「結婚生活が限界だけれど、お金がないので離婚に踏み切れない」
「離婚したいけれど、お金がないので子どもを育てられるか心配」
夫婦関係が破綻していたり、結婚生活をこれ以上維持できないけれど離婚しようにもお金がないと心配という方は多いと思います。
離婚後の生活費や住む場所をどうやって確保するかなど、離婚する際には一定のお金を確保することが必要になります。
特に、結婚以来専業主婦として家を守っていた、パートはしていたけれど一人で暮らしていけるほどの収入がないといった女性の方にとっては切実な問題と言えるでしょう。
今回は、離婚に備えて知っておくべき離婚する際にかかる費用と利用したい自治体の補助や助成金について説明したいと思います。
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1.離婚するのに必要な2つの費用とは
(1)離婚手続きに必要な費用
離婚には、当事者同士の話し合いで離婚を決める「協議離婚」、話し合いがまとまらない場合に裁判所で第三者に間に入ってもらう「調停離婚」、それでも合意に至らない場合に裁判所で結論を出してもらう「裁判離婚」の3つの段階があります。
離婚する際には、上記のどれかの方法で離婚することになりますが、どの方法を取るかによって手続きにかかる費用が変わってきます。
①協議離婚の場合
協議離婚では、夫婦が話し合い、署名・押印した離婚届を役所に提出することによって離婚が成立するので、基本的にはお金がかかりません。
ただし、離婚の条件を明確にしたり、今後の慰謝料や養育費の支払いが滞った場合に備えて公正証書を作成しておくような場合には、公正証書作成の手数料がかかります。
公正証書の手数料は法律で決められており、離婚の場合は10年分の慰謝料や養育費などの合計金額を基準に算出するのが原則です。
具体的には、慰謝料や養育費の10年分の合計額を基準として、以下のように定められています。
- 100万円までの場合5,000円
- 200万円までの場合7,000円
- 500万円までの場合11,000
- 1,000万円までの場合17,000円
- 3,000万円までの場合23,000円
- 5,000万円までの場合29,000円
これ以外にも、用紙代などが必要になる場合もあるので、詳しくは最寄りの公証役場に聞いてみるとよいでしょう。
②調停離婚の場合
調停離婚をする場合には、家庭裁判所に申し立てを行うことが必要です。
家庭裁判所に申し立てをするときは、まず、印紙を調停申立書に貼付して納めなければいけません。
離婚調停の申し立てに必要な印紙代は1,200円です。
次に、調停の相手方である配偶者に呼び出し状を送ったりする際に必要な切手をあらかじめ納めなければいけません。
切手がいくら必要になるか、また何円の切手を何枚で納めるかについても裁判所毎に決められているので管轄の裁判所に確認してください。
更に、離婚調停する際には戸籍謄本が必要になるので数百円ではありますが、書類を整備するための費用がかかることも念頭に置いておきましょう。
加えて、財産分与の申し立てをする際には不動産の鑑定をするのに不動産鑑定士に依頼する場合は最低10万円の鑑定料が必要となるなど、離婚調停をするための諸準備にもお金がかかることになります。
③裁判離婚の場合
裁判離婚をする場合、調停離婚の場合と同様、裁判所に印紙を納付しなければいけません。
離婚だけを求める場合、未成年の子がいる場合に離婚と親権者の指定を求めるケースでは、印紙代は13,000円必要です。
それに加えて養育費や財産分与などについても裁判してほしい場合には、一つの処分につき印紙代が1,200円ずつ加算されます。
また、裁判離婚の場合、切手代も調停離婚の場合と同様に必要になりますが裁判所によって異なるので管轄の裁判所に確認してみてください。
(2)離婚の際の弁護士費用
①離婚で弁護士をたてるメリットとは
離婚をする際に、弁護士を雇うと弁護士費用がかかります。
日本では、仮に裁判離婚をするにしても弁護士を雇わなければいけないわけではなく、自分自身で法廷に立って離婚訴訟の当事者として主張などをしても問題ありません。
ただし、自分の主張をきちんと伝え、有利に離婚交渉を進め、離婚後の紛争の蒸し返しを防ぐためには弁護士をたてて離婚をすることをお勧めします。
弁護士をたててれば、夫婦で離婚を話し合う時点から代理人として交渉を任せることができます。
