弁護士費用特約とは?弁護士費用特約を付けるべきか判断するために知っておきたい5つのこと

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交通事故に遭ってしまった場合に備え、自動車保険に弁護士費用特約を付けておきたいと考えている方もいらっしゃると思います。

しかし、弁護士費用特約についてきちんと理解されている方は多くないのではないでしょうか。

そこで今回は、こんな時に非常に役立つ「弁護士費用特約」について説明していきます。すでに保険に加入している方はもちろんのこと、これから保険に加入しようと考えている方にもご参考になれば幸いです。

 目次

1、弁護士費用特約とは?

2、弁護士費用特約を使える場合は?

3、弁護士費用特約を付けるメリットは?どのくらい保険料を支払ってもらえる?

4、弁護士費用特約の保険料の相場は?

5、契約者本人以外でも弁護士費用特約を使える場合は?

6、弁護士費用特約を付けられる保険会社

1、弁護士費用特約とは?

交通事故の被害に遭った時などに加害者に対して損害賠償を求める際には、多くの方は弁護士に相談・依頼するでしょう。その際には、弁護士に対してその費用を支払う必要があります。

しかし、この費用は必ずしも安いものではないため、被害者の中には弁護士への依頼を躊躇し、そのせいで十分な補償を受けられないということも考えられます。そのようなことが起こらないように、平成12年に、日本弁護士連合会と損害保険各社とが協力し、保険の商品として弁護士保険(権利保護保険)という制度を構築しました。

この弁護士保険は、現在では、自動車保険、火災保険などに「弁護士費用(担保)特約」として付帯されることが多くなっています。
これは、自動車保険などに特約として付帯させておき、いざ自動車事故などの被害者になって弁護士に相談・依頼する必要が生じた際に、弁護士費用が保険会社から支払われるという仕組みです。

2、弁護士費用特約を使える場合は?

(1)保険会社によって弁護士費用特約の内容が異なる

弁護士費用特約は、保険会社各社で内容が異なっています。また、自動車保険に付帯されているのか、火災保険に付帯されているのかなどによっても内容は異なります。そのため、どのような場合に弁護士費用特約を使えるかどうかは、保険契約の内容次第になります。

しかし、弁護士費用特約に共通しているのは、交通事故により、生命・身体・財産に損害が生じ、その損害の賠償を加害者に対して求めるために弁護士に相談・依頼した時には、その費用が支払われるということです。なお、ここでいう交通事故には、自分が自動車に乗っている場合に限らず、歩行中に車にはねられた場合なども含まれます。

また、自転車同士の事故や、歩行者と自転車の事故などにも弁護士費用特約を利用できるようにしている保険会社もあるが、他方で、自動車が関係する事故に限定している保険会社もあるので、この点には注意しましょう。
もっとも、これとは反対に交通事故に限らず、日常生活における事故全般について弁護士費用特約が支払われる保険会社もあります。

(2)自分に過失がある場合でも、弁護士費用特約は使える!

これを読んで下さっている方の中にも、弁護士費用特約は、0:100のような完全な被害事故でないと使えないと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、保険約款を見れば分かるのですが、約款にはそのようなことは一切書かれていません。交通事故による損害の賠償を請求するために弁護士費用を要したときにその費用を保険で支払うと書いているのみです。

つまり、極端なことをいえば、99:1の過失割合でこちらが悪いときにその相手方の1%分の責任を追及するためであっても、弁護士に依頼したのであればその弁護士費用は支払われることになっているのです。
例えば、東京海上日動火災保険株式会社は、弁護士費用特約に「もらい事故アシスト」というペットネームを付けていますが、いわゆる「もらい事故」以外にも「もらい事故アシスト」を使うことができるのです。

3、弁護士費用特約を付けるメリットは?どのくらい保険料を支払ってもらえる?

ここでは、弁護士費用特約を付けておくメリットについて説明しますが、その前にもし弁護士費用特約が付いていない状態で、交通事故の案件を弁護士に依頼する場合にかかる費用について簡単に紹介します。そうすることで、弁護士費用特約を付けることが費用の面でも非常にメリットがあることがより一層お分かり頂けるでしょう。

(1)弁護士費用の相場は?

①相談料

「初回」の相談料については、無料としている弁護士事務所が多い。無料でない場合には、1時間1万円程度が相場です。
もっとも、交通事故の案件では相談は何度しても無料としている事務所もあるようなので、その点は各事務所のホームページを見るなどして各自確認してください。

②着手金

着手金については、無料としている弁護士事務所が多いようです。

③成功報酬

成功報酬については、20万円に加えて、実際に回収できた金額の10%程度が相場の弁護士事務所が多いようです。

(2)弁護士費用特約を付けるメリット

弁護士費用特約を付けるメリットとしては、以下のものが考えられます。

①全てのやりとりを弁護士に任せることができる!

