栃木県で活躍する弁護士や弁護士事務所の現状
1.栃木県の弁護士数は216人で全国第21位
日光や那須といった観光地で知られる栃木県。
首都圏に近いこともあり自動車産業や航空産業などの製造業が盛んなほか、農作物の生産地としても知られ、いちごの生産量は日本一を誇ります。
そんな栃木県内で活動する弁護士は「栃木県弁護士会」に登録し、その数は216人を数えます。
日本弁護士連合会によると、全国の弁護士会に所属する弁護士の数は2017年11月1日現在で38,843人。
栃木県弁護士会に所属する弁護士数は全国で21位となっていて、これは日本の弁護士全体の約0.6%に相当します。
栃木県の人口は約1,961千人で全国18位。
都道府県で真ん中ぐらいの人口の多さであり、弁護士の数も人口に見合ったものとなっています。
2.栃木県弁護士会に所属する女性弁護士数は33人
栃木県弁護士会は宇都宮市の中心部、宇都宮市明保野町にあります。
かつて、弁護士会館は宇都宮簡易裁判所や宇都宮地方法務局のそばにありましたが、建物の老朽化などの理由から、2015年に約1㎞南へ移転しました。
弁護士会には人権公害委員会や消費者問題対策委員会など、さまざまな委員会があり、会員である弁護士は委員会に所属し、各分野の啓蒙活動や救済活動に取り組んでいます。
女性の弁護士数を見ると、全国の弁護士38,843人のうち、女性弁護士は7,172人。
女性の比率は約18.5%となっています。
栃木県弁護士会に所属する弁護士は216人で、そのうち女性は33人。
女性率は15.3%で全国24位、ちょうど中位の数字になっています。
とはいえ、女性が占める割合は全国平均よりも低い数値。
日本弁護士連合会では女性弁護士の参画を奨励しており、今後の増加に期待したいところです。
次に、栃木県における弁護士費用について見てみましょう。
弁護士費用について、全国的、または弁護士会で統一された基準はありません。
かつては弁護士会で弁護士が受け取る報酬基準がありましたが、現在は各弁護士事務所で独自に定めています。
栃木県は関東地方に属していることもあり、弁護士費用の相場は全国平均よりも高めといわれています。
東京と中心とする首都圏の辺縁部にあり、東京から車で1時間ほど。
物価も安くはありません。
そのため、弁護士費用もどうしても高めになりがちなのです。
3.栃木県の刑事事件の件数は全国第18位
裁判所の司法統計には、刑事事件の件数・裁判数が裁判所別に集計されています。
平成28年度、全国に8か所ある高等裁判所の刑事事件新受総数は10,211件でした。
そのうち、栃木県の事件を管轄する東京高等裁判所の刑事事件新受総数は3,918件に上り、すべての高等裁判所の中でもっとも多い件数でした。
この数字は全国の高等裁判所の約38%に当たります。
次に、地方裁判所について見てみましょう。
全国の地方裁判所の平成28年度刑事事件新受総数は270,955件でした。
地方裁判所は各都道府県にあり、栃木県の事件を管轄しているのは宇都宮地方裁判所です。
宇都宮地裁の平成28年度刑事事件新受総数は3,773件。
この数字は全地方裁判所の新受総数の約1.3%に当たります。
すべての地方裁判所のなかで14位でした。
最後は簡易裁判所について。
平成28年度、全国の簡易裁判所の刑事事件新受総数は712,247件でした。
栃木県には宇都宮・真岡・大田原など6つの簡易裁判所があり、6か所の刑事事件新受総数は10,069件で全国20位の多さとなっています。
この数字は全簡易裁判所の新受総数の約1.4%に相当します。
平成28年度、全国の地方裁判所と簡易裁判所が新たに受けた刑事事件の総数は983,202件。
対して、栃木県の地方裁判所と簡易裁判所の刑事事件新受総数は13,842件です。
この数字は全国18位の多さとなっていて、全国の地方裁判所と簡易裁判所の新受総数の約1.4%に相当します。
では、刑事事件の割合と人口の割合を比較してみましょう。
総務省が発表した平成28年10月現在の日本の総人口は126,933千人。
栃木県の人口は約1,961千人で全国18位であり、日本の総人口の約1.5%を占めています。
栃木県の地方裁判所と簡易裁判所の刑事事件の件数は全国の件数の約1.4%に相当し、人口比とほぼ等しい数字になっています。
このことから、栃木県で犯罪が起こる頻度は人口並みといえるでしょう。
また、人口1千人あたりの刑事事件数は約7件となっていて、これは全国平均とほぼ等しい数字です。
栃木県は日光や那須といった観光地が有名な一方、農業・製造業が盛んなことでも知られており、バランスのとれた産業構造を持つ県です。
近年は海外から観光客が増えていることに加え、県下の工場などで働く外国人の数も上昇傾向にあります。
その結果、刑事事件の増加も懸念されます。
多様なルーツを持つ人々が安心して暮らせる街をどう作っていくか、これからの課題になるでしょう。
4.栃木県の弁護士が受けた家事事件の件数は、民事事件の件数より759件多い
ここからは、栃木県ではどのような法律相談が多いのか見ていきましょう。
弁護士への依頼には、大きく分けて民事事件と家事事件があります。
民事事件とは、一般市民の間で起こる争いに関する事件のこと、交通事故や金銭の貸し借り問題に関する事件が該当します。
家事事件とは、家族や親族間で起こる争いに関する事件のこと、相続をめぐる問題や、離婚や養育費に関わる事件が該当します。
2016年版弁護士白書では、都道府県の弁護士会別に新しく受けた民事・家事事件の件数や、弁護士1人当たりの民事・家事事件などが公表されています。
栃木県では、民事事件の新受件数が1,492件、家事事件の新受件数が2,251件となっており、家事事件の数が759件多い結果となりました。
身内のトラブルで弁護士を頼るケースが多いようです。
各都道府県の総数を見ると、民事事件の新受件数は143,816件、家事事件の新受件数は140,830件となっていて、ほぼ拮抗しており、栃木県では家事事件の方が多い傾向にあることがわかります。
ちなみに、栃木県の民事事件新受件数1,492件は全国13位、家事事件新受件数2,251件は全国18位となっています。
また、栃木県における弁護士1人当たりの民事・家事事件の件数を見ると、民事事件は弁護士1人当たり7.1件、家事事件は10.8件。
民事事件は全国で5位、家事事件は全国で9位と、いずれも高い数字です。
栃木県の弁護士数は民事・家事事件の多さの割に少ないため、弁護士1人が担当する民事・家事事件はいずれも多くなっていることがわかります。
5.栃木県で弁護士や法律事務所をお探しですか?
上記で述べたように、弁護士費用は全国、または県下の弁護士会で統一されているわけではなく、各弁護士事務所の裁量にまかされています。
そのため、弁護士に法律相談や依頼をするときには、どれぐらいの費用が発生するのか前もって調べたうえでお願いする弁護士を選ばなければなりません。
栃木県は弁護士の数の割に、民事・家事ともに数多くの事件が起こっています。200人以上の弁護士が県内で活動していますが、自分がいざ事件の当事者になったとき、誰に依頼すればよいのか迷うことも多いかと思います。
当サイトでは、栃木県で起こるさまざまな事件・問題に対して、相談や依頼を引き受けてきた実績のある弁護士を紹介しています。もちろん、費用についてもきちんと明示しています。
栃木県で弁護士に法律相談や依頼をしたいという方は、当サイトで紹介している弁護士にできるだけ早く相談してみてください。
きっと、あなたのお役に立てる弁護士が見つかるでしょう。