そのため、相手に会いたくないとか、暴力を振るわれそうで会うのが怖いというようなケースでも安心して交渉を進めることもできるのです。
また、離婚調停に進んだ場合でも、調停委員に主張を適切に伝えることができるのでスムーズな調停が期待できます。
もし、離婚裁判になった場合には、離婚の理由や有責事由についての主張、請求したい慰謝料額の根拠などを証拠を適宜提出して主張しなければいけません。
十分な証拠を期日に従って提出しなければいけないので専門家である弁護士に任せることで、精神的にも弁護士の役割は大きいと言えるでしょう。
②離婚で弁護士をたてた場合にかかる費用
弁護士を立てた場合にかかる費用は、主に次の5つに分けることができます。
法律相談料
法律相談をした際にかかる費用です。
目安としては30分5000円です。
着手金
弁護活動を依頼した際にかかる費用で、事件の成功の有無にかかわらず発生します。
成功報酬
弁護活動の成功についてかかる費用で、弁護士によって決め方が異なります。
日当
調停や裁判に出向いた際などにかかる費用で、弁護士によって決め方が異なります。
実費
弁護士が裁判所などに出向いた際の交通費や郵送料などです。
具体的な弁護士費用は、弁護士が自由に決めることができるとされているため弁護士や法律事務所によって差が生じることがあります。
特に、成功報酬については、たとえば獲得できた慰謝料金額などの経済的利益の何パーセント、と決めているところもあれば一定金額と決めているところもあります。
法律相談料も、30分5000円というのが目安ですが、事務所によっては無料相談や電話相談に対応しているところもあります。
そもそも、弁護士に法律相談したくてもどこの誰に相談したらいいか分からないという場合は、各都道府県の「法テラス」に相談してみるのも方法です。
法テラスは、法務省が所管する法律相談窓口で各都道府県に置かれていて、利用者に経済的余裕がない場合には無料法律相談や弁護士費用の立替制度などを用意しています。
離婚をするのに弁護士を頼みたいけれど弁護士費用が心配という場合には、まずは法テラスに電話したり法律相談で費用の目安などについても確認しておくとよいでしょう。
2.離婚前にも費用がかかるー別居中に必要な費用とは
(1)別居時にかかる費用
これまで、離婚する際に必要な費用について解説しましたが、お金がない場合に離婚する際は離婚後の生活費用についても検討しておくべきでしょう。
まず、配偶者と別居して新しく住居を探す場合には、引越し費用、敷金や礼金が最低限必要になります。
状況によっては、家具や電化製品を揃え直す必要もあるため数十万円以上のお金がかかると考えておくとよいでしょう。
(2)別居後にかかる費用
離婚の話が出るまで専業主婦だったという方の場合、離婚を前提に別居をするようになったときから生活費に困る事態に陥ることが考えられます。
特に、子どもを連れて家を出たような場合は、自分だけではなく子どもの生活費や学費の確保に悩む場合もあるでしょう。
①婚姻費用分担請求とは
このような場合、別居中であっても、相手方配偶者に対して「婚姻費用分担請求」をすることを検討しましょう。
婚姻費用分担請求とは、本来夫婦は相互に生活を助け合う義務があることから、別居中でも相手が生活費を渡してくれないような場合には生活費を請求できるというものです。
同居していても、配偶者の一方が収入源を持っていて生活費を渡してくれないといった事情がある場合には、婚姻費用分担請求をすることが認められます。
請求できる範囲としては、生活費、住居費用、子どもの生活費、子どもの学費など、収入や財産などに対応した通常の生活を続けるのに必要な費用ということになります。
子どもの生活費などの養育費は、未成熟な子どもを養育していれば認められます。
他方で、別居中の夫婦の生活費等については、別居に至った原因がある側から請求しても認められないことがあるので注意しましょう。
②婚姻費用分担請求できる金額の決め方とは
婚姻費用分担請求をする際は、「毎月いくら支払う」というように月極め金額を決めて行います。
夫婦間で支払額について決められない場合は、調停を裁判所に申し立てて話し合いを進め、それでも決まらない場合には家庭裁判所の家事審判官が審判をして金額を決めます。
夫婦間で決める場合は金額も自由に決められますが、裁判所では、婚姻費用は子どもの人数や収入に応じて「養育費・婚姻費用算定表」というおよその目安に基づいて算出されることになっています。
③婚姻費用分担請求できる期間とは
