「離婚したいけどできない」とお悩みの方に知って頂きたい6つのこと

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あの人と毎日一緒に居たいと思い結婚してみたものの、今となってはもううんざり。

いっそのこと、離婚した方がラクになれるだろうと思う反面、結婚とは違い離婚は勢いだけではできないことが多いのも事実です。

このお話をお読み頂いている方の中にも、離婚したいけど何らかの事情により離婚できないと悩まれている方もいらっしゃいますよね。

あなたと同様に離婚したいけどできないとお悩みの方は少なくありません。

今回は、離婚したいけど離婚できないと悩まれている方を対象に、離婚に関して知っておいて頂きたい事柄についてご説明いたします。

ご参考になれば幸いです。

この記事は201777日に加筆・修正しました。

目次

1.離婚したいけどできない場合とは?


離婚したいと思ってもなかなか離婚できないという方は少なくありません。
まずは、離婚したいけどできない場合としてよくある原因・理由についてご説明いたします。

(1)経済的な理由

配偶者の収入に依存する生活を送ってきた専業主婦の方は特に、離婚後の生活を考えるとなかなか離婚を切り出すことができません。

さらに、夫との間に子供がいたり、親の面倒を見ている方はなおさらです。
ですので、どんなに夫と離婚をしたいと考えていても、金銭面を考えるとどうしても離婚することができない方も多いかと思います。

(2)子供のため

たとえ自分が離婚したいと思っても、子供がいるとその子供の精神的な負担や将来のことを考えてなかなか簡単には離婚に踏み切れません。

離婚して片方の親と離れ離れの生活になることは子供にとって悪影響にならないか、子供が寂しい思いをしてしまわないかなど、悩みは尽きません。

子供がいる夫婦のなかには、子供を第一に考え、子供が20歳になったら離婚しようと考えている夫婦もいるようです。

(3)面倒くさい

結婚に関しては勢いでした方もいらっしゃるかもしれないが、離婚になるとそうはいきません。

いざ離婚をするとなれば、慰謝料や財産分与の問題、さらには子供がいれば子供の親権の問題など、様々な問題が絡んでくるので、離婚は結婚の何倍ものエネルギーが必要と言われています。

そのため、離婚後の生活を考えるとかえって離婚する方が面倒くさいと考えてしまうことも少なくありません。

(4)世間体が気になる

いくら離婚する人が増えたとはいえ、いざ離婚するとなれば周りの目が気になるのは当然です。
特に、親族や友人などの反対を押し切って結婚した場合や新婚だったりした場合にはなおさらです。

また、会社や近所の人たちから変な目で見られるのではという不安を抱く人もいます。

さらには、母親が子供を引き取った場合には、子供の苗字は母親の旧姓になるので学校に離婚したことがバレてしまうという不安を抱く人もいます。

(5)相手が応じてくれない

結婚と同様、離婚も自分だけがしたいと思ってもできるものではありません。
基本的に、いくら自分が「離婚したい」と強く思っていても、配偶者が離婚することに合意しない場合は裁判で判決をもらわないと行けません。

いざ裁判になれば、多大な労力や時間、お金が必要です。
そのことを考えると、なかなか離婚を言い出せない人もいます。

(6)自らが有責配偶者で相手が離婚に反対している

相手が離婚に反対している点は、「(5)相手が応じてくれない」で述べたことがそのまま当てはまります。
ここでの問題は、自らが有責配偶者であるという点です。

離婚に関して話し合いで解決できないのであれば、最終的には裁判で離婚するかどうかが決まります。

基本的に裁判所は、離婚原因を作った側(有責配偶者)の離婚請求を認めていません。

なぜならば、離婚原因を有責配偶者自らが作っておきながら、離婚を認めることは望ましくないと考えるからです。

そのため、離婚したいと考えている側が有責配偶者の場合には、結局裁判によっても原則離婚が認められないため、離婚したいと思っても離婚できないのです。

2.離婚に向けて準備しておくべきこと


離婚しようとした場合には、以下の6つのことについて準備しておくと良いでしょう。

(1)経済的自立の準備(離婚後の仕事の確保)

まず、離婚後は自らの収入で生活をしていかなくてはならなくなるので、特に現在専業主婦の方は、離婚後の生活の目途をしっかりと立てるようにしましょう。

初期のお金に関しては次の「(2)離婚後もらえる可能性がある金銭についての把握」で予測されるお金で足りるかもしれないが、毎月かかる生活費を賄うための継続的収入が必要です。

