3組に1組が離婚すると言われていますが、そもそも離婚にはどのような種類があるかご存知でしょうか?
離婚には大きく分けて4つの種類があります。
統計上では話し合いで決定する協議離婚がほとんどですが、その他にも種類があります。
これから離婚される方が手続きを進めて行くにあたり、離婚の種類を知っておくことは重要です。
今回は離婚の種類に関してご説明した上で、それぞれの「メリット」と「デメリット」に関してご説明いたします。
ご参考になれば幸いです。
※この記事は2017年3月9日に加筆・修正しました
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目次
1.協議離婚とは
協議離婚とは、夫と妻で話し合った結果、離婚することに同意して離婚届の提出を行うことです。
基本的に、離婚理由は必要あなく、離婚届を市区町村の役場に提出して受理されれば成立します。
ただし、子供(未成年)がいる場合、親権者欄が空白だと離婚届は受理されません。
2.調停離婚とは
離婚に関して協議した結果、配偶者から同意が得られない場合に、家庭裁判所で調停手続きを行って離婚をします。
この調停離婚は、話し合いがまとまらなかった場合だけでなく、そもそも話し合いができない場合でも初めから申し立てることができ、日本の離婚全体の9%ほどを占めています。
調停に関しては、「慰謝料」や「財産分与」の問題や子供(未成年)がいる場合は「親権」や「養育費」等も含めて話し合いをします。
3.審判離婚とは
離婚調停を行っても、協議が不成立になる可能性が高い場合、家庭裁判所が調停委員の意見を考慮した上で、裁判官が職権で成立させる離婚のことです。
審判に関しては、離婚の判断はもちろん、親権者を決めたり慰謝料、養育費の金額などを決定することも可能です。
そして、審判がなされて、当事者から異議が出なければ、審判は確定することになります。
審判が出された後、2週間以内に当事者から異議が申し立てがあれば、理由を問わず審判の効力は失われてしまいます。
4.裁判離婚とは
協議離婚でも協議がまとまらず、家庭裁判所の「調停」や「審判」でも離婚成立できなかった場合、裁判所の判決で成立させる離婚です。
裁判離婚の場合には、民法に定められている法定離婚事由があるかどうかを裁判官が判断することになります。
下記の離婚原因が必要です。
- 相手方に不貞な行為があった場合
- 配偶者から悪意で遺棄された場合
- 配偶者の生死が3年以上明らかでない場合
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合
- その他婚姻を継続し難い重大な事由がある場合
なお、裁判離婚について詳しくは、「離婚裁判で望ましい結果を得るために知っておきたい8つのこと」をご確認ください。
5.各種離婚のメリット・デメリット
ここまでそれぞれの離婚についてご説明いたしました。
次はそれぞれの離婚のメリットとデメリットについてご説明します。
(1)協議離婚
①メリット
協議離婚のメリットは以下の通りです。
- 話し合いのみで成立することからスピーディーに解決できる
- 離婚届を役所に提出するだけで済むので手続きとして簡単
- 慰謝料や財産分与、養育費が相場より高額で解決できる可能性がある
- 時間や労力、費用(弁護士に依頼した場合の弁護士費用など)をかけずに解決できる
②デメリット
協議離婚のデメリットは以下の通りです。
- 感情的になって話が縺れてしまうと解決までの時間がかえって長くなってしまう
- 財産分与や慰謝料などの金銭的な問題についてきちんと取り決めをしていなかった場合には、それらの支払いが滞るなどのトラブルが起きやすく、場合によっては相手と連絡がとれなくなってしまうこともある
- 一方的な条件で離婚させられてしまうこともある
- 公正証書を作成しようとする場合には、調停離婚よりも割高になることもある
(2)調停離婚
①メリット
調停離婚のメリットは以下の通りです。
- 相手と顔を合わせずに話し合いを進めることができる
- 第三者を通して話し合うので冷静に話すことができる
- 調停を申し立てるための理由についての制約がない
- 弁護士などの法律の専門家に依頼せずに自分でできる
- 費用が安い
- 当事者双方が合意するように調停委員が解決案を提示してくれる
②デメリット
調停離婚のデメリットは以下の通りです。
- 平日の昼間に行われるので、仕事していると出席しづらい
- 1ヶ月に1回程度の頻度でしか行われないため、解決に至るのに最短で2ヶ月、長いと1年程度かかることもある
- 財産分与や慰謝料などの金銭的な問題については相場をもとに進められるため、希望通りの金額の提示がされにくい
- 話し合いがまとまらずに調停不成立という形で終了することもある
(3)裁判離婚
①メリット
裁判離婚のメリットは以下の通りです。
- 相手に離婚の意思がなくても、強制的に離婚することができる
- 判決に強制力がある
②デメリット
裁判離婚のデメリットは以下の通りです。
- 弁護士に依頼した場合には弁護士費用がかかる
- 裁判離婚をするためにはその前に離婚調停を申し立てる必要があるので、時間がかかる
- 民法に定められている法定離婚事由が必要になる
- 法定離婚事由を証明する証拠が必要になる
- 原則公開の法廷で審理されるので、第三者に裁判を傍聴されてしまう
- 自分が納得できる判決が出るとは限らない
6.離婚届の書き方
離婚することが決まって、いよいよ離婚届を書こうとしているのに、書き方を知らないという方もいらっしゃいますよね。
離婚届の書き方に関しては、「離婚届の正しい書き方とは?失敗しないためのポイントを解説」をご確認ください。
7.離婚協議書の書き方
離婚が確定した場合、「離婚協議書」を必ず作りましょう。
相手方が慰謝料の支払いを怠った場合、「離婚協議書」を使えば、相手から慰謝料を回収するための手続きを簡単に行えます。
離婚協議書の書き方に関しての詳細は、「離婚することが決まったら!離婚協議書の書き方と公正証書にする方法」をご確認ください。
まとめ
今回は離婚の種類に関してご説明致しました。
弊社記事がご参考になれば幸いです。