婚姻費用分担請求は、請求した時点以降から離婚するまで、または再度同居を始めるときまでの生活費等を請求できるというのが実務の考え方です。
つまり、別居したあと、請求しなかった期間の婚姻費用を後から請求するのは難しいのが通常です。
この間の婚姻費用は、婚姻費用分割請求よりも離婚する際の財産分与の金額を決める際に、考慮されることがあります。
同様に、離婚した後の生活費については婚姻費用分担請求はできません。
離婚した夫婦は他人になるので、相互に生活を支え合う義務を負うことがないからです。
3.お金がなくても離婚したい場合に利用できる扶助制度
(1)離婚時に受けられる扶助制度とは
離婚をするのに弁護士を頼みたいけれど、お金がなくて弁護士扶養が払えないという場合に、弁護士費用を立て替えてもらえる制度があります。
これを「民事法律扶助」といいます。
民事法律扶助は、次の3段階で援助を受けることができます。
①無料法律相談
まず、各都道府県の法テラスに電話をして、無料法律相談に申込みます。
利用できるかどうかが窓口で確認できるので、利用可能とされたら予約を取りましょう。
弁護士費用を立て替える(代理援助)だけでいいという場合でも、法律相談は受けることができますし、また、法律相談を受けることが利用の条件になります。
②審査から援助開始
民事扶助援助を受けるには、次の条件を満たす必要があります。
日本人(または日本に住所があり、適法に在留する外国人)で、資力が一定額以下であること
具体的には、毎月の収入が一定額以下であること(単身者は182,000円以下、2人家族の場合は251,000円以下、3人家族の場合は272,000円以下など。都市圏は別基準。)、保有資産が一定額以下であること(自宅を除く不動産や現金、預貯金等の合計が、単身者の場合は180万円以下、2人家族の場合は250万円以下、3人家族の場合は270万円以下など)と定められています。
勝訴の見込みがないとはいえないこと
和解や調停などで紛争が解決できる可能性があるものも含みます。
民事法律扶助の趣旨に適すること
仕返しや報復目的、権利の濫用で裁判を起こすといった目的でないことを指します。
これらの条件を満たし、援助開始の決定を受けると、弁護士費用(着手金・実費等)を立替えてもらうことができます。
③返済
立替えてもらった費用は一括で返す必要はありません。
援助を開始することが決まった後、事件終了後、3年以内をめどに月々分割で返済していくのが原則です。
ただし、離婚の問題が進行中の間は、毎月の返済が10,000円または5,000円ずつに押えてもらえたり、生活保護受給中であったり特別な事情がある場合は問題が解決するまでの支払いが猶予されることがあります。
(2)離婚後に受けられる扶助とは
離婚後に、母子家庭となった場合、子どもを一人で育てていくのは大変です。
ここでは、特に母子家庭に対する公的な扶助を中心に解説します。
①受けられる手当
生活保護
生活保護は、収入が、厚生労働大臣が定める最低生活費よりも少ない場合に、最低生活費と収入の差額が「生活保護費」として支給される制度です。
受給できる金額は、収入、家族構成、住んでいる地域によって異なります。
また、預貯金や売却できる不動産などの資産がある場合、また、養ってくれる家族がいる場合等には受給できません。
生活保護を申請する場合は、住んでいる地域の福祉事務所の生活保護担当者に相談しましょう。
児童手当
児童手当は、0歳から中学校を卒業するまでの子どもの養育者(親など)に支給される制度です。
母子家庭・父子家庭であるかどうかにかかわらず、受給の対象となる児童を養育している人に支払われます。
児童手当を受給するためには、住んでいる市区町村に申請手続を行いましょう。
なお、受給できる児童手当の金額は、子どもの年齢によって次のように変わります。
- 0歳~3歳未満 月額15,000円
- 3歳~小学校修了前 月額10,000円(第1子・第2子)、15,000円(第3子以降)
- 中学生 月額10,000円
- 所得制限世帯(約960万円以上) 一律月額5,000円
就学援助
就学援助は、義務教育期間中の子どもが、経済的な理由で学校に通うことが難しい場合に、その保護者を市区町村が支援する制度です。
母子家庭・父子家庭であるかどうかにかかわらず、生活保護を受けていたり、収入が市区町村の定める基準以下の場合に、学用品費や給食費などが援助されます。
