和歌山県で活躍する弁護士や弁護士事務所の現状
1.和歌山県の弁護士数は144人で全国第35位
鉄鋼業、石油業、みかんや梅といった果物などの農業、漁業などの産業で有名な和歌山県。
和歌山県の人口は47都道府県中40位(2016年統計)と少ないため、弁護士や弁護士事務所への相談数や弁護士数も他の都道府県と比べ、比較的少なくなっています。
和歌山県には和歌山弁護士会があり、県内で活動している弁護士が登録しています。
日本弁護士連合会では、全国の弁護士会に所属している弁護士の人数を公表していますが、それによると、2017年11月1日現在で全国の弁護士数は38,843人。
そのうち、和歌山県は144人です。
これは全国で第35位の数字で、日本の弁護士全体の約0.4%を占めていることになります。
2.和歌山弁護士会は、住民の法的ニーズに応え、法による解決が図られる活動を推進
和歌山県にある弁護士会は和歌山弁護士会です。
和歌山弁護士会は和歌山市四番丁に本部を置いています。
近くには和歌山家庭裁判所や和歌山地方合同庁舎、和歌山市役所などが存在し、和歌山県の行政の中心となっています。
和歌山弁護士会は、自治体や法テラスでの相談活動の拡充や常設、臨時の法律相談、弁護士過疎地域の活動などを通じて住民の法的ニーズに応え、法による解決が図られる活動を推進しています。
女性の弁護士数に目を向けると、全国の弁護士総数38,843人のうち、女性の数は7,172人で全体の約18.5%であるのに対し、和歌山弁護士会は弁護士数144人のうち、女性の数は18人で約12.5%となっています。
女性が占める割合を都道府県別の順位でみると、全国第37位と比較的低い順位になっています。
日本弁護士連合会では現在、女性弁護士の参画を推し進めているので、和歌山弁護士会でも、今後は女性弁護士の参画が進むことが期待されます。
では、弁護士費用についてはどうなっているのでしょうか。
実は、弁護士費用について県内や全国で定められた基準はありません。
弁護士が受け取る報酬について、かつては弁護士会で基準がありました。
しかし、今はなくなり、弁護士事務所ごとで報酬を定めています。
和歌山県の弁護士費用の相場は、一般的に比較的高い金額といわれています。
和歌山県全体の人口は少ないものの、都市部では人口が多くなっています。
瀬戸内海や太平洋に面することから工場なども多く、弁護士のもとには個人や中小企業を依頼者とする一般事件が多く持ちこまれると考えられます。
なかには難しい案件もあり、その請求金額なども高くなる傾向にあります。
こうしたことに加え、大阪や兵庫に近く、物価が比較的高いことも費用の相場が高い要因としてあげられます。
3.和歌山県の刑事事件の件数は全国第31位
裁判所の司法統計では、裁判所の種類別に刑事事件の件数・裁判数が出されています。
平成28年度の高等裁判所・地方裁判所・簡易裁判所の刑事事件の新受数を見てみましょう。
高等裁判所の刑事事件新受総数は10,211件でした。
高等裁判所は全国に8つあり、そのうち和歌山県の事件を管轄する大阪高裁の刑事事件新受数は2,311件に上り、全ての高等裁判所の中で第2位でした。
この数字は全体の約22.6%に該当します。
次に、地方裁判所の全国刑事事件新受総数は270,955件でした。
地方裁判所は全国にあり、都道府県ごとの件数等がわかります。
和歌山県の事件を管轄する和歌山地方裁判所の刑事事件新受数は2,604件に上り、全ての地方裁判所の中では高い件数で第21位でした。
この数字は全体の約1.0%に該当します。
最後に簡易裁判所です。
簡易裁判所の全国刑事事件新受総数は712,247件でした。
簡易裁判所は全国にあり、都道府県ごとの件数等がわかります。
和歌山県下には和歌山・湯浅・橋本などの8の簡易裁判所があります。
和歌山県の事件を管轄する簡易裁判所の刑事事件新受数は6,098件に上り、こちらは全ての簡易裁判所の中で比較的件数の低い第32位でした。
