借金返済が苦しくなってくると「夜逃げ」をしてしまおうか、と考える方が多いのではないでしょうか?
確かに夜逃げをすると債権者から督促が来なくなるので、辛い借金生活から逃れられるような気もします。
しかし、夜逃げをしても借金問題は根本的に解決できませんし、夜逃げにはデメリットが多すぎることも問題です。
今回は、夜逃げのリスクと夜逃げよりも借金問題解決に有効な「債務整理」について解説します。
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目次
1.夜逃げとは
夜逃げとは、債権者やその他の追っ手に見つからないように夜中にこっそり引っ越しをして行方をくらませることです。
特に昔は近所に見つからないように、夜中にこっそり逃げる必要があったので「夜逃げ」と言います。
ただ、今は必ずしも夜中に逃げるとは限らず、日中に引っ越しをすることもあります。
最近では、夜逃げとは言わずに「訳あり引っ越し」などと言われることもあります。
夜逃げをすると引っ越し先が債権者にわからないので、債権者からの借金督促が届かなくなります。
特に、闇金からの酷い嫌がらせに参っている場合などには効果があります。
また、DV被害者が加害者に見つからないようにこっそり引っ越しをする例なども見られます。
そこで、借金滞納がかさんで支払が苦しくなり、精神的に追い詰められた方が夜逃げを選択してしまうことが多いです。
2.夜逃げの方法
夜逃げをするときには、どのような手順で進めることになるのでしょうか?
(1)誰にも知られないようにする
まずは、誰にも知られないことが重要です。
夜逃げをすることを誰かに感づかれたら、そこから債権者に漏れてしまうかもしれません。
どこからどのような妨害が入るかわからないからです。
そこで、夜逃げ直前まで普通の日常生活を送ることが必要です。
家族がいる場合には、家族にも言わない方が良いことがあります。
子どもがいる場合には、子どもが周囲に話してしまうおそれがあるので、秘密にすべきですし親がいる場合にも何も言わずに逃げるべきです。
親に言ってしまうと心配されて騒ぎになってしまうおそれがあります。
また、勤務先にも告げてはいけません。
急に勤務できなくなって迷惑をかけることになりますがやむを得ません。
(2)一瞬で引っ越しする
夜逃げを成功させるには、とにかく早く引っ越し作業を終えることが重要です。
大量の荷物をまとめて、何時間もかけて大々的に引っ越しをしていたら債権者に見つかってしまうおそれがあります。
そこで、ほとんど身の回りの最低限の荷物だけを持って引っ越しを決行することもあります。
もう少し多く荷物を持っていくとしても通常の引っ越しのように、大きなトラックを呼んで大量の荷物を持っていくことは難しいです。
(3)事前に大型ゴミを出さない
夜逃げを成功させるには、夜逃げ決行まで近所の人にも不審に思われないことが重要です。
そこで、なるべく大型ゴミをださないようにしましょう。
たとえば、布団や棚、家電など持っていけないものを捨てることがありますが、このようなものを家の周辺に粗大ゴミで出してしまうと目立ちます。
直接ゴミ収集施設に持っていくなどして対応しましょう。
(4)住民票を異動しない
夜逃げをする場合、引っ越し先で住民票を異動しないことが重要です。
住民票を異動すると債権者が調べて追いかけてくるためです。
夜逃げをしても、住民票を異動したとたんにサラ金やカード会社から督促が来始めて元の借金生活に逆戻りしてしまうこともあります。
(5)電話番号や連絡先を変更する
携帯電話やスマホ、メールアドレス等の連絡先も変更しなければなりません。
メールアドレスは、単にアカウントを変えるのではなくプロバイダまで変えることをお勧めします。
これらを残していると債権者から督促が来るからです。
また、新しい連絡先は絶対に以前の知り合いに告げてはいけません。
スマホや携帯電話を契約した場合、契約者照会をされると現在の住所を知られてしまうおそれがあるためプリペイド携帯を使った方が安心です。
(6)目立つ行動をとらない
夜逃げ先では、とにかく目立つ行動をとらないことです。
今はネット社会なのでどこで誰が見ているかわかりません。
たとえば、出先で目立つ行動をしたらその様子を見た人が写真や動画を撮り、SNSなどにアップしてしまうおそれもあります。
自分のブログやSNSから情報が漏れることもあるでしょう。
そこで、夜逃げ先ではひっそりと暮らすことが大切です。
自分だけではなく、一緒に来た家族にも言い聞かせましょう。
(7)以前の知り合いと連絡しない
夜逃げを成功させるためには、引っ越し前の知り合いと連絡を取らないことが必要となります。
たとえば、友人や知人がいても連絡を取っていると、そこから現在の居場所が漏れてしまうおそれがあります。
親兄弟であっても連絡は控えるべきです。
特に、家族と一緒に夜逃げした場合には、家族が以前の友人や実家の親族に連絡してしまうことがあるのでよく言い聞かせてわかってもらうことが必要です。
3.夜逃げをするメリット
以下では、夜逃げをするメリットを確認していきましょう。
最も大きなメリットは、債権者からの督促が止まることです。
住民票を移さないので住民票から住所を知られることもありませんし電話番号やメールアドレスを変えるので、電話がかかってくることもありません。