就学支援を利用するためには、市区町村の学務課や教育委員会に問い合わせましょう。
児童扶養手当
児童扶養手当は、両親が離婚したり死亡するなどして一人親家庭となった子どもに地方自治体から一定の手当が支給される制度です。
また、離婚して母子家庭となった場合だけでなく、DV(配偶者からの暴力)が原因で裁判所から保護命令が出された場合にも利用することができます。
児童扶養手当で受給できる金額は、収入の額と子どもの人数によって変わります。
具体的には、子どもが1人の場合は月額9,990円から42,300円、2人の場合は月額5,000円から9,990円を加算、3人以上のときは3,000円から5,900円を加算、というように増えていきます。
また、児童扶養手当と似た名称で「特別児童扶養手当」があります。
これは、子どもの精神・身体に障害がある場合で、その子どもの養育者の収入が一定の金額以下である場合に国から支給される制度です。
1級の場合は月額50,400円、2級の場合は月額33,570円というように、障害の程度によって金額が定められています。
また、精神・身体に重度の障害があり、常に介護が必要な子どもに対しては、「障害児童福祉手当」として国から月額14,280円が支給されます。
ただし、特別児童扶養手当と同じく、受給者やその配偶者、扶養義務者の前年の所得が一定金額以上の場合は支給されません。
児童扶養手当、特別児童扶養手当、障害児童福祉手当など受給するには、住んでいる市区町村の窓口に申請をしましょう。
②利用できる有利な貸付制度
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度とは、収入が低い人の生活を支援するための融資制度です。
母子家庭・父子家庭であるかどうかにかかわらず、低所得者世帯(収入が少なく、銀行や消費者金融からお金を借りられない世帯)、高齢者世帯(65歳以上の高齢者がいる世帯)、障害者世帯(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持つ人がいる世帯)であれば、利用することができます。
ただし、多重債務者など、返せる見込みがない人は利用することができません。
生活福祉資金貸付制度は、次のような種類に分かれます。
総合支援資金
生活再建までに必要な生活費(生活支援費)、住宅の賃貸借契約に必要な費用(住宅入居費)、就職や転職に必要な経費や、支払いを滞納している公共料金(一時生活再建費)など
福祉資金
ケガや病気の治療費やその間の生活費、暮らしを立てるための仕事に必要な費用(福祉費)、災害などにあった時に臨時に必要な費用(緊急小口資金)
教育支援資金(教育支援費、修学支度金)
低所得世帯の子どもが、高校・大学・高等専門学校に入学するための費用(就学支度費)、低所得世帯の子どもが高校・大学・高等専門学校に通う費用(教育支援費)
不動産担保型生活資金
自宅を担保として貸し付ける低所得高齢者の生活資金(不動産担保型生活資金)、自宅を担保として貸し付ける生活保護受給高齢者世帯の生活資金(要保護世帯向け不動産担保型生活資金)
生活福祉資金貸付制度は、金利が無利子から最高でも年利3パーセントと低いのが特徴です。
また、ほとんどの場合で連帯保証人がいる場合には無利子で借りられ、福祉資金と教育支援金については連帯保証人がいなくても無利子になるなど返済しやすい条件で借りることができます。
生活福祉資金貸付制度を利用したい場合は、窓口となる各都道府県の庁舎内にある社会福祉協議会に問い合わせてみましょう。
母子及び父子福祉資金貸付金
母子福祉資金貸付金は、母子家庭・父子家庭の親が20歳未満の子どもを扶養している場合に、子どもの就学資金や親が働くための資金、医療を受けるため等の資金を借りられる制度です。
母子及び父子福祉資金貸付金は、事業開始資金、事業継続資金、技能習得資金、 修業資金、就職支度資金、医療介護資金、 生活資金、住宅資金、転宅資金、結婚資金、 修学資金、就学支度資金、計12項目から成り立っており、子どもが利用できるもの、親が利用できるもの、双方が利用できるものなど、内容によって変わります。
また、融資される上限金額や返済期限も、融資を受ける内容によって変わります。
ただ、何れも無利子から最高でも3パーセントと低金利で借りられること、また、返済期間も3年から10年と長いことから返済しやすい条件で借りられるのが特徴です。
