交通事故の示談金の相場は?慰謝料と示談金の違いと請求できる損害について

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「交通事故で示談をすることになったが、どうしたらいいかわからない」

「交通事故の加害者が示談してほしいと言ってきたが、示談金に納得いかない」

交通事故に巻き込まれると、多くの場合で示談交渉や示談金が問題になる。

交通事故の被害にあった方の中には、「示談交渉は保険会社に任せておけば大丈夫」「大手の保険会社だから示談金に間違いはないだろう」という方もいる。しかし、保険会社がどこであっても、安易に示談するべきではありません。どういう内容で示談するか、いくらの示談金で合意するかは、後遺症や後遺障害が残った場合の補償額や、加害者側の処罰にも影響する、とても重要な問題だからである。

示談は、一回しかすることができない。

いったん示談が成立すると、後から示談金の額や示談の内容に不満が出てきたからといって、やり直すことはできないのである。

そうはいっても、交通事故で示談する際の示談金の相場はいくらなのか、保険会社に任せていいのか、弁護士を入れた方がいいのかなど、不安が尽きない方が多いのではないだろうか。

今回は、交通事故で示談する際の示談金の仕組みやポイントについて説明していきたい。

目次

1.交通事故の示談金とは?-慰謝料と示談金の違いについて

2.交通事故の示談金の相場は?-賠償請求できる損害の内容4つ

3.交通事故から示談金を受け取るまで-示談交渉のポイントとは

1.交通事故の示談金とは?-慰謝料と示談金の違いについて

交通事故にあった場合、「示談金」や「慰謝料」という言葉をよく耳にすると思う。どちらも被害者が受け取るお金ですが、示談金と慰謝料はベツモノである。

示談金とは、示談で加害者と被害者が合意した金額のことである。和解金などといわれることもあるが、示談金とほぼ同じ意味である。これに対して慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償の金額のことである。

交通事故の場合、精神的苦痛以外にも、事故にあったために支払いを余儀なくされた治療費や、会社を休まざるをえなかったことによる休業損害、後遺障害が残ったために将来得られなくなった逸失利益など、様々な損害が発生している。示談は、これらの損害全てを考慮した上で、加害者と被害者双方が話し合いをして、解決の合意をするものである。

そのため、慰謝料は示談金の一部と考えることができる。

示談は、一度合意すると、あとからやり直しをすることはできんじ。もし、加害者側が提示してきた示談書に、慰謝料分しか書いていないとか、全ての損害をカバーするのには不足だと思うような場合には、安易に署名・押印しないようにしよう。

2.交通事故の示談金の相場は?-賠償請求できる損害の内容4つ

(1)交通事故の示談金に含まれる内容とは?

交通事故にあった場合、事故で生じた損害は、原則として金銭で賠償をすると決められている。損害賠償できる金額は、「損害の内容が妥当な金額に換算されているか」という点から判断した「適正な金銭による損害賠償」ということになる。

そこで、交通事故の示談金を計算する際には、事故でどんな損害が生じたのかを明らかにしなくてはいけない。請求できる損害の内容は、大きく分けると次の4つになる。

①積極損害

治療費、通院交通費、葬儀費用など、交通事故にあったために支払うことを余儀なくされ、実際に支払うことで発生した損害である。

②消極損害

休業損害、逸失利益など、交通事故にあったために得られなくなった利益である。

③慰謝料

後遺障害を負ったことに対する慰謝料や、交通事故遺族の慰謝料など、交通事故によって被った、肉体的・精神的苦痛に対して支払われる損害賠償である。

④物損

被害にあって車が壊れた等の損害のことである。

(2)示談金の相場とは?

