テレビCMやネット広告、さらには電車のつり革広告など、過払い金に関する多くの広告が出ています。
これをお読みの方もそのような広告を一度は目にして「もしかしたら、自分も過払い金が発生しているかもしれない」とお考えなのではないでしょうか。
とはいえ、「過払い金」とは具体的にどういったものなのか正確にご存知の方は多くはないと思います。
そこで今回は、過払い金について一からご説明いたします。
ご参考になれば幸いです。
※この記事は2017年3月29日に加筆・修正させていただきました。
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目次
1.過払い金とは?
過払い金とは、簡単に言うと「消費者金融やクレジット会社等の貸金業者から借金をしてその返済の際に必要以上に返済していたその利息分のお金」のことを言います。
2.過払い金が発生している可能性のある人は?
もし、消費者金融から借り入れをしたことがあり、いくら返し続けても元が返済されていない状態の場合は、過払い金が発生している可能性が高いです。
下記2つの条件を満たす方の場合、過払い金が発生している可能性があります。
- 20%以上の利息を支払っていた場合
- 2010年より以前に5年~7年以上返済してきた場合
3.過払い金が発生する仕組みは?
では、なぜ過払い金が発生するのでしょうか。
仕組みに関しては、下記の通りです。
(1)グレーゾーン金利が原因
グレーゾーン金利とは、「利息制限法」と「出資法」の二重の基準という金利帯が発生しているからです。
すなわち金利を規制する法律が2つあったことが要因になっていました。
本来であれば利息制限法に従った金利をつけなければならないのに、以下の通り利息制限法に関しては違反しても罰則がなかったため、多くの消費者金融は利息制限法が定める金利を超える金利を設定してお金を貸していました。
そのため、消費者金融の設定していた金利から利息制限法の金利を差し引いた分が払い過ぎ(いわゆる「過払い金」)となっています。
(2)金利を規制していた2つの法律とは?
①利息制限法
利息制限法の法定金利は、最大年20%以上にしてはいけないと定められています。
しかし、利息制限法には、刑事罰が定められていないのです。
②出資法
出資法の法定金利は、年29.2%以上にしてはダメだとと定められていて、(現在の上限は20%)、違反した場合は刑事罰が定められています。
そのため、基本的に貸金業者は法を守っていました。
ですので、消費者金融は、利息制限法の法定金利以上出資法の法定金利以下の範囲内で金利を設定し、高金利による収益を上げていました。
(3)過払い金が発生する仕組みは?
利息制限法に従って計算をして、出資法の利率で支払っていた場合の余分な利息を返済していたことになります。
例えば、100万円の借り入れに対し、出資法の当時の上限である年29.2%の金利で利息を支払い続けてきた場合、本来ならば利息制限法所定の年15%の金利の利息の支払いですむはずのところ、約14%分は過払い金になります。
ですので、結果として、借り入れした金額の元がないのに消費者金融に対して支払いを続けていたことになり、「過払い金返還請求」をすることが可能です。
金利の額が高く、支払いの期間が長いほど、過払い金が発生している可能性が高いです。
4.過払い金の計算方法は?
では、実際に過払い金の計算方法に関してご説明いたします。
(1)取引履歴を取得
一番最初に、取引履歴を取得しましょう。
まず、取引履歴請求書を作成して「FAX」または「郵便」で消費者金融に送付します。
そして、請求後約2週間〜1ヶ月で取引履歴が自宅に届きます。
(2)引き直し計算をする
取引履歴が届いたら、利息制限法の定めた法定利率に従って引き直して計算をします。
過払い金計算ソフトに、「借り入れの日付と金額」と「返済した日付と金額」、「その際の利息制限法上の法定利率」を1件ずつ入力して、最終的に過払い金額がわかります。
なお、引き直し計算の詳しい方法については、「自分でできる!弁護士に依頼せずに過払い金請求するための全手順」をご参照ください。
5.過払い金請求は弁護士に依頼した方がいい?弁護士に依頼するメリットとデメリットは?
ここまでお読み頂き、「自分も過払い金請求ができるかもしれない」と思われた方が迷うことの一つに、「弁護士に依頼するか否か」と迷う方もいらっしゃいますよね。
ですので、判断材料として、過払い金請求を弁護士に依頼するメリットとデメリットをご説明いたします。
また、過払い金請求にかかる費用と弁護士に依頼した場合のメリットでは相場を詳しく解説しているので合わせて確認してみてください。
(1)メリット
メリットとしては下記です。
①時間と手間が省ける
1人で請求手続きをする場合、仕事を抱えている方にとっては大きな負担です。
基本的に、弁護士に依頼すると面倒な手続きや交渉を代行してもらえるので、時間と手間を省くことが可能です。
②家族に知られずにすむ
個人で請求手続きをする場合、基本的に直接電話や書面でやり取りを行います。
ですので、取引履歴等の書類はが自宅に郵送されてしまうので、書類が家族の目に触れてしまう可能性が高くなります。
弁護士に依頼した場合は、弁護士が全て代行するため本人に直接連絡が来ることはありません。
ですので、弁護士に依頼した場合は、家族に秘密にできます。
③本人が請求するよりも高額の過払い金が期待できる
自身で過払い金請求を行うことが可能です。
ですが、ほとんどの場合、消費者金融は実際の金額よりも低い金額で交渉してきます。
弁護士が代行することによって、高額の過払い金回収が出来る可能性が高いです。
④早期解決が望める
また、個人で過払い金請求すると貸金業者は早期解決が困難となるような交渉(引き伸ばし交渉)をしてくることがあります。
しかし、そのような場合でも、弁護士に依頼することで早期解決が可能になります。
(2)デメリット
デメリットとして弁護士費用が必要です。
下記の通りです。
①相談料
弁護士に相談する際に必要な金銭です。
30分5000円(税抜)が相場です。
ですが近頃は、相談無料の事務所も増えてきています。
②着手金
弁護士が依頼を受けた時に必要になる金銭です。
結果に問わず返金されません。
業者1社ごとに金銭が必要です。
1社につき約4万円が相場です。
場所によっては着手金無料の事務所もあります。
③基本報酬
業務終了後に必要になる金銭です。
約4万円が相場です。
着手金と基本報酬は、どとらか片方必要です。
④成功報酬
獲得金額によって必要になる金銭です。
獲得できた金額の約20%が相場です。
他方、裁判で回収した場合には、実際に獲得できた金額の25%ほどが相場です。
⑤減額報酬
過払い金を獲得後、借金が残っていた場合、実際に減額できた金額によって必要になる金銭です。
減額できた金額の約10%が相場です。
6.過払い金請求をする流れ
請求の流れは下記の通りです。
- 取引履歴を取得します
- 引き直し計算をします
- 実際に貸金業者へ請求します
- 貸金業者と電話等で交渉します
- 交渉が決裂したら訴訟で回収します
- 過払い金が入金されます
もし、ご自身で過払い金請求をしようとお考えの方は、「自分でできる!弁護士に依頼せずに過払い金請求するための全手順」の記事を参考にしてください。
また過払い金請求には時効があるので「発生しているかな?」と思った場合は自身で請求するか弁護士などに相談することをおすすめします。
まとめ
今回は過払い金とは何かについてご説明いたしましたがいかがだったでしょうか。
今回の話が過払い金について知りたい方のご参考になれば幸いです。