居眠り運転で交通事故を起こしてしまった!罰則の減刑や再就職のために知っておくべきこと

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自動車を運転している人の中には、つい眠気に襲われたり、居眠り運転をしかけてヒヤリとした経験がある方もいるのではないでしょうか。

長距離を運転する人の中には、居眠り運転を避けるために濃いめのコーヒーを飲んだり、ガムを噛むなどして居眠り運転を防ぐように気を付けている人も多いでしょう。

居眠り運転は、つい招いてしまう恐れがあるものですが、実は法律で処罰の対象にされている違法な行為です。

また、居眠り運転で交通事故を起こすと罰則を伴う刑罰の対象になりますし、会社員の場合は懲戒免職などのペナルティに繋がりかねません。

今回のテーマは、万が一居眠り運転で交通事故を起こした場合に受ける罰則や減刑の可能性に加えて、会社を懲戒免職された場合に再就職を目指すために知っておいていただきたいポイントについてです。

1.居眠り運転の罰則とは

(1)居眠り運転と法律の関係とは

居眠り運転とは、自動車を運転中に睡眠に陥る状態を言います。

居眠り運転は、道路交通法という法律で処分の対象にされています。

しかしその内容は1つではなく、「過労運転等の禁止違反」と「安全転義務違反」の二種類があります。

この、「過労運転等の禁止違反」か「安全運転義務違反」にあたると判断されるかによって、居眠り運転で受ける違反の点数、罰則の程度が変わってくることになります。

(2)過労運転等の禁止違反

居眠り運転が、仕事上の過労や眠気を伴う薬の服用などによる睡眠不足が原因でおきたものといえるような場合には、「過労運転」に該当すると認定される可能性があります。

道路交通法では、「何人も前条第1項に規定する場合のほか過労病気薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」と規定されています。

つまり、誰であっても、過労や病気や薬など様々な要因が考えられるけれど、正常な運転ができない恐れがある状態で運転することは禁止されているのに、これに違反して居眠り運転をしたことが、道路交通法で定められている「過労運転等の禁止」に違反した行為にあたることになります。

具体的には、酒気帯び運転(呼気中に一定以上のアルコール成分が含まれる状態)、病気、過労、薬物の影響を受けているなどの理由によって生じる状態が、過労運転等に該当します。

(3)安全運転義務違反

「安全運転義務違反」の状態は、道路交通法で定められている、安全な方法とスピードで他人に危険を与えないように運転しなければいけないという、安全運転義務に違反することを言います。

法律では、より具体的に「車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と義務の内容が規定されています。

居眠り運転をして、ブレーキとアクセルのペダルを踏み間違えたり、前方不注意や安全確認を怠ったこと速度違反などを起こした場合に、道路古通報上の安全運転義務に違反したということになります。

2.「過労運転等の禁止違反」と「安全運転義務違反」で減点される点数とは


居眠り運転で「過労運転の禁止違反」か「安全運転義務違反」に該当した場合、免許の点数に影響する違反点数と罰則は、次のように定められています。

(1)免許の違反点数

①違反点数の内容とは

  • 居眠り運転が過労運転等によって引き起こされた場合(25点)
  • 居眠り運転が安全運転義務違反とされた場合(2点)

このように、過労運転等の禁止違反に該当するか安全運転義務違反に該当するかで、免許の違反点数は大きく変わります。

25点の違反点数は、酒酔い運転や麻薬等運転又は共同危険行為等禁止違反と同じ点数で、違反点数の中でもかなり悪質と判断される部類に属すると言えます。

なお、安全運転義務違反の場合でも、一緒にスピード違反など他の違反行為があったケースではより高い違反点数の方の点数が課されるので注意してください。

②違反点数による免許への影響とは

違反点数による免許への影響は、法律で次のように決められています。

点数/前歴前歴なし前歴1回前歴2回
1点
2点免許停止90日
3点免許停止120日
4点免許停止60日免許停止150日
5点免許停止60日免許取消1年(3年)
6点免許停止30日免許停止90日免許取消1年(3年)
7点免許停止30日免許停止90日免許取消1年(3年)
8点免許停止30日免許停止120日免許取消1年(3年)
9点免許停止60日免許停止120日免許取消1年(3年)
10~11点免許停止60日免許取消1年(3年)免許取消1年(3年)
12~14点免許停止90日免許取消1年(3年)免許取消1年(3年)
15~19点免許取消1年

(酒酔い運転などの特定違反行為の場合は3年)

免許取消1年(3年)免許取消2年(4年)
20~24点免許取消2年(4年)免許取消2年(4年)免許取消2年(4年)
25~29点免許取消2年(4年)免許取消2年(4年)免許取消3年(5年)

つまり、過労運転等の禁止違反の場合は、今まで道路交通法に違反した前歴がなくても一発で免許取消しになります。

他方、安全運転義務違反の場合は、前歴が2回以上ある場合でなければ免許停止などの処分を受けないということです。

(2)罰則

①罰則規定の内容とは

居眠り運転が過労運転等が原因で引き起こされた場合

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

居眠り運転が安全運転義務違反とされた場合
  • 3月以下の懲役又は5万円以下の罰金・反則金
  • 普通自動車の場合:9,000円
  • 大型自動車の場合:12,000円
  • 二輪車の場合:7,000円
  • 小型特殊車(一定のサイズ以下のショベルカーや農耕トラクタなど)の場合:6,000円
  • 原付の場合:6,000円

