家族が万引きで逮捕!どうなる?不起訴にする方法は?

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万引き 逮捕

万引きは身近な犯罪だ。息子や娘が近所のスーパーやコンビニなどで万引きしてしまうこともある。この場合、家族が万引で逮捕されてしまうことがある。

万引きで逮捕されると、その先の手続はどのようになってしまうのだろうか。そもそも万引きとはどのような犯罪で、また、どのように対処すれば不起訴や無罪などの有利な結果を得ることができるのかも知りたいところである。これらのことを正しく知って適切な対処をしないと、万引きで逮捕された家族を守ることが出来なくなってしまう。

そこで、今回は、万引で逮捕された場合の対処法について解説する。

目次

1、万引きはどのような犯罪か

2、窃盗罪の刑罰は?

3、万引きが見つかってから逮捕されるまで

4、逮捕されてから起訴されるまで

5、不起訴を勝ち取る方法は?

6、起訴されてしまっても無罪になることはあるのか?

7、少年犯罪の場合は?

8、未成年の場合には家庭裁判所に送られる

9、再犯を防ぐことも重要

1、万引きはどのような犯罪か

身近に犯罪はいろいろとあるが、中でも万引きは頻繁に起こる。息子や娘などの家族が万引きをしてしまうこともある。小学生でも万引きをすることはある。子どもや家族が万引きをした場合には、親などの家族に連絡が来ることが普通であり、親としては動転してしまってどのように対処すれば良いかわからなくなってしまうことが多い。しかし、このようなときこそ親や家族がしっかりしないといけないのである。

家族が万引きした場合、どのような対処を執れば良いのだろうか。

万引きへの正しい対処をするには、まずは万引きという犯罪について正確な知識を持っておくことが必要である。

では、万引きとはどのような犯罪なのだろうか。

万引きは、窃盗罪の一種である。窃盗罪とは、他人の財物を盗み取る犯罪であり、刑法235条に定められている。家族が万引きをした場合には、この窃盗罪によって罪を問われることになる。そこで、以下では窃盗罪について詳しく見てみよう。

2、窃盗罪の刑罰は?

万引きは窃盗罪であることが理解できたが、窃盗罪の具体的な刑罰内容はどのようになっているのだろうか。

(1)窃盗罪の刑罰は?

窃盗罪の刑罰の内容は、10年以下の懲役又は罰金50万円である。よって、もし家族が万引きで逮捕されて裁判になり、裁判所で判決が出て有罪になってしまう場合には、刑務所で10年以下の期間懲役をして過ごすか、50万円以下の罰金を支払う必要が出てくることになる。

(2)執行猶予になる場合もある

ただし、裁判で懲役刑となる場合でも、必ずしも刑務所に行かないといけないわけではない。執行猶予という制度があるからである。執行猶予とは、懲役刑などが選択された場合に、その刑をすぐには科さずに一定期間の猶予を与える制度のことである。執行猶予中は社会で自由に過ごせるが、執行猶予期間に別の犯罪を起こしたり問題行動を起こすことがあると、刑務所に行かなければならなくなる。反対に、執行猶予期間中に特に問題行動がなければ、言い渡された懲役刑が実行されることはない。つまり、執行猶予期間中に問題を起こさずにまじめに生活していれば、刑務所に行かずにすむのである。

万引きの場合、特に初犯の場合には、裁判になって有罪判決が出たとしてもたいていは執行猶予がつく。よって、仮に家族が万引きをして窃盗罪で有罪になり、懲役刑が選択されたとしても、この執行猶予がついて刑務所に行かなくて済む可能性は高い。

ただ、そうだとしても罰金刑が選択された場合には支払をしなければならないし、何より裁判になることの負担や、前科がついてしまうことによる不利益は大きい。よって、万引きで逮捕された場合には、やはり裁判にならないように、不起訴処分を勝ち取る必要性が高いのである。

