夫や妻に浮気をされたら、どのような人でも大変なショックを受けるものです。
そのまま離婚に向かって突き進んでしまうことも多いです。
しかし、離婚は人生の一大事です。
そう簡単に決断できるものではありません。
特に、小さい子どもがいる場合などには、離婚を避けたいと思うことも多いでしょう。
浮気をされたとき離婚をしたくない場合、どのように対応したら良いのでしょうか?
浮気を辞めさせる方法や相手が離婚を迫ってきた場合の対処方法も押さえておくと安心です。
今回は、夫や妻の浮気が発覚したときに離婚しない方法を考えてみましょう。
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目次
1.浮気が発覚しても離婚したくない理由とは?
夫や妻が浮気したら「離婚!」と考える方が多い反面「浮気くらいで離婚するなんて」という考えの方もいます。
実際、浮気が発覚しても70%のカップルは離婚しないと言われています。
配偶者に浮気されても離婚したくない理由には、どのようなものがあるのでしょうか?
(1)相手に気持ちが残っている
まず、相手に気持ちが残っているケースでは離婚したくないと思うものです。
相手が他の女性(男性)と交際しているとわかっていても、相手に未練があるので何とか自分のもとに戻ってきてほしいと考えるパターンです。
(2)自分にも非があったと思っている
浮気をされたとき、一方的に相手が悪いケースもありますが浮気された側にも一定の責任があるケースがあります。
そんなときには「自分も反省すべき点があったなぁ」と感じ、離婚は避けたいと思うものです。
自分も改善することにより夫婦をやり直せると考えるパターンです。
(3)小さい子どもがいる
小さい子どもがいる場合にも離婚を避けたいと考えることが多いです。
離婚をすると子どもにも大きな影響が及ぶからです。
子どもがいると浮気した側も家庭に戻ってくることが多いので修復しやすいパターンとも言えます。
(4)経済的な問題
自分に収入がない場合、離婚すると生活に困ってしまいます。
そこで、相手が浮気していても割り切って結婚生活を続けようと考えます。
(5)相手の思い通りになるのが許せない
浮気をする人は、浮気相手にのめり込んで今の妻(夫)と離婚して浮気相手と再婚したいと考えることがあります。
離婚に応じたら相手の思うつぼになってしまいます。
そのようなことが許せないので、意地でも離婚しないとうパターンがあります。
(6)浮気が一時的なものだと思う
配偶者が浮気をしても、それが一時的な場合にはまた家庭に戻ってきます。
何度も浮気を繰り返す人にも多いパターンです。
このようなケースでは、事態を静観していたら自然に配偶者が浮気相手と別れて元の鞘に収まることが多いです。
ただし、こういった人でもたまに浮気相手に本気になってしまうこともあるので注意が必要です。
2.浮気は「法律上の離婚原因」
以上のように、配偶者に浮気をされても離婚したくない、というパターンは意外とたくさんあります。
このように、浮気されたとき、離婚をしないという選択肢はありなのでしょうか?
民法では「不貞(法律用語で浮気や不倫のこと)」があると「離婚原因」になるとされていますが、浮気されても離婚しなくて良いのかどうかまずは確認しましょう。
確かに、民法においては不貞は離婚原因とされています。
民法770条1項1号において、そう定められています。
3.浮気された方は、「離婚しなくても良い」
それでは、浮気が発覚したら、法律上離婚しなければならないのでしょうか?
そのようなことは、ありません。
民法によって不貞が離婚原因であるという意味は、浮気された人が相手に「離婚請求できる」ということです。
浮気されたとしても離婚するかしないかは、浮気された人の自由です。
浮気されたからと言って、離婚を強制されるということではありません。
4.浮気した人は、「離婚請求ができない」
浮気が法律上の離婚原因なら、浮気した配偶者が自分の浮気を理由として離婚を迫ってくることはないのでしょうか?
法律は、このようなことは認めていません。
浮気(不貞)は、夫婦関係を破綻させるおそれのある違法行為です。
そして、浮気した人は、浮気によって夫婦関係を破綻させた本人であり責任がある人です。
このように、夫婦関係破綻の原因を作った人のことを有責配偶者といいます。
そして、法律上、有責配偶者の方から離婚請求することは認められていません。
自分で浮気をしておきながら、離婚を請求するなどということは勝手すぎるからです。
そこで、夫や妻が浮気をしても浮気をした本人からあなたに対し離婚請求することはできません。
このことは、離婚したくない方にとっては非常に安心できる材料です。
5.離婚を迫られることは多い!
浮気をした本人から離婚を請求することができないと言われても、実際に「浮気した配偶者が離婚を迫ってくるので困っている」という事例はあります。
たとえば、浮気相手と再婚したいとか、今の配偶者に嫌気がさして無理矢理離婚をしようとするのです。
自分が浮気しておきながら、配偶者に離婚届を突きつけたり脅したりすることもあります。
法律上、有責配偶者から離婚請求ができないなら、どうしてこのように離婚を迫られることになるのでしょうか?