実際に交通事故にあった場合、実際に受け取ることができる示談金の相場は、怪我や後遺症の程度、被害者の年齢や就業状況によっても変わる。休業損害や逸失利益については、それぞれ計算方法がきまっている。

具体的な示談金の相場の目安としては、「公益財団法人 日弁連交通事故相談センター東京支部の損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」基準)で考慮すると、以下のようになる。

①怪我をした場合

以下の損害額を足した額が、示談金の相場になる。

  • 積極損害

治療費、通院交通費、付添看護費、入院雑費等、休業損害等が請求できる。休業損害とは、交通事故で働けないために減少した収入分のことである。職種により異なるが、会社員の場合は、事故前の収入を基礎として、(基礎収入:3かの給与額の合計額÷90日)×(休業期間)で計算するのが一般的な実務の運用である。

  • 消極損害(逸失利益)

交通事故で負った怪我が、後遺障害として残り、認定される際に問題になる。

  • 慰謝料

通院・入院したことの精神的苦痛が損害となる。

②後遺障害が残った場合

以下の損害額を足した額が、示談金の相場になる。傷害を負った場合に比べて、逸失利益、後遺障害慰謝料がプラスされるのが特徴である。

  • 積極損害

治療費、通院交通費、付添看護費、入院雑費等、休業損害等が請求できる。

  • 消極損害(逸失利益)

被害者が交通事故に遭わなければ将来得られたはずの利益が損害となる。治療しても治らない「症状固定」に達した時の年齢や収入、労働能力喪失の割合によって、金額が異なる。会社員の場合、(基礎収入)×(労働能力喪失率)×(中間利息控除係数)という計算で求めます。年収500万円の40歳の男性で労働能力喪失率が3割とされると、逸失利益の額はおよそ2200万円となる。

  • 慰謝料

後遺障害が残った場合、後遺障害の等級によって慰謝料額の目安がある。一番重い第1級の2800万円から、一番軽い第14級の110万円まで、等級に応じて慰謝料額の目安が異なる。

③死亡事故の場合

以下の損害額を足した額が、示談金の相場になる。死亡に至るまでの入通院に係る積極損害は、怪我をした場合と同様である。

  • 積極損害

葬儀費用は150万円が上限とされるのが通常である。ただし、社会的立場によっては150万円を超えて認められる場合もある。

  • 消極損害(逸失利益)

被害者が生きていれば将来にわたって得られたはずの収入額が損害となる。給与所得者の場合は、事故前の現実の収入を基に計算するのが原則である。主婦など家事労働者の場合は、(基礎収入)×(労働能力喪失率)×(中間利息控除係数)という計算で、家事労働を金銭的に評価する。

  • 慰謝料

裁判で認められるであろう「裁判所基準」を基に計算される。被害者が収入的に一家の支柱だった場合には2800万円、母親や配偶者の場合は2400~2700万円、独身者や子どもの場合は2000~2200万円の範囲を目安に計算される。

3.知っておきたい!交通事故を起こしてから示談金を受け取るまで-示談交渉のポイントとは

(1)示談交渉の流れとは

交通事故の被害にあってから示談が成立するまで、大きく分けて次の5つのステップがある。適正な額の示談金を受け取るためには、これらのステップを踏んでおくことが、後々大きな意味を持つ。

①交通事故当時~まず行うべき5つのこと

交通事故にあった場合、次の5つの行動を起こそう。事故当時に正しい行動をしておくことが、今後の示談交渉の際にも影響する。

  • 負傷者の救護と警察への連絡

被害者でも、「負傷者の救護」と「警察への連絡」は必要である。怪我や痛みがあれば、人身事故として警察に届けよう。自動車安全運転センターから交通事故証明書の交付も受けておこう。

