追突事故の過失割合はどのくらい?加害者に過失相殺を主張された際の対処法も解説

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追突事故

追突事故は、交通事故の中でも特に多い類型の一つです。

警察庁の発表によれば、平成27年度の事故類型別の交通事故の発生は、

  1. 追突  36.7%
  2. 出会い頭衝突  24.3%
  3. 人対車両  10.3%
  4. 右折時衝突  8.1%

となっています。

細かい数値は年度によって違いますが、この順序は何年も変化がありません。

したがって、車を運転する場面で最も事故に巻き込まれるおそれが高いのが追突事故といえますが、追突事故については「後ろから追突した方が悪い」と漠然と考えている方も多いのではないでしょうか。

基本的には間違っていないのですが、例外的に被害者(追突された方)にも過失が認められる場合もあります。

そこで今回は、最も巻き込まれるおそれの高い追突事故について正しい知識を得ていただくため、追突事故の過失割合の基本、被害者にも過失が認められる場合の例、加害者から過失を主張された場合に被害者のとるべき対策などをご紹介します。

1.追突事故の基本

追突事故 基本

(1)追突事故とは

追突事故とは、停車中または低速で走行している車両に対し、後方から進行してきた車両が衝突する事故の類型をいいます。

信号待ちをしている前方車両に対し、後方車両のブレーキが間に合わずに衝突する場合などがその典型例です。

(2)追突事故の過失割合

追突事故の場合、通常は前方車両には事故を回避することはできないため、前方車両には過失は認められません。

他方、後方から進行してくる車両は、前方不注視や適切な車間距離をとらなかったなどの落ち度があり、停止できずに前方車両に衝突したわけですから、過失があるといえます。

したがって、追突事故の過失割合は、基本的に「前方車両0:後方車両100」とされています。

2.例外的に被害者にも一定の過失が認められる場合

交通事故 被害者 過失
先ほどご紹介したとおり、追突事故の過失割合が0:100になるのは、通常は前方車両には過失を想定できないからです。

言い換えれば、前方車両にも運転者として果たすべき義務に違反した事情がある場合には、過失が認められることもあるということになります。

(1)駐停車車両に対する追突

駐車または停車している車両に対する追突は、原則として過失割合が0:100となりますが、駐車または停車している車両が駐停車の場所や方法等に関する法律の規制に違反している場合、駐停車している車両にも過失が認められます。

具体的には、道路交通法は駐停車の場所や方法について、次のように規制しています。

  • 駐停車禁止場所

交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネルなどの一定の場所における駐車・停車が禁止されています(44条)

  • 駐停車の方法

車両が駐停車するときは、道路の左端に他の交通の妨害にならないようにしなければならないとされています(47条)

  • 車両等の灯火

車両が夜間、道路にあるときは、前照灯、車幅灯、尾灯、その他の灯火を付けなければならない(52条)

前方車両の運転者は、これらの法律の規制を守って駐停車させる義務がありますので、この義務を怠り、禁止場所に駐停車したり、道路の中央付近で駐停車したり、灯火せずに駐停車させたりした事情がある場合には、前方車両にも過失があると判断されることになります。

この場合、前方車両の過失割合は10~20%とされています。

(2)同一方向を走行中の追突

次に、前方車両と後方車両が道路上を同一方向に走行している場合をご紹介します。

先にご紹介したとおり、後方車両には、通常、前方不注視や適切な車間距離を保って奏功しなかったなどという過失があるのですが、前方車両にも過失が認められる場合があります。

例えば、道路交通法は、運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除いて、急ブレーキをかけてはならないと定めています(24条)。

したがって、前方車両の運転者が、危険回避のための必要もないのに急ブレーキをかけた場合、この義務に違反したことになり、前方車両にも過失が認められます。

この場合の過失割合は、前方車両30%:後方車両70%とされています。

3.加害者から過失相殺を主張された場合の対処法

主張 対処方法
このように、追突事故であっても絶対に過失割合が0:100になるわけではないので、加害者(後方車両の運転者)から、被害者にも過失があったとして、過失相殺が主張されることがあります。

そのような場合、被害者はどのような対策を講じればいいのでしょうか。

(1)過失割合の修正要素がないか検討する

基本となる過失割合はこれまでご紹介してきたとおりですが、過失割合は個別の事情に応じてさらに修正が加えられるものです。

例えば、同一方向に走行中の追突で前方車両に急ブレーキの違反がある場合、次のような事情があれば過失割合が修正されます。

前方車両後方車両
基本割合3070
住宅地・商店街等2080
後方車両の15㎞以上の速度違反2080
後方車両の30㎞以上の速度違反1090
後方車両の著しい過失2080
後方車両の重過失1090
前方車両が幹線道路の走行車線上で停止4060
前方車両の制動灯故障40~5050~60
前方車両の著しい過失4060
前方車両の重過失5050

たとえば、住宅街や商店街などは歩行者が多く、急な減速やブレーキを掛ける機会が増えると考えられるので、後方車両はそれを予測してより慎重に走行することが求められる結果、過失が重くなるのです。

また、幹線道路では、車の流れに従って走行するのが一般的ですから、後方車両と前方車両も車の流れに従って走行することを期待して走行しており、十分な車間距離をとっていないことが多いという実情を考慮して、後方車両の過失が軽減されています。

前方車両の制動灯(ブレーキランプ)が故障している場合、後方車両は前方車両がブレーキをかけたことに気付くのが遅れてしまうので、後方車両の過失が軽減されます。

(2)弁護士への依頼を検討する

とはいえ、どのような事情があれば過失割合が修正されるかを調べ、その結果をもとに加害者(多くの場合、加害者の保険会社)と交渉するのは、個人ではなかなか難しいでしょう。

ですから、加害者側から過失を指摘された場合には、交通事故に詳しい弁護士に依頼することを検討した方がいいでしょう。

弁護士に依頼をすれば、見落としていた過失割合の修正要素を指摘してもらえることもありますし、修正要素を証明するための証拠を収集してもらうこともできます。

また、専門家に任せることで、精神的な負担も軽減することができます。

最近は交通事故に力を入れている事務所が増えており、無料で法律相談を受け付ける事務所もありますので、まずは法律相談を受けてみてはいかがでしょうか。

弊社では交通事故に強い弁護士をご紹介していますので、是非ご活用ください。

また、慰謝料の相場などについては「追突事故の慰謝料の相場と示談交渉で気をつけるべきこと」に詳しく記載いたしましたので、是非ご参考にしてください。

まとめ

今回は追突事故についての知識をご紹介しました。
過失相殺でお悩みの方に少しでも参考にしていただければ幸いです。

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