まず、相手方とのやり取りから解放されるということが挙げられます。もし、弁護士を代理人にした場合には、保険会社や加害者とのやり取りは全て弁護士が窓口となるため、自分自身でやり取りをする必要が無くなります。

②賠償額の増額

次に、賠償額が増額するということが考えられます。
保険会社はあくまで保険会社内部の基準で慰謝料等を計算することになっています。
しかし、弁護士が交渉することになれば、訴訟を見据えた交渉が可能になることから、保険会社も裁判所が認めるであろう金額を踏まえた金額を提示してくることになり、結果として賠償額の増加が望めるのです。

③弁護士費用特約を使っても、保険の等級は下がらない!

誤解されている方もいらっしゃるかもしれませんが、弁護士費用特約を使ったとしても保険の等級は下がりません。そのため、気兼ねなく、弁護士費用特約を使うことができます。

④その他

その他にも、法的な主張で相手方に対抗できたり、後遺障害認定のサポートを受けられたり等、様々なメリットが考えられます。

なお、弁護士費用特約を付けるには別途契約をする必要があり、その分の費用がかかることがデメリットです。詳しくは、次の「4、弁護士費用特約の保険料の相場は?」をご覧ください。

(3)弁護士費用特約が付いている場合に安くなる弁護士費用の金額

弁護士費用特約の内容は保険会社によって異なるが、多くの保険会社では法律相談料として10万円、弁護士費用及び実費として300万円の支払いを限度としています。

この300万円という金額は、以前、日本弁護士連合会が定めていた弁護士報酬基準に照らすと、交通事故による損害がおおよそ1,671万円以上になる場合にかかる弁護士費用の金額となります。
つまり、交通事故による損害が1,671万円以上になる場合には、弁護士費用特約によって弁護士費用を賄いきれないことになり、300万円を超えた弁護士費用について自己負担が生じることになります。
逆に、それを超えない損害の時には基本的には自己負担なく弁護士に依頼することができることになります。

ただし、現在では、弁護士費用は個々の弁護士が自由に決められることになっており、また、訴訟などをしたときは別途費用が発生したりする場合もあります。
そのため、この1,671万円の損害というは一つの目安に過ぎないので、弁護士に依頼する際には費用についてよく確認するようにしましょう。

4、弁護士費用特約の保険料の相場は?

弁護士費用特約を付けるためには、そのための保険料を保険会社に納める必要があります。

では、この保険料はいくらくらいなのでしょうか?

弁護士費用特約は、前述の通り、自動車保険や火災保険などに付帯されるものであり、ほとんどの保険会社では付帯するか否かを選べる任意付帯となっています。

もし、弁護士費用特約を付帯することとした場合には、付帯しない場合よりも年間「1,000円」前後保険料が高くなるようです。

5、契約者本人以外でも弁護士費用特約を使える場合は?

皆さんの中には、弁護士費用特約を使えるのは、契約者本人だけだと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、弁護士費用特約は、自分で保険に加入していない場合にも適用されることがあります。具体的には、以下の通りです。

まず、保険の契約に際しては「記名被保険者」という人を決めることになっています。そして、保険が適用される人の範囲は、「記名被保険者」を基本に考えるのが原則です。
そのため、弁護士費用特約が適用される場合として、多くの保険約款に規定されているのは以下の者になります。

  • ①記名被保険者
  • ②記名被保険者の配偶者
  • ③記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
  • ④記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子

つまり、自分が保険に加入していなくても、同居している家族が保険に加入していたり、未婚の人は別居している親が保険に加入しているような場合には、その保険の弁護士費用特約を使えるのです。

その他にも、契約によっては、

  • ⑤契約自動車に搭乗中の者
  • ⑥①~④に該当する者が運転する契約自動車以外の自動車に搭乗中の者

といった人も弁護士費用特約を使えます。
例えば、知人の運転する車でドライブに行った時、その車にかけている保険(⑤)や、知人の入っている保険には弁護士費用特約が付いていなくても、運転していた知人の別居の親が保険に加入していて、その保険に弁護士費用特約が付いていれば、その保険が使えるのです(⑥)。

6、弁護士費用特約を付けられる保険会社

では、弁護士費用特約はどのような保険にも付けられるのでしょうか。損害保険大手各社のパンフレットを見比べてみる限り、自動車保険に関しては弁護士費用特約を付帯できない保険会社は見当たりません。

他方で、火災保険や傷害保険に関しては、弁護士費用特約を付けられない保険会社の方が多いようです。
例えば、火災保険については、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、富士火災海上保険株式会社では弁護士費用特約を付けられるようです。
他方、傷害保険については、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社では付けられるようです。

まとめ

今回は、弁護士費用特約について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。ぜひ、今回の話が弁護士費用特約について悩まれている方のご参考になれば幸いです。

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