誰もが直面する可能性がある「相続」。
配偶者、あるいは父や母の逝去時に残った遺産ですが、その遺産を相続人同士でどう配分すればよいのかを考えたことはあるでしょうか。
遺言書に遺産の分割方法が記されていれば良いのですが、分割方法が記されていない際には、相続人の間で話し合うしかありません。
そして、話し合いの結果は書面にしなければ、登記を移したり金融機関での払い戻しを行うことが出来ません。
そこで今回は、遺産分割協議の結果を記載した書面である「遺産分割協議書」についてご説明させていただきます。
ご参考になれば幸いです。
※この記事は2017年3月30日に加筆・修正しました。
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目次
1.遺産分割協議書の雛形ダウンロード
まずは、雛形をダウンロードできるようにいたしましたので、是非ご利用ください。
2.遺産分割協議書の記載例と注意点
雛形のみでは不安だと思います。
そこで雛形を基に遺産分割協議書を作成する際に参考にしていただくために、以下に注意点をまとめました。
ご参考になれば幸いです。
(1)不動産の表示
※不動産の表示は登記事項証明書記載の通り、正確に書きましょう。
曖昧な表現だと、登記を移転しようにも法務局が受付をしてくれない可能性があります。①土地の場合
所 在 ●市●区●丁目
地 番 ●番●
地 目 宅地
地 積 ●平米
②建物の場合
所 在 ●市●区●丁目●番地●
家屋番号 ●番●
種 類 居宅
構 造 木造スレート瓦葺2階建
床面積 1階 ●平米
2階 ●平米(2)預貯金の表示
※金融機関名、支店名、種類、口座番号、相続開始時の残高をきちんと記載しましょう。
●銀行▲支店(普通)
口座番号 ●●
●円(3)有価証券の表示
※種類、数量をきちんと記載しましょう。
株式 株式会社▲ ●株
(4)相続財産に債務がある場合
※亡くなった被相続人が借金などの債務を負担していた場合、以下のような条項を入れ、債務を誰が相続するかも記載しましょう。
●銀行からの借入金(相続開始日の残高金●円)は、甲が負担するものとする。
(5)代償分割とする場合
※たとえば、長男が不動産の全てを相続する代わりに、他の兄弟にその代償としてお金を渡すような場合があります(これを「代償分割」という)。この場合、以下のような条項を入れましょう。
丙は、第●項の遺産を取得する代償として、甲に金●円、~に金●円を、平成●年●月●日限り支払うものとする。
3.有利な遺産分割協議書を作成するポイント
(1)遺産分割協議書作成するにあたっての注意点
次は遺産分割協議書作成にあたっての注意点を確認しましょう。
①署名は直筆、押印は実印で
協議書本文はPCで打ち込んだものでも大丈夫です。
しかし、後日「私は合意していない」と問題にされることを防ぐためにも、署名は各相続人が直筆で行いましょう。
法務局で登記を移転する時や金融機関で名義を変更する時は、印鑑証明書の添付を要求されるので押印は実印を使いましょう。
協議書が数ページにわたる場合は、相続人全員の割印を押しましょう。
②作成部数について
最低でも名義変更用と控えの2部は必ず必要です。
不安であれば、人数分を作成したほうが良いです。
(2)自分に有利な遺産分割協議書にするためには
相続人の間で遺産の分割を決める際は、前もって遺産の調査を行い遺産を確定させているのが通常です。
しかし、遺産分割協議の後になって、他の遺産の存在が判明することも少なくありません。
その際は、改めて協議をするということでもよいのだが、以下のような文章を加えて、前もって自分に帰属するようにしておくと良いと思います。
(例)
本協議書に記載のない遺産や、将来新たに発見された遺産は甲が取得し、乙は取得しない。
まとめ
遺産分割協議書の作り方はイメージできたでしょうか。
円満な分割の手助けになれば幸いです。