既に働いている場合は問題ないかもしれないが、現在専業主婦という場合には働き口を探しておく必要があります。

(2)離婚後もらえる可能性がある金銭についての把握

「4.離婚に際してもらえる可能性があるお金は?」で詳しく述べるが、特に専業主婦の方は、離婚後どのように生活費を得ていくのかということを離婚前によく検討しておく必要があります。

例えば、「母子手当」は公的な扶助が受けられるかもしれないので、前もって調べておきましょう。
調べる方法として、公的な扶助に関しては、お住いの市区町村に問い合せをしてみましょう。

(3)離婚時に相手方へ金銭を請求するための準備

離婚をするにあたっては、配偶者に対して「慰謝料請求」や「財産分与」の請求を行うことが可能です。

ですが、請求を行う時は「一定の証拠」が必須です。
ですので、配偶者に離婚話をする前に証拠を集める必要があります。

(4)離婚後の住居の確保

離婚をすれば当然別居となるので、離婚後の住居も早期に確保するようにしたいです。

(5)精神的な自立が求められることを意識

やはり、結婚生活をしていく中で夫を頼っていたことも多いかと思います。

ですが、離婚した後はすべて自身で対応しなくてはいけません。
ですので、自身の精神面での自立も大切です。

なお、専業主婦の方向けの記事にはなるが、「離婚したい専業主婦が知っておきたい10個のこと」の記事も参考になると思うので、ぜひご覧頂きたいです。

3.離婚を切り出すにはどうしたらいい?


配偶者に対して、実際に離婚話をするにはどうすればよいでしょうか。
この点については、別居前か別居後かによって異なります。

(1)別居前の場合

別居前であれば、直接配偶者に話をすることになるが一番重要なことは、感情的にならずに冷静に話し合うことです。

自身が感情的なると、相手も感情的になりやすくなるので、全然話が進まなくなってしまいます。

ですので、離婚話をする時は、事前に話す内容を書いておいて、感情的にならない努力をしましょう。

(2)別居後の場合

既に別居中の場合は、後で離婚の話をした時期が問題になることがあります。
ですので、「電子メール」や「内容証明郵便」など、記録を残しましょう。

4.離婚に際してもらえる可能性があるお金は?


離婚に関しては、下記の金銭を受け取れる可能性があります。

(1)婚姻費用

夫は配偶者の生活を支えなくてはいけない義務があります。
ですので、別居開始から離婚までの生活費を「婚姻費用」として請求することが可能です。

「婚姻費用」は、配偶者に請求をすると必ずもらうことができます。
ですので、早期に請求しましょう。

金額の詳細に関しては、「家庭裁判所の定める基準」で決められています。

婚姻費用の請求方法に関しては、「婚姻費用の相場、計算方法は?婚姻費用分担請求をする方法」をご覧頂きたいです。

(2)慰謝料

基本的に、相手側に離婚原因がある場合は金銭を請求することが可能です。

ですが「性格が合わない」など、片方が悪いわけではないので金銭の請求はできません。

なお、慰謝料の金額の相場は200万円ほどで、幅としては50万円〜300万円が一般的です。

(3)財産分与

夫婦共同で増やした財産は「2分の1」の割合で分けられます。
その際には、財産の名義は問いません。

ですが、財産が多くなった時は、相続で獲得した「財産」や「婚姻前に持っていた財産」の場合は分与の対象外です。
また、借金が多い場合には分けるべき財産はないということになります。

(4)養育費

夫と妻の間に子供がいる場合は、離婚した後に、子供が「20歳」になるまで養育費を受け取ることが可能です。
(1)と同様、「家庭裁判所の基準」にで金額が決定します。

養育費について詳しくは、「できればたくさんもらいたい!養育費の相場と計算方法」をご覧頂きたいです。

(5)公的な助成金

離婚に際してもらえる可能性があるお金があることはお分かり頂けただろうが、やはり離婚後シングルマザーとなることには大きな不安があるはずです。

ですが、現在は手当が充実していると言えます。

①生活保護

憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活を送るために支給されるお金」です。
相談・申請先は、「現在住んでいる地域を管轄する福祉事務所の生活保護担当」です。