  • 状況の確認

「相手の連絡先の確認(住所・氏名・電話番号・車両ナンバー・勤務先)」「目撃情報の確保」「事故現場の保存」を行う。可能なら、事故状況を写真で撮っておこう。

  • 医師の診断

事故後はできるだけ早く医師の診断を受けよう。違和感がある場合はCTやMRIを受けておくと、後遺症が残った場合に、交通事故との関連を示す証拠にもなる。

  • 保険会社への連絡

加入している保険会社に、事故処理終了後に連絡する。ご自身の過失がゼロの場合でも特約が使える保険や、親族の保険が使える場合もあるので、確認してみよう。

  • 保険会社や相手方との対応

加害者の保険会社が、事故後すぐに示談書等を持ってくることがありますが、安易に応じるべきではない。後で判明した損害の補償が受けられない恐れがある。

②交通事故後~通院・入院に健康保険を使って大丈夫

事故後は、しっかり通院・入院して治療にあたってほしい。交通事故の場合、保険診療と、保険を使わない自由診療がある。時々「交通事故で健康保険は使えない」という話を聞くが、そんなことはない。保険を使って治療を受けて問題ない。

③症状固定~後遺障害の認定申請を

交通事故で負った怪我が完治したり、これ以上治療を続けても改善が見られない状態になることを「症状固定」という。症状固定した後の治療費は請求できなくなり、後遺障害の損害賠償に切り替わります。症状固定は医師と相談して決めよう。

④示談交渉~保険会社との交渉開始

症状固定に達し、後遺障害の等級認定が終わると、示談交渉が始まることが多い。示談交渉では、治療に要した費用や、会社を休んだ場合の休業損害、後遺障害が残ったことによる逸失利益や精神的損害を、示談金として請求していくことになる。

⑤示談成立~やり直しがきかない和解契約

相手の保険会社から提示された補償額、示談金額に納得したら、示談書に署名・押印して示談は成立する。示談はやり直しができないので、十分に考慮しよう。

(2)交通事故の示談金が受け取れなくなる前に、知っておくべき時効の期間

①3年以内に請求を~交通事故の補償請求の時効とは

交通事故の示談では、示談金の算定に時間がかかるし、示談金を請求しても相手がのらりくらりと支払いを先延ばしにすることもある。しかし、「治療費の明細はそのうち探しておこう」とか、「加害者がいつか応じるだろう」などと放置しておくと、示談金を請求する権利が時効で消滅し、示談金が受け取れなくなる恐れがある。

交通事故の被害にあった場合、特に怪我をしたり、後遺障害が残った場合の時効が問題になる。時効期間については、具体的に以下のように決められている。

  • 傷害による損害

症状固定日又は治癒日から3年

  • 後遺障害による損害

症状固定日から3年

  • 死亡による損害

死亡日から3年

  • 物的損害

事故日から3年

また、事故の日から20年が経過すると、時効にかかわらず損害賠償請求権が消滅するので注意が必要である(除斥期間)。

②時効が迫ってきたら~時効中断のためにすべきこととは

時効にかかると、請求する権利が消滅し、それ以降は請求できなくなってしまう。時効が迫っている場合には急いで時効を中断させて、これまでの時効期間をリセットさせる必要がある。具体的には、以下のような方法を取ることができる。

  • 請求

裁判所を通して相手方に請求するだけで時効を中断することができる。具体的には、訴訟提起、支払督促の申立、和解の申立、調停の申立などである。加害者に電話や手紙で「早く払え」と請求するだけでは時効は中断しない。

  • 催告

裁判所を通さず、加害者や保険会社に、「払え」と要求することである。催告した時から6ヶ月の間に裁判上の請求をしないと、時効が完成するので注意しよう。

  • 承認

保険会社が事件解決前に保険金等を支払ったり、示談案として損害額計算書を出すと「一部承認」として時効が中断する。ただし、自賠責保険会社から保険金を受領したり、「時効中断承認書」をもらっても、加害者との関係では時効は中断しない。

まとめ

今回は、交通事故の示談金の内容や相場について説明しましたが、いかがだっただろうか。示談金は、専門的な計算が必要になるので、弁護士などの専門家に依頼すると確実である。また、慰謝料算定の基準になる後遺障害の認定も、専門家が間に入って病状をきちんと伝えることで等級が上がり、慰謝料の額が数百万も変わるケースもある。一旦行った示談は取り消すことはできないので、しっかり内容を確認することが大切である。交通事故で示談する際は、弁護士などの専門家に相談されることをお勧めする。

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