干ししいたけやかぼすは生産量日本一、水産業では関サバや関アジといった高級魚介類が有名になるなど、農林水産業が盛んにおこなわれています。
工業では自動車関連企業が県北部に集まっています。
日本弁護士連合会によると、2017年11月1日現在、全国の弁護士数は38,843人となっています。
このうち、大分県で活動する弁護士数は159人。
全国で32位の数であり、全国の弁護士の0.41%に相当します。
2.多重債務と子どもからの相談に力を入れる大分県弁護士会
大分県で活動する弁護士は、大分県弁護士会に所属しています。
大分県弁護士会は大分市中島西1丁目にあります。
周辺には大分市役所や大分地方裁判所、大分県警本部などがあり、官公庁街を形成しています。
大分県弁護士会では、他の弁護士会と同様に各専門委員会に分かれての活動や出前授業、法律相談を行っています。
特に、子どもからの相談に乗る「子どもの権利110番」と多重債務相談については無料で行っています。
また、大分県弁護士会の法律相談センターでは独自のキャラクター「ふくろん」を採用。ふくろうのかわいらしいキャラクターを活かして、市民に親しまれる組織を目指しています。
ところで、大分県にはどれぐらいの女性弁護士が活動しているかごぞんじでしょうか。
県下で活動する女性弁護士は24人。
県下の全弁護士の中の女性比率は15.1%です。
本弁護士連合会によると、全国で活動する女性弁護士は7,172人となっていて、女性比率は約18.5%。
大分県の数字は全国平均を下回っており、女性比率のランキングで全国29位です。
弁護士の救済を必要とする人には、DVに遭っていたり、シングルマザーとして暮らしていたりと社会的に立場の弱い女性も少なくありません。
今後、大分県における女性弁護士のさらなる増加が待たれます。
続いて、大分県の弁護士費用について見ておきましょう。
かつては、弁護士会で報酬に関する規定が定められていたようです
が、現在は各事務所が独自で報酬を決めています。
大分県の弁護士費用の相場は全国平均並みといわれています。
全国平均に比べ、大分県の県民所得や物価はあまり高くありませんが、弁護士費用はそうした指標とは相関性がないようです。
後述するように、大分県では身内の相続や離婚などに関する相談が多く寄せられていることから、「お金や財産がらみの案件」は県民全体の経済事情をあまり反映しないのかもしれません。
3.大分県の刑事事件の件数は33位
ここからは、警察や検察、裁判所などが関与する刑事事件について、大分県の傾向を見ましょう。
裁判所が発表している司法統計によると、平成28年度の高等裁判所・地方裁判所・簡易裁判所の刑事事件新受総数は以下のとおりです。
まずは高等裁判所から。
全国に8か所ある高等裁判所の刑事事件新受総数は10,211件です。
大分県で起きた事件を管轄する福岡高等裁判所の刑事事件新受総数は1,101件で、8つの高裁の中で3番目に多く、全体の10.7%に相当します。
次に、各都道府県にある地方裁判所の刑事事件新受総数は、270,955件です。
大分県内の事件を管轄する、大分地方裁判所の刑事事件新受数は1,088件。
全国の地方裁判所のうち、42位の数字となっており、全体の約0.4%にあたります。
最後は簡易裁判所についてです。
全国の都道府県にある簡易裁判所の刑事事件新受総数は712,247件。
大分県には、大分や別府など9つの簡易裁判所があり、簡易裁判所全
体の刑事事件新受数の合計は5,835件です。
これは全国で34位、全体の約0.82%にあたります。
全国の地方裁判所と簡易裁判所の刑事事件新受数合計は983,202件。
大分県の地方・簡易裁判所の刑事事件新受数合計は6,923件です。
これは全国33位の数字で、全体の0.7%にあたります。
それでは、刑事事件と人口について見てみましょう。
総務省が発表した、平成28年10月現在の日本の人口は126,933千人。
大分県の人口は1,160千人、全国33位で日本の人口に対する割合は約0.9%です。
全国の地方・簡易裁判所の刑事事件受入総数に対し、大分県の地方・簡易裁判所の総受入数の割合は0.7%となっており、人口の割合よりも低い数字です。
大分県では、人口に対して刑事事件の発生率が低いといえるでしょう。
しかし、多くの温泉地を抱える大分県では、今後さらなる観光客の増加が見込まれます。
また、自動車関連部品をはじめとする製造拠点も多いことから、就労を目的とした人の流入も増えると思われます。
外からの人の流入が増えると、今後は刑事事件が増えることも懸念されます。
4.大分県の弁護士が受けた家事事件の件数は、民事事件より460件多い
大分県の弁護士が受けた法律相談には、どんな事件が多いのでしょうか。
弁護士に依頼をする事件として、おもに民事事件と家事事件があります。
民事事件とは、個人同士の間で起きる法律がらみの争いのことです。
交通事故や金銭の貸し借りのトラブルなどが該当します。
家事事件とは、家族や親族の間で起こる争いのことで、離婚や養育費、相続などをめぐる問題が該当します。
2016年版『弁護士白書』では、全国の弁護士会ごとに2015年の1年間に新たに受け入れた民事・家事事件の件数や、弁護士1人当たりの事件数などが公表されています。
大分県弁護士会で1年間に受け入れた民事事件は908件、家事事件は1,368件となっており、家事事件のほうが460件多い結果になりました。
民事事件の数は全国で31位、家事事件の件数は全国で32位。
全国の弁護士会で2015年に受け入れた民事事件は143,816件、家事事件は140,830件となっていて、民事事件が少し多い傾向にあります。
これに比べ、大分県のケースでは家事事件のほうが少し多くなっており、民事事件の約1.5倍にのぼっています。
弁護士1人当たりが担当する事件の件数をみると、大分県では弁護士1人に対して民事事件が5.9件、家事事件が8.9件となっています。
全国で民事事件は22位、家事事件は24位で、民事・家事ともに弁護士1人当たりが担当する事件の件数は、全国平均に近い数字が出ています。
大分県の人口は全国33位、弁護士数は32位、民事事件数は31位、家事事件は32位といずれもよく似た全国順位を示していることから、こうした結果が出ているのではないかと思われます。
5.大分県で弁護士や法律事務所をお探しですか?
以上、大分県における弁護士や事件の傾向について考えてきました。
大分県でも、1年間に相当数の民事・家事事件が発生しています。
特に、家事事件に関しては多くの事件が持ち込まれるため、1人の弁護士が多くの案件を抱えている状況です。
県内には約160人の弁護士がいますが、いざ弁護士に相談しなければならなくなった時、どの弁護士に依頼すればよいか迷うのではないでしょうか。
弁護士費用には決まった基準がなく、事務所の裁量に拠るところが多いため、弁護士に相談や依頼をするときには、どれぐらいの費用が必要になるか知っておく必要があります。
当サイトでは、大分県で起こるさまざまな問題に対して相談や依頼を受けた実績のある、また費用面でもきちんと表示している弁護士だけを紹介しています。
大分県にお住まいの方で、弁護士に法律相談やご依頼を考えておられる方は、当サイトで紹介している弁護士を訪ねてみてはいかがでしょうか。
きっと、あなたのお力になってくれるでしょう。