3、万引きが見つかってから逮捕されるまで

万引きで裁判になった場合の窃盗罪の刑罰の内容は先ほど説明させて頂いた。

ただ、万引きが見つかった場合であっても、必ずしも逮捕されたり裁判になるわけではない。多くの万引き事案では、見つかったとしても警察に逮捕されることなくそのまま帰してもらっている。それは一体どうしてなのだろうか。

(1)万引きで逮捕される場合とは

万引きが見つかる場合には、まずは店主や店員に現行犯で発見されて、店の奥などのスペースに連れて行かれる。そこで、店主などが犯人に対し、犯人に対し、万引きについて問いただすことになる。

(2)必ずしも警察沙汰にならないことも

このとき、万引き犯が初めてであったり、きちんと反省している場合には、2度としないことなどを約束したり、誓約書を書いたりして許してもらえることがある。また、この場合、犯人の家族が呼ばれて店主と犯人と家族が一緒に話し合うことも多い。このときに、家族がきちんと対応して謝罪し、弁償金などを支払うことなども提案して誠意を見せれば、やはり店主が許してくれて警察沙汰にならないことも多い。要するに、家族が万引きをして店主や店員に見つかったとしても、きちんと反省して誠意を見せれば、必ずしも警察を呼ばれて逮捕されることにはならないのだ。

ただ、万引き犯が常習犯であったり、まったく反省していない場合や、家族による協力が全く期待できなさそうだと思われると、警察を呼ばれて逮捕されてしまうこともある。

このように、万引きで逮捕されるかどうかについては、万引きを見つかった直後の対応が非常に重要なので、注意しよう。

4、逮捕されてから起訴されるまで

万引きが見つかった後、店主に許してもらえず警察を呼ばれて逮捕されてしまうことがある。この後は、どのような手続の流れになるのだろうか。

(1)警察で取り調べ

警察に逮捕された場合には、まずは警察で取り調べを受ける。ここで、微罪であったり送検(検察官に送られること)の必要性がないと判断されれば、釈放されることもある。

(2)送検される(検察による取り調べ)

警察に許してもらえなかった場合には、逮捕後48時間以内に検察官に送検される。そして、送検後24時間以内に検察官により勾留処分が執られる。そうなると、警察の留置所に留置されて、取り調べを受けることになる。このときの取り調べの内容や、集めた証拠の内容などを見て、勾留後10日以内に検察官が、起訴するかどうかを決定する。10日で捜査が終了しなかった場合には、さらに10日間勾留期間が長引くこともある。このように、逮捕後の身柄拘束期間は最大で23日にもなる。

(3)検察官が起訴か不起訴を判断

最終的に検察官によって起訴されなかった場合には、不起訴処分となって釈放されることになる。起訴されてしまうと、刑事裁判にかけられて判決が下されることになる。判決が下される場合には、上記で説明したとおりの窃盗罪による処分となるので、懲役刑か罰金刑が下されることになってしまうのだ。

また、裁判の種類には略式起訴という処分もある。万引きの場合には、微罪であり、本人が認めていることも多いので、略式起訴の処分が執られることがよくある。略式起訴とは、実際には裁判所での期日を開かない簡易な処分のことである。略式起訴処分となった場合には、刑罰だけが裁判官によって下される事になる。この場合には、罰金刑が選択されるが、前科自体はついてしまうことになる。

5、不起訴を勝ち取る方法は?

万引きで逮捕された場合、上記の通り、最終的に検察官が刑事裁判にかける起訴処分を行うかどうかの判断をすることになる。このとき、起訴されるか不起訴処分になるかが非常に重要である。刑事裁判にかけられた場合には、99.9%以上の高い確率で有罪になってしまうからだ。

そこで、不起訴処分を勝ち取るには、どのような対処方法を執れば良いのかが問題になる。以下では、不起訴処分を勝ち取る方法について、具体的に説明する。

(1)被害者に嘆願書を書いてもらう

不起訴処分を勝ち取るには、いくつかしなければならないことがある。もっとも効果的なのは、被害者に嘆願書を書いてもらうことである。嘆願書とは、「不起訴にしてください」「刑を軽くしてください」「寛大な処分をお願いします」などのお願いをしてもらう書類である。これを被害者に書いてもらって検察官に提出すれば、かなりの確率で不起訴処分にしてもらうことが出来る。