母子福祉資金貸付金を利用したい場合は、窓口となる市区町村の児童福祉所に申請しましょう。
女性福祉資金貸付制度
女性福祉資金貸付制度は、配偶者がおらず、親・子・兄弟姉妹などを扶養しているか、扶養していなくても収入が一定の基準以下の女性で、かつて母子家庭で20歳未満の子を扶養した経験があるか、40歳以上で婚姻歴があるか、特に貸し付けの必要があると認められた人が利用できる融資制度です。
利用するには、原則として保証人が必要ですが、無利息から最高年利1パーセントと非常に低金利で利用できる制度です。
融資の種類としては、事業開始資金、事業継続資金、技能習得資金、 就職支度資金、医療介護資金、 生活資金、住宅資金、転宅資金、結婚資金、 修学資金、就学支度資金など11項目にわたります。
応急小口資金
応急小口資金とは、低所得世帯が、低所得世帯が医療費の支払いや給与の盗難や紛失、火災などの被災、年金等の支給まちなどの状況で、緊急かつ一時的に生活が困難な場合に、無利子でお金を借りられる制度です。
ただし、返済の見込みがない場合には利用できませんし、母子家庭・父子家庭の場合は母子及び父子福祉資金貸付金が優先され利用できない場合もあります。
③その他の支援制度
母子家庭、父子家庭自立支援教育訓練給付金
母子家庭・父子家庭自立支援教育訓練給付金は、母子家庭・父子家庭の親の経済的な自立を支援するために、対象となる教育訓練の講座を受け、無事修了した場合に、経費の60パーセント(12,001円以上で上限20万円)が支給されるという制度をいいます。
母子家庭・父子家庭の親で、20歳未満の子どもを扶養しており、児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準があること、教育訓練が適職に就業するために必要と判断された人が対象となります。
また、特に看護師や介護福祉士の資格取得を目指す場合には、高等職業訓練促進給付金等事業として、一定の金額が支給される制度もあります。
母子家庭・父子家庭自立支援教育訓練給付金を利用したい場合は、市区町村の窓口に申請しましょう。
母子生活支援施設
母子生活支援施設は、18歳未満の子どもを養育している母子家庭や、事情により離婚届けを提出できない女性が、子どもと一緒に利用することができる施設のことをいいます。
施設利用に必要な費用の具体的な額は、住民税や所得税の金額によって決まります。
母子生活支援施設を利用したい場合は、現在住んでいる住所地の福祉事務所が窓口となるので、問い合わせてみましょう。
また、自治体によっては、住居に困っている母子家庭のために「母子アパート」という制度を設けているところもあるので、併せて問い合わせてみるとよいでしょう。
公営住宅優遇措置
公営住宅優遇措置は、住居に困る母子家庭・父子家庭に優遇的に公営住宅に入居できる制度です。
ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親)
母子家庭・父子家庭で、所得が一定額に満たず、18歳になった最初の3月31日までの児童を養育している保護者に、高額療養費および入院時食事療養費を除く医療費の自己負担分を補助する制度です。
一部負担金は、住民税の課税・非課税によって変わります。
医療費補助制度を利用したい場合は、現住所の窓口に、申請者本人が申請しましょう。
ホームヘルパー派遣制度
ホームヘルパー派遣制度とは、母子家庭・父子家庭に、中学生以下の子どもがいる場合で、親や子どもの病気やけがで生活の支援が必要な場合にホームヘルパーを派遣してもらえる制度です。
料理や洗濯などの家事を担当してもらうことができます。
ただし、所得によって自己負担額を支払う必要がある場合があります。
税制優遇制度
母子家庭・父子家庭、一定の所得金額以下である場合に、所得税や住民税を軽減してもらえる場合があります。
また、生活保護受給世帯や児童扶養手当の受給世帯では、水道料金・下水道料金のほか、粗大ごみの処理手数料が免除されたり減額してもらえる制度があります。
まとめ
今回は、お金がなくても離婚したい場合にどのくらいの費用が必要になるか、またどのような扶助制度を利用できるかについてご説明しました。
離婚に思ったより費用がかかることに驚いた方、また、扶助制度について初めて知ったという方もいるかと思います。
離婚後の生活について不安がある場合には、どのような公的扶助が使えるかも含めて、まずは弁護士に相談することが安心につながることもあると言えるでしょう。