奈良県で活躍する弁護士や弁護士事務所の現状
1.奈良県の弁護士数は170人で全国第29位
寺社仏閣が多く観光業や農業、林業などの産業で有名な奈良県。
奈良県の人口は135万人あまりと少ないこともあり、他の都道府県に比べて、弁護士や弁護士事務所への相談数や弁護士数は比較的少なくなっています。
奈良県には「奈良弁護士会」が存在し、県内で活動する弁護士が登録しています。
日本弁護士連合会では、全国の弁護士会に所属している弁護士の人数を公表しています。
それによると、2017年11月1日現在で全国の弁護士数は38,843人。
そのうち、奈良県は170人です。
これは全国で第29位の数字で、日本の弁護士全体の約0.4%を占めていることになります。
2.奈良弁護士会は、市民サービスの充実に向けたさまざまな活動を推進
奈良県にある弁護士会は奈良弁護士会です。
奈良弁護士会は奈良市中筋町に本部を置いています。
近くには奈良簡易裁判所や奈良地方検察庁などが存在し、一帯は奈良県の司法の中心となっています。
奈良弁護士会は、自治体での相談活動の拡充や弁護士紹介制度、委員会活動などを通じて市民サービスの充実に向けたさまざまな活動を推進しています。
また、多様な社会問題に真摯に取り組んでいます。
女性の弁護士数に目を向けると、全国の弁護士総数38,843人のうち、女性の数は7,172人で全体の約18.5%であるのに対し、奈良弁護士会は、弁護士数170人のうち女性の数は27人で約15.9%となっています。
女性が占める割合は全国平均よりも低い数値です。
しかし、女性が占める割合を都道府県別の順位でみると、全国第20位と比較的高い順位になっています。
日本弁護士連合会でも女性弁護士の参画を推し進めており、今後は奈良弁護士会でも女性弁護士の参画が一層進むことが期待されます。
では、奈良県での弁護士費用について見てみましょう。
実は、弁護士費用について全国的に定められた基準などはありません。
かつて、弁護士が受け取る報酬は弁護士会で基準がありました。
しかし、今はなくなり、弁護士事務所がそれぞれ独自に報酬を定めています。
奈良県の弁護士費用の相場は、一般的に比較的高い金額といわれています。
奈良県の人口は少ないですが、大阪のベッドタウンとしての機能を果たし、新興住宅地では人口が増加しています。
また、日本有数の観光業県のため観光客は外国人を中心に増加の一途をたどっています。
そのため、個人や中小企業を依頼者とする一般事件が多く、費用高くなる傾向にあるようです。
さらに、大阪に近く、物価もさほど安くない点も費用が高い要因のひとつと思われます。
3.奈良県の刑事事件の件数は全国第29位
裁判所の司法統計では、裁判所別に刑事事件の件数・裁判数が出されています。
平成28年度、高等裁判所における刑事事件新受総数は10,211件でした。
高等裁判所は全国に8つあり、そのうち奈良県の事件を管轄する大阪高裁の刑事事件新受数は2,311件に上り、全ての高等裁判所の中で第2位でした。
この数字は全体の約22.6%に相当します。
次に、地方裁判所では、平成28年度の全国刑事事件新受総数は270,955件でした。
地方裁判所は全国にあり、都道府県ごとの件数等がわかります。
奈良県の事件を管轄する奈良地方裁判所の刑事事件新受数は3,161件に上り、全ての地方裁判所の中では高い件数で第18位でした。
この数字は全体の約1.2%に相当します。
最後に簡易裁判所です。
簡易裁判所では、平成28年度の全国刑事事件新受総数は712,247件でした。
簡易裁判所は全国にあり、都道府県ごとの件数等がわかります。
奈良県下には奈良・葛城・吉野などの5つの簡易裁判所があります。
奈良県の事件を管轄する簡易裁判所の刑事事件新受数は9,720件に上り、こちらは全ての簡易裁判所の中で比較的件数の高い第21位でした。
この数字は全体の約1.4%に相当します。