それは、法律上、有責配偶者が離婚請求をできないという意味は裁判によって離婚をすることができないという意味だからです。
有責配偶者であっても、協議離婚や調停離婚であれば普通に離婚することができます。
不倫、浮気をした人であっても、配偶者に離婚届を書かせたら思い通りに離婚できるのです。
そこで、配偶者に不倫されたとき、離婚したくないならば相手が離婚届への署名押印を迫ってきても絶対に署名押印してはいけません。
相手が調停をしてきても離婚に応じないことです。
相手は、離婚訴訟を起こしても離婚ができないので、協議と調停にさえ応じなければ離婚を避けることができます。
6.離婚届の不受理申出書を出そう
そうはいっても、相手が勝手に離婚届を偽造して提出してしまうことがあるので注意が必要です。
離婚届には、夫婦それぞれが署名押印しなければなりませんが、署名押印の欄を相手や相手の協力者が偽造してしまったら見かけ上は有効な離婚届ができあがります。
これを役所に持って行かれたら、役所は受付をするので離婚が成立してしまいます。
このようなことを避けるためには、事前に役所で「離婚届の不受理申出書」を出しておくべきです。
不受理申出書を出しておくと、申出人の意思確認が取れない限り、役所は離婚届を受け付けなくなるからです。
配偶者が浮気をしたら、まずは最寄りの役場に行って「離婚届不受理申出書を出したいです。」と言い申出書を作成して提出しておきましょう。
7.相手が家出した場合の対処方法
浮気されたときに離婚を拒絶していると相手が家出をしてしまうケースがあります。
浮気相手の家に転がり込んでしまう場合などもあります。
この場合、まずは相手に連絡を入れて「帰ってきてほしい」ということを伝えましょう。
メールなど、証拠が残る方法で連絡することをお勧めします。
手紙を送る場合には、発送前にコピーを取っておきましょう。
そして、それでも相手が帰ってこない場合には家庭裁判所で「同居調停」を申し立てることができます。
同居調停とは、配偶者に対し「戻ってきてほしい」と主張し復縁のための話合いをする調停です。
家庭裁判所の調停というと離婚調停が知られていますが、そうではなく反対に夫婦関係を修復する方向での話合いも可能なのです。
同居調停をすると調停委員が介在してくれて、相手が戻ってくるための話合いをすることができます。
相手の希望も聞いて、こちらの改善すべき点等も指摘してもらいます。
こうして両者に合意ができたら、調停が成立して相手が家に戻ってくることになります。
ただし、同居を強制することはできません。
同居調停をしても、どうしても相手が戻ってこないなら調停は不成立になって終わってしまいます。
8.相手が生活費を払わなくなった場合の対処方法
相手が浮気をして離婚を望んでいる場合、相手が生活費を渡さなくなる場合があります。
このようなことがあると特にこちらが専業主婦や小さい子どもがいる場合などに深刻な状態となります。
相手が生活費を支払わないなら、強制的に支払わせる方法があります。
夫婦は、互いに扶養義務があるので法律上、生活費を支払わないといけないからです。
相手に生活費を支払わせるためには、やはり家庭裁判所で調停を利用します。
このときには「婚姻費用分担調停」という調停を行います。
婚姻費用分担調停でも、調停委員を交えて相手が支払うべき婚姻費用(生活費)の金額を決めていきますが、相手が支払いに応じない場合には裁判所が「審判」によって適切な婚姻費用の金額を決定してくれます。
そして、相手が決定された婚姻費用の支払いをしない場合には、給与差し押さえ等によって強制的に支払わせることも可能です。
また、必要に応じて「離婚を考えるなら知っておきたい離婚後の生活費と捻出方法」もご参照ください。
9.復縁するための工夫
相手が浮気をした場合、相手が離婚を迫ってくることもなく、何事もなかったかのように家庭で振る舞ってくることも多いです。
このような場合、復縁するためにはこちらも上手に対応しなければなりません。
(1)相手を責めない
まずは、相手を責めないことが大切です。
浮気されるとどうしても相手に対する怒りがわいてきますし問い詰めたくなるものです。
しかし、責めると相手が頑なになって離婚に突き進んでしまうことが多いです。
まずは冷静になりましょう。
(2)それとなく、浮気に気づいていることを伝える
かといって、相手に何も告げず、そのまま家庭生活を送るというわけにもいかないでしょう。
放っておくと相手の浮気がエスカレートする可能性もあります。
そこで、それとなく浮気に気づいていることを伝えましょう。
「そういえば、〇〇のとき、どこに行っていたの?」「こんなハンカチ、持っていたっけ?」「最近、残業が多すぎない?」などと言います。
「まさか、女がいるはずないよね?」などと言ってみてもよいです。
配偶者に浮気を気づかれたと思ったら、それだけで浮気を辞める人もいます。
(3)夫婦カウンセリングを受ける
相手に対する対応方法がわからない場合や精神的に不安定になっている場合には、カウンセリングを受けるのも1つの方法です。
一人でカウンセリング受けても良いですし、相手が了承する場合には夫婦で夫婦カウンセリングを受けるのも効果的です。
このようにして、一歩一歩、夫婦の危機を乗り越えていきましょう。
10.浮気の証拠は押さえておく
たとえ離婚しないとしても、浮気の証拠を押さえておくことは重要です。
浮気の証拠がないと相手から離婚請求されたときに相手を有責配偶者であると証明できないためです。
たとえばメールや写真を集めたり、興信所に調査を依頼したりして証拠を手元に置いておきましょう。
浮気の証拠を集める方法に関しては、RCL探偵事務所が運営する情報メディア「探偵はミタ」の「浮気の証拠を集める方法と集めた後の5つの選択肢」のコンテンツがとても参考になります。
まとめ
浮気されて離婚をしたくない場合でも、相手が無理矢理離婚を迫ってきたときなどには弁護士のサポートが必要です。
困ったときには、離婚問題を得意とする弁護士に相談してみると良いでしょう。