交通事故に遭ってしまい、仕事を休まなくてはならなくなりました。
そのような場合には、保険会社に対して「休業損害」を請求できます。
今回は、休業損害について説明します。
ご参考になれば幸いです。
※この記事は2017年10月17日に加筆・修正しました。
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目次
1.休業損害とは?
休業損害とは、交通事故が原因で受傷してしまい、止むを得ず休業をすることになった場合、休業がなければ本来得られたはずの金銭です。
簡単に言えば、仕事を休んで収入が減少したことに対する補償のことです。
2.誰が請求できる?
休業損害を請求できるのは、実際に仕事をしている人及び家事をしている人です。
しかし、交通事故によって収入が減ることがおよそ想定できない人、例えば、
- 学生
- 年金受給者
- 生活保護受給者
- 家賃収入などの権利収入で生活をしている人
などは休業損害を請求できません。
3.休業損害の計算方法
休業損害の計算方法は、以下の3つがあります。
保険会社側と直接交渉すると基本的に「(1)自賠責保険基準」で計算されます。
また、弁護士に依頼すると「(2)裁判基準」で計算されます。
通常、自身で保険会社と直接交渉をした場合より、弁護士に依頼した方が休業損害の金額が増額されます。
(1)自賠責保険基準
自賠責保険基準を用いた場合には、
休業損害=5,700円×休業日数
となります。
もっとも、例外的に1日の収入が5,700円を超えると認められた場合には、1万9,000円を限度として、その実額が1日あたりの金額として算定することができます。
休業日数に関しては、交通事故が原因で受傷してしまい止むを得ず仕事を休んだ日数のことです。
(2)裁判基準
裁判基準を用いた場合には、
休業損害=1日あたりの基礎収入×休業日数
です。
裁判基準の場合は、休業損害算定の基礎とすべき収入金額を算出します。
算出する場合は、基本的に交通事故前の3ヶ月分の収入を基にして、1日分の基礎収入を算出します。
雇用主に、交通事故前の3ヶ月間の給与額を記載した「休業損害証明書」を作成してもらいましょう。
作成してもらった「休業損害証明書」を基にして、基礎収入を算出します。
すなわち、
1日あたりの基礎収入=交通事故前3ヶ月分の収入÷90
という計算式になります。
休業日数も休業損害証明書に記載してもらいましょう。
(3)任意保険基準
各保険会社で一定の限度額や基準が設けられています。
そのため、自賠責保険基準や裁判基準のような明確な計算式はないが、現実の収入に近い金額で支払いがなされるようです。
4.休業損害の請求方法
休業損害の請求方法は、法律では定められてはいませんが、実務上、事故当時に収入があったことを証明するために下記のように請求するのが一般的です。
(1)給与所得者の場合
①提出方法
休業損害証明書に、事故前年度の源泉徴収票か所得証明書を添付して、加害者か保険会社に提出する必要があります。
今回は「休業損害証明書」の雛形を用意したので、ぜひダウンロードして活用してください。
②休業損害証明書の書き方
休業損害証明書の書き方については、「休業損害証明書とは?書き方と注意点を徹底解説!」をご参照ください。
(2)自営業者の場合
事故前年度の確定申告書を加害者または保険会社に提出することになります。
(3)家事従事者の場合
同居人との「続柄」が省略されていない住民票を加害者または保険会社に提出することになります。
まとめ
今回は休業損害についてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の話が、休業損害を請求しようと考えている方のご参考になれば幸いです。