生活保護について詳しくは「厚生労働省 生活保護制度」をご覧頂きたいです。

②児童手当

0歳から中学校卒業までの児童を対象とする手当のことです。
3歳未満の子は月額1万円、3歳以上だと第1子と第2子は月額5千円、第3子以降は月額1万円が支給されます。

各市区町村の役所から申請することができます。

児童手当について詳しくは「厚生労働省 児童手当」をご覧頂きたいです。

③児童扶養手当

「父母のどちらかしか養育を受けられない子供を対象とする手当」です。
各市区町村の役所が申請先になっています。

所得によって支給額が変わるため、一度問い合わせてみることをお勧めします。

児童扶養手当について詳しくは「厚生労働省 扶養手当について」をご覧頂きたいです。

④児童育成手当

「死亡や離婚などで父親または母親がいない児童を養育している人が受け取れる手当」です。

この手当に関しては自治体独自の手当になるので、その金額や内容も自治体によって異なります。

児童育成手当に関して知りたい方は、現住所の自治体のHP(ホームページ)や直接市区町村役場に問い合わせてみましょう。

インターネットで「○○市(お住いの地域) 児童育成手当」などと検索してみてください。

ちなみに、東京都では、18歳の3月31日までの子供を養育する一人親を対象に月額13,500円が支給されることになっていますが、所得制限があります。

⑤母子家庭の住宅手当

「20歳未満の子供を養育している母子家庭で1万円以上の家賃を支払っている場合に給付される手当」です。
申請先は各市区町村の役所です。

そこで、児童育成手当と同様、現住所の自治体のHP(ホームページ)や直接市区町村役場に問い合わせてみましょう。

⑥その他

他にも、「医療費の助成や年金や保険、公共交通機関の割引制度」などがあるので問い合わせてみましょう。

5.離婚したいけどできない時にはどこに相談したらいい?


離婚したいけどできないとお悩みの方は、以下で紹介する機関に相談できるので、ぜひ参考にして頂きたいです。

(1)市区町村の相談窓口

市区町村役場には無料で離婚相談をすることができる窓口があるはずです。
市区町村の相談窓口を利用したい場合は、直接市区町村役場に問い合わせてみましょう。

(2)カウンセラー

何らかの悩みを抱えている場合には、カウンセラーに相談するのも一つの方法であり、離婚の場合にもカウンセラーに相談するのは有効な方法です。

今まで多くの相談に乗ってきたカウンセラーに相談することで、気持ちが楽になったりするのはもちろんのこと、有効なアドバイスをもらうことで今後の役に立つことがあるかもしれないです。

実際にカウンセラーにご相談されてみたい方は、インターネットで例えば、「離婚問題 カウンセラー」と検索してみると良いでしょう。

(3)福祉事務所

市区町村役場(町村役場での設置は法律上は任意)には、生活保護や、家庭相談、母子相談などの相談機関として、福祉事務所が設置されています。

そこでは、家庭相談の一内容として、離婚の問題についても相談に乗ってくれます。

福祉事務所について詳しくは「厚生労働省 福祉事務所」をご覧頂きたい。

(4)弁護士

法的な観点からのアドバイスを望むのであれば、弁護士に相談するのが一番です。

行政の窓口とは違って、相談料がかかることを気にされる方もいらっしゃるかもしれないが、多くの法律事務所では離婚相談に関して、初回に限り無料で相談できる事務所もあるようです。

実際に弁護士にご相談されてみたい方は、インターネットで例えば「離婚 弁護士」と検索してみると良いだろう。

6.離婚問題を弁護士に依頼した場合にはいくらかかる?弁護士費用について


下記の費用が必要です。

(1)相談料

1時間1万円が相場ですが、最近では初回に限り無料で相談できる法律事務所も増えているようです。

(2)着手金

相場として約30万円です。

(3)成功報酬

①事件を終了させたことに対する基本的な報酬

約30万円が相場です。

②離婚成立・離婚阻止に対する報酬

基本的に、①の報酬に加えて、約20万円の報酬金が相場です。

③親権獲得に対する報酬

相場としては約20万円です。

④経済的利益に対する報酬

実際に獲得した金額の10%が相場です。

⑤日当

「半日(移動時間が2~4時間程度)の場合には約3万円」「1日(移動時間が4時間程度以上)の場合には約5万円」です。

まとめ

今回は、離婚したいけどできないとお悩みの方を対象に離婚にまつわる内容についてご説明いたしました。
今回の話が、悩まれている方の一助になれば幸いです。

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