地方裁判所と簡易裁判所の合計で見ると、平成28年度の全国刑事事件新受総数は983,202件です。
対して、奈良県の地方裁判所と簡易裁判所の刑事事件新受総数は12,881件でした。
この数字は全国第21位の数字で、全体の約1.3%に相当します。
では、刑事事件の割合と人口の割合を比べてみましょう。
総務省発表の平成28年10月現在の全国の人口は126,933千人で、このうち奈良県は1,356千人で全国第30位です。
この数字は全体の約1.1%に当たります。
奈良県の地方裁判所と簡易裁判所の刑事事件の割合は、全体の約1.3%に相当し、人口比は約1.1%に比べて高いということは、人口に比べて犯罪が起こる件数の割合が高いことを意味するといえるでしょう。
奈良県は、観光業や農業、林業などの産業が盛んです。
また、関西の中心である大阪に隣接し、県内にも数多くの観光に関係する企業等が存在し、多くの人が勤めています。
さらに、近年海外からの観光客も増加傾向にあることなどから、今後、さらに刑事事件が起こりやすくなる可能性が十分あります。
4.奈良県の弁護士が受けた家事事件の件数は、民事事件の件数より約500件多い
ここからは、奈良県でどのような法律相談が多いのかを見ていきましょう。
弁護士への依頼には、大きく分けて民事事件と家事事件があります。
民事事件とは、一般市民の間でおこる争いに関する事件のことで、交通事故や金銭の貸し借りの問題などの事件が該当します。
家事事件とは、家族や親族間でおこる争いに関する事件で、相続をめぐる問題や離婚や養育費などの事件が該当します。
2016年版の弁護士白書では、都道府県の弁護士会別に新しく受けた件数や、弁護士1人に対する事件数などを公表しています。
まず、件数で比較すると、奈良県では民事事件を新しく受けた件数が1,040件、家事事件を新しく受けた件数が1,560件でした。
民事事件の数に比べて家事事件の数が500件程多いという結果となりました。
全国の件数をみると、民事事件を新しく受けた件数が143,816件、家事事件を新しく受けた件数が140,830件と両者がほぼ拮抗していることを考えると、奈良県では、家事事件の方が多く、家族や親族間でおこる争いに関する事件の割合が比較的高い傾向にあります。
また、奈良県で民事事件を新しく受けた件数の1,040件は全国第28位の数字で、家事事件を新しく受けた件数の1,560件も全国第28位の数字であるため、全国でみると比較的どちらの事件も少ないといえます。
さらに、弁護士1人に対する件数でみると、奈良県では民事事件は弁護士1人に対して6.3件、家事事件については弁護士1人に対して9.5件です。
この数字は、全国と比較すると民事事事件が全国第16位、家事事件では全国第18位と比較的高い順位となっています。
このことは、奈良県は他の都道府県と比べて事件の数も弁護士の数も少ないが、弁護士1人に対する件数は多い県であることを示しています。
5.奈良県で弁護士や法律事務所をお探しですか?
先に述べたように、弁護士費用は全国で統一されておらず、各弁護士事務所の裁量にまかされています。
そのため、弁護士に法律相談や依頼をするときには、あらかじめ費用のことを把握しておく必要があります。
奈良県は他の都道府県に比べて事件の発生数は少ないものの、それでも民事事件から家事事件に至るまでさまざまな問題が起こっています。
奈良弁護士会には170人もの弁護士が在籍しており、いざ事件の当事者になった場合はどの弁護士に依頼するか迷うことも多いでしょう。
当サイトでは、奈良県で起こるさまざまな問題に対する相談や依頼を受けてきた実績のある、また費用面についてもきちんと明示している弁護士のみを紹介しています。
奈良県で弁護士に法律相談や依頼をしたいという方は、当サイトで紹介している弁護士にできるだけ早く相談してみてください。
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