今まで闇金などに追われて生きた心地がしない生活をしていた場合などには、精神的に落ち着いて生活ができるようになるでしょう。
また、借金返済をしなくて良くなるので生活が少し楽になることもあります。
ただし、夜逃げ後に良い仕事を見つけるのは難しいので生活レベルは落ちることが多いです。
4.夜逃げ屋とは
夜逃げを成功させるためには「誰にも知られず」「とにかく早く」引っ越ししてしまう必要があり、自分たちではうまく成功させる自信がないケースもあるでしょう。
このようなとき、夜逃げ屋を利用することができます。
夜逃げ屋とは、夜逃げをサポートする業者です。
事前相談、引っ越し用車両の手配、荷物の梱包と搬送、引っ越し先の手配まで段取りを整えてくれます。
夜逃げを成功させるためのアドバイスもしてくれるので、自分だけで夜逃げをして失敗するリスクを軽減することができます。
ただ、夜逃げ屋を利用すると料金がかかります。
業者やケースにもよりますが5万円~となることが多いです。
また、夜逃げ屋を利用する際には注意点があります。
それは、夜逃げ屋が債権者とつながっているケースがあることです。
そのような場合、せっかく夜逃げをしてもすぐに見つかってしまい意味がありません。
5.夜逃げのリスク
夜逃げには、リスクやデメリットも非常に多いので、以下で順番に見ていきましょう。
(1)債権者に発見される
まず、債権者から発見されるリスクが高いです。
夜逃げをするときどうしても周囲の人に知られてしまうことがありますし親や友人知人などに、行き先を告げてしまうことがあります。
また、子どもやその他の家族がブログやSNSを利用していて、そこから情報が漏れるケースもあります。
携帯電話の利用明細書の送付先を照会されて住所がバレるケースもありますし、夜逃げ屋が債権者とつながっている場合もあります。
債権者に見つかってしまったら夜逃げした意味が無くなってしまいます。
(2)借金がなくならない
夜逃げをしても、債権者からの督促が事実上止まるだけで借金が無くなるわけではありません。
滞納状態になるので、その分の遅延損害金もどんどんかさんでしまいます。
借金問題を根本的に解決できないことも夜逃げの大きなデメリットです。
(3)住民票を移せない
夜逃げをするときには、引っ越し先に住民票を移すことができません。
自治体の行政サービスは基本的に住民票を基本としているので、住民票を移さないと各種の行政サービスを受けられず大変な不利益が及びます。
健康保険への加入や年金保険料の支払いができないこともありますし、選挙の通知なども届きません。
子どもが学校に通う際にも支障が発生します。
(4)仕事を失う
夜逃げをするときには、以前の仕事は辞めなければなりません。
以前安定して給料を得ていたとしても収入が入ってこなくなってしまいます。
かといって、夜逃げ先で都合の良い就職先が見つかることは少ないです。
結局、収入が低くなり生活は以前より苦しくなるケースが多いです。
(5)家や家財道具を失う
夜逃げをするときには、以前の家は捨てないといけません。
住みやすくて気に入っていた土地でも去らないといけないのです。
また、夜逃げをするときには転居先の住居をじっくり探すことができないので、以前よりもランクが落ちることが多いです。
さらに、荷物も制限されます。
身の回りのものくらいしか持って行けないので、気に入った家財道具などがあっても諦めなければなりませんしペットとも別れなければならないことがあります。
(6)家族に迷惑をかける
夜逃げをするとき、家族と一緒に逃げると家族に大きな迷惑をかけることになります。
住民票を異動できないので、家族も各種の行政サービスを受けることができずに不便な思いをします。
また、以前の知り合いや親などとも連絡できなくなります。
子供がいたら転校しなければなりませんし、以前の友達と連絡をとることもできません。
夜逃げ後の家は狭くなり、生活レベルが落ちることもあるので家族が不満に思うこともあるでしょう。
夜逃げ後、離婚に至るケースもあります。
6.夜逃げよりも債務整理が有効な理由
結局、夜逃げをしても借金問題を根本的に解決できない上、デメリットが大きすぎます。
そこで、借金問題を解決するために夜逃げではなく債務整理をすべきです。
債務整理とは、借金を整理するための法的な方法です。
借金の利息をカットして支払を楽にする方法(任意整理)、借金を大きく減額してもらって支払う方法(個人再生)、借金を0にしてもらう方法(自己破産)が主な手段となります。
どのような状況の人でも適切な債務整理の方法を使ったら、借金問題を解決できます。
仕事も辞めなくて良いですし引っ越しも不要です。
多くの場合、財産を失うこともありません。
住宅ローン支払い中で持ち家があっても失うことがないのです。
また、「ブラックリストになる? 任意整理のデメリットとメリットとは?」「自己破産のメリットとデメリットは?よくある誤解も解説!」も合わせてご参照ください。
まとめ
債務整理をしたい場合には、弁護士に相談すると良いです。
弁護士は債務整理のプロなので、みなさまのお悩みの内容に応じて適切な方法を選択し債務整理の手続きを進めてくれます。
以上のように、借金があるなら夜逃げをするのではなく債務整理で解決すべきです。
もし、今借金があって苦しんでいるなら、まずは弁護士に相談してみて下さい。