この数字は全体の約0.9%に該当します。
地方裁判所と簡易裁判所を合わせた全国刑事事件新受総数は983,202件です。
対して、和歌山県の地方裁判所と簡易裁判所の刑事事件新受総数は8,702件でした。
この数字は全国第31位の数字で、全体の約0.9%に該当します。
では、刑事事件の割合と人口の割合を比べてみましょう。
総務省発表の平成28年10月現在の全国の人口は126,933千人で、このうち和歌山県は954千人で全国第40位です。
この数字は全体の約0.8%に該当します。
和歌山県の地方裁判所と簡易裁判所の刑事事件の割合は全体の約0.9%に該当し、人口比の約0.8%に比べて高くなっています。
これは、人口に比べて犯罪が起こる件数の割合が若干高いことを意味するといえるでしょう。
和歌山県は、重工業や農業、漁業などの産業が盛んです。
県内には数多くの工場や企業等が存在しており、県民の多くは県内で働いています。
また、近年は海外からの観光客も増加傾向にあります。
こうしたことから、今後は刑事事件が起こりやすくなる可能性があると考えられます。
4.和歌山県の弁護士が受けた家事事件の件数は民事事件の件数より300件多い
ここからは、和歌山県でどんな法律相談が多いのかを見ていきましょう。
弁護士への依頼には、大きく分けて民事事件と家事事件があります。
民事事件とは、一般市民の間でおこる争いに関する事件のことで、交通事故や金銭の貸し借りの問題などの事件が該当します。
家事事件とは、家族や親族間でおこる争いに関する事件で、相続をめぐる問題や離婚や養育費などの事件が該当します。
2016年版の弁護士白書では、都道府県の弁護士会別に新しく受けた件数や、弁護士1人に対する事件数などを公表しています。
まず、件数で比較すると、和歌山県では民事事件を新しく受けた件数が729件、家事事件を新しく受けた件数が1,042件でした。
民事事件の数に比べて家事事件の数が300件程多いという結果となりました。
全国の件数をみると、民事事件を新しく受けた件数が143,816件、家事事件を新しく受けた件数が140,830件とほとんど変わらないことを考えると、和歌山県では家事事件の方が多く起こる傾向にあります。
また、和歌山県で民事事件を新しく受けた件数の729件は全国第35位の数字で、家事事件を新しく受けた件数の1,042件も全国第39位の数字であるため、全国でみると比較的どちらの事件も起こりにくいといえます。
弁護士1人に対する件数でみると、和歌山県では民事事件は弁護士1人に対して5.0件、家事事件については弁護士1人に対して7.2件です。
この数字は、全国と比較すると民事事事件が全国第32位、家事事件では全国第31位と比較的低い順位となっています。
こうしたことから、和歌山県は他の都道府県と比べて事件の数が比較的少なく、弁護士の数も少ないので、弁護士1人に対する件数が少ない県であることをいえるでしょう。
5.和歌山県で弁護士や法律事務所をお探しですか?
先に見た通り、弁護士費用は全国で統一されておらず、各弁護士事務所の裁量にまかされています。
そのため、弁護士に法律相談や依頼をするときには、あらかじめ費用がどれぐらいかかるか知っておく必要があります。
和歌山県で起きる民事・家事事件の件数は全国的には多くはありませんが、それでも都市部を中心に数多くの問題が起こっています。
県には144人もの弁護士が在籍しており、いざ事件の当事者になった場合はどの弁護士に依頼するか迷うことも多いでしょう。
当サイトでは、和歌山県で起こるさまざまな問題に対する相談や依頼を受けてきた実績のある、また費用面についてもきちんと明示している弁護士のみを紹介しています。
和歌山県で弁護士に法律相談や依頼をしたいという方は、当サイトで紹介している弁護士にできるだけ早く相談してみてください。
きっと、あなたのお役に立てる弁護士が見つかります。