なお、ここでいう罰金と反則金は似ているようで大きな違いがあります。

罰金とは刑法に定められた刑罰のひとつで、罰金刑になると前科がつきます。

一方、反則金とは比較的軽い犯行に対して行政上の処分として課せられるお金のことで、任意で払う制裁金という性質があります。

反則金を払うと刑事上の責任が問われなくなり前科もつきません。

ただし、任意と言っても払わないと検察庁から呼出されたり、最終的には罰金処分になるので注意しましょう。

②居眠り運転で人身事故を起こした場合の刑罰とは

居眠り運転で人身事故を引き起こしたような場合は、より重い刑罰を受けることになります。

具体的には、刑事処分の内容は、法律で次のように決められています(自動車運転致傷行為処罰法)。

危険運転致死罪
  • 準酩酊等運転と病気運転以外:1年以上20年以下の懲役
  • 準酩酊等運転と病気運転:15年以下の懲役
危険運転致傷罪
  • 準酩酊等運転と病気運転以外:15年以下の懲役
  • 準酩酊等運転と病気運転:12年以下の懲役

この法律の規定をもとにして、居眠り運転をした原因が過労、飲酒、風邪薬などの薬にあるのかといった事情や居眠り運転を引き起こした環境要因などを総合的に裁判で検討の上判断をして、最終的な刑罰が決められることになります。

3.居眠り運転で減刑してもらうために注意すべき警察対応

(1)居眠り運転で検挙・逮捕された場合の対応とは

上記のように、居眠り運転は重いペナルティが課せられるものです。

もし居眠り運転を起こしてしまい、検挙や逮捕された場合にどのように対応すべきでしょうか。

①警察に呼び止められた場合

警察に止められたとしても、絶対に逃走してはいけません。

逃走したり、逃走中に事故を起こすと違反点数はもちろん処罰も非常に重くなります。

裁判によって処分が判断されますが、場合によっては実刑になり刑務所に収監される恐れもあります。

②安全運転義務違反で逮捕された場合

安全運転義務違反の居眠り運転で逮捕された場合は、素直に反則金を支払うことをおすすめします。

違反点数は2点がつきますが、今後同様のことをしなければ、初犯であれば免許停止などの行政上のペナルティも受けませんし、前科がつくこともありません。

もし、居眠り運転をして壁に追突するなどの物損事故を起こしたようなケースでは、すぐに保険会社に連絡をして、損害賠償の支払いの手続きを進めるようにして下さい。

③過労運転等の禁止違反で逮捕された場合

過労運転等の禁止違反で逮捕された場合、免許も一発で停止になりますし前科がつくことは避けられません。

刑罰を少しでも軽くしてもらうためには、しっかりと反省していることを検察官や裁判官に十分に伝えていくこと何より大切になります。

具体的には、次のような事情を、証拠となる書面などにまとめて提出し、主張をしていきます。

  • 反省の気持ちを書面に記して提出する
  • 今後二度と同様の交通違反をしないことを裁判の場で誓約する
  • 場合によっては、二度と運転しないことを誓約する
  • 普段は居眠り運転などしない真面目な社会人であることを、家族などに証言してもらったり上申書として書面にしてもらう

こうした主張や対応は、本人や家族だけでは行うことはできません。

専門家である弁護士などに依頼し適切なタイミングで、適切な内容を伝えてもらうことが非常に大きな意味を持ちます。

4.居眠り運転で解雇されても再就職するために知っておくべき会社対応とは

(1)注意すべき解雇理由とは

居眠り運転が、過労等にあたると認められた場合、前科もつくことから刑事処分だけではなく、会社対応についても検討しておくべきでしょう。

最近は、悪質な交通事故のニュース等を受けて会社の対応も厳しくなっているのが実情です。

そのため、会社によっても対応は異なりますが、雇用契約、就業規則、就労条件いかんによっては、解雇される可能性も否定できません。

解雇が免れない場合でも、どのような解雇理由になるかに注意が必要です。

というのも、解雇の理由として懲戒解雇になるかどうかという点が、今後再就職を目指すうえでも影響を及ぼす可能性があるからです。

解雇処分を言い渡された場合に、労働組合や労働基準監督署など相談をする方法も考えられます。

しかし、会社の過酷なノルマが原因で過労に陥り、居眠り運転に繋がった場合など、会社の処分に納得ができないこともあるかもしれませんし、居眠り運転の場合は刑事処分も関係する問題です。

そのため、刑事処分も労働問題も同時に対応できる弁護士に相談することが、問題の解決につながりやすい方法と言えるでしょう。

また、必要に応じて「リストラや急な解雇が無効になる条件とは?不当解雇として認めてもらう為の方法を解説」も併せてご参照ください。

(2)再就職と前科の関係

罰金刑以上になると前科がつくため、再就職の際に前科が心配になる人もいるかもしれません。

前科は、警察のデータベースと本籍地の犯罪者名簿に一定期間記載されることになりますが、一般の会社などは見ることはできませんし、照会したとしても無暗に答えてはいけないことになっています。

特に車を利用しない仕事に再就職する場合には、前科は特に自分から伝える必要はないとも言えますが、聞かれても答えなかった場合には、後々処分理由になる可能性があります。

この点についても、併せて弁護士に相談しておくと、再就職をスムーズに進めることができるでしょう。

まとめ

いかがでしたか。

運転をする以上、危ない思いをした人も多いであろう居眠り運転ですが、実は重い刑事処分を伴うことに驚いた方も多いかと思います。

居眠り運転は、重大な事故につながりかねませんしご自身も刑事処分に加えて職を失うこともある大きな問題です。

もし解雇が免れないとしても、その後の再就職のためには解雇の理由にも注意しなければいけません。

再就職をめざし、できるだけ刑事処分を軽くしてもらうためにも、まずは弁護士に相談してみることが第一に取るべき方法と言えるでしょう。

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