皆さんの中には、友人・知人にちょっとお金を貸してほしいと言われて貸してしまい、その後いつまで経っても返してもらえないという経験はないでしょうか。
どうしても返してもらえないのに、引き伸ばされてしまったり、音信不通になったりと、返済を期待できない状況があるかと思います。
そんな時にお勧めしたいのが、内容証明郵便を用いた支払請求です。
名前だけは聞いたことがあるかもしれませんが、どのような方法で送り、どのような効果があるのかについて解説したいと思います。
また具体的な内容証明郵便の書き方についても説明いたします。
お金を回収したい方のご参考になれば幸いです。
1.内容証明郵便は簡単に送ることができます
(1)内容証明郵便とは?
そもそも、内容証明郵便とはどのようなものでしょうか。
差出人や受取人、日時、どんな内容を送ったのかを公的に郵便局が証明してくれる手紙のことです。
(2)内容証明郵便を利用するメリットとは?
次は内容証明郵便を利用するメリットについてご説明いたします。
具体的なメリットとしては以下の3つがあります。
①通常の郵便に比較して証拠としての価値が高まります
郵便局が郵便物の内容を証明してくれるので、仮に裁判等の法的手続きになってしまった場合に証拠としての価値が高まります。
②受け手に事実上の心理的な重圧を与えることができます
次に、相手に事実上の重圧を与えることができます。
内容証明郵便の体裁が他の郵便物とは異なるので公文書のように見えます。
内容証明郵便を見慣れていない人にとっては、そこに書かれていることに従わなくてはいけないという気持ちを起こさせるのです。
ただ注意しなければいけないことは、内容証明郵便は法律的には他の郵便と特に変わりません。
そのため、弁護士や内容証明郵便をもらい慣れている会社などには、こうした効果は期待できません。
③時効を止めることができます
最後に、「時効中断」です。
例えば貸金の返還請求権などの債権は、所定の時間内に権利を行使しないでいると、時効によってお金を請求する権利がなくなってしまいます。
時効によって権利を消滅させないためにも、権利を有する者はその権利を行使する必要があります。
そして権利行使の方法は、裁判上の請求等でもよいですし、裁判外の請求でも構いません。
内容証明郵便は、まさに裁判外の請求の方法としてよく用いられます。
ただし、注意しておくことがあります。
それは、内容証明郵便を相手に送れば時効がずっと中断しているということではありません。
裁判外の請求後、6ヶ月の期間内に裁判を起こさなければなりません。
2.内容証明郵便の書き方(雛形ダウンロード!)
(1)内容証明郵便の雛型ダウンロード
次は実際に内容証明郵便を作成する手順について説明します。
手間を省くために内容証明郵便の雛型をご用意いたしました。
(2)内容証明郵便作成時の注意点
次は肝心の内容証明郵便の内容についてご説明いたします。
内容証明郵便は、他の郵便物とは違って形式が決まっています。
詳細は以下の通りです。
①紙1枚につき520字以内
また、1枚当たりの横と縦の字数も決められています。
横書きの場合は20字×26行、縦書きの場合には13字×40行なので注意しましょう。
②日本語(漢字/ひらがな/カタカナ・数字)で書きます
もう一点は日本語で作成する点です。
ただし会社の名前等の固有名詞を除くので、固有名詞の部分は日本語でなくても問題ありません。
パソコン・手書き、どちらでもOKです。
3.内容証明郵便の出し方
次は内容証明郵便の出し方についてご説明いたします。
(1)内容証明郵便の枚数は3通用意しておく必要があります
まずは、作成した書面を3通用意しましょう。
内訳は以下の通りです。
- 相手に送る用
- 郵便局が保管する用
- 送り主用
(2)その他の必要書類は?
そして、受取人と差出人の名前が書かれた封筒も用意しましょう。
また、念のため差出人の印鑑を持参しましょう。
(3)内容証明郵便の費用は?
内容証明郵便を送るのにかかる費用は、大体2000円前後と考えておきましょう。
詳細は以下の通りです。
下記の中でも4や5は必須ではありませんが、日時を記録するために、4をつけておくことをお勧めいたします。
- 通常郵便物の料金:82円(定型25グラムまで)
- 内容証明料:430円(※内容証明の文の用紙1枚の場合。2枚目以降、260円ずつ増額)
- 書留料:430円
- 配達証明料:310円(配達されたことを証明したい場合)
- 速達料:280円(速達にする場合)
(4)内容証明郵便を出す際の注意点
注意していただきたいのが、内容証明郵便は全国どこでも受け付けてくれるわけではありません。
集配郵便局その他一部の郵便局に限られています。
したがって、内容証明郵便を出す際には、予め自分が出そうとしている郵便局に問い合わせをすることをお勧めします。
4.内容証明郵便で支払いがなければ少額訴訟
これまでご説明してきた内容証明郵便を使用してみても、相手からの支払いがない場合はどうすれば良いのでしょうか。
その際は、少額訴訟を起こすことをお勧めします。
少額訴訟とは、1回目の決められた期日で審理を終了して判決をすることを原則としています。
例外的な訴訟手続きのことです。
この例外的な訴訟は、60万円以下の貨幣の支払いを望む時に限り、利用することが可能です。
例外的な訴訟ですが、普通の訴訟と同じく、判決書又は和解内容が記載してある和解調書に基づき、強制執行の申し立てが可能です。
少額訴訟に関しては「【訴状の雛形付き】少額訴訟とは?簡単にお金を回収する方法」で詳しく解説しています。
まとめ
今回は内容証明郵便についてご説明いたしました。
内容証明郵便を利用する方のご参考になれば幸いです。