しかし、通常は被害者に嘆願書を書いてもらうことは難しいのではないかと思われるかも知れない。被害者に嘆願書を書いてもらうにはどのような手続をとればよいのだろうか。

被害者の被害感情を弱めて嘆願書などの書類を書いてもらうには、被害者と示談をすすめることが何より重要である。示談とは、弁償金や慰謝料などの損害賠償金を支払うなどして、民事的な問題を解決してしまうことである。示談をするには、家族が万引きで逮捕された場合には、すぐに被害者に連絡を入れて示談交渉を開始しなければならない。

被害者の連絡先がわからなければ、弁護士に手続を依頼して調べてもらうなどの方法を利用しよう。

そして、被害者の連絡先がわかったら、万引き犯人本人に謝罪文を書かせて、これを被害者に送ることが必要だ。その上で、家族がお御見舞の品などをもって謝罪に伺うべきである。その場で被害者に対して弁償金や慰謝料の支払を提案して、出来ればその場で示談書と嘆願書を書いてもらうことが良いだろう。

(2)示談だけでも成立させる

不起訴処分にしたい場合、できれば嘆願書を書いてもらうことができると良いが、被害者によっては、示談はしても良いが嘆願書までは書きたくないという人もいる。この場合には、示談だけでも成立させて、示談書を作成することが大切である。

検察官が不起訴処分にするかどうかを決定する場合、示談が出来ているかどうかということも大きな判断要素となるからである。

たとえ嘆願書がなくても、示談が成立していることが明らかになれば、不起訴処分にしてもらえる可能性はかなり高くなる。よって、被害者のところへ謝罪に行って示談の話し合いが出来た場合には、その場で嘆願書と示談書を書いてもらうこと、もし嘆願書が無理でも示談書だけでも作成してしまうことが重要だ。

(3)実際に示談金を支払った証拠を残す

示談を成立させた場合、当然のことであるが、示談金を実際に支払ったという証拠も大切である。振込にするならその振込証を検察官に提出する必要があるし、その場で現金にて支払いをしたなら、領収証を発行してもらおう。

これらの示談書や嘆願書、領収証などの書類は、示談の話し合いに行く際、こちらで用意していくべきである。その場では、被害者に負担をかけないため、被害者は署名押印だけすれば手続が出来るように書類をそろえて手はずを整えておこう。

このように、示談書や嘆願書を容易することが出来れば、万引きで不起訴処分を勝ち取ることが出来る可能性は非常に高くなる。

(4)示談が難しい場合

不起訴処分を勝ち取るには示談が出来ることが好ましいが、万引きの場合、被害感情(被害者の犯人に対する刑罰を与えて欲しいという感情)が非常に強いことがある。このような場合には、どれだけ誠意を示しても、示談に応じてもらえないことはある。

このような場合には、どうすれば不起訴処分を勝ち取ることが出来るのだろうか。

被害者が示談に応じてくれない場合には、ともかく事件を起こした犯人が心から強く反省していることを検察官にわかってもらうことが大切である。そして、家族がしっかりと監督するので、再度同じ過ちは起こらないということを説得的に説明する必要がある。まずは万引き犯に反省文を書かせて検察官に提出すること、家族が今後具体的にどのようにして本人を監督していくのかなどについても、きちんと計画を立てて説明することなどが重要だ。

このように、万引きの場合に不起訴処分にしてもらうには、家族がどれだけ監督できるかも重要なのである。万一の場合にそなえて、しっかりと頭に入れておこう。

6、起訴されてしまっても無罪になることはあるのか?

万引きで逮捕された場合に不起訴処分を勝ち取るための対処方法は理解出来たが、もし起訴されて刑事裁判にかけられてしまった場合には、無罪にしてもらえる可能性はあるのだろうか。

この問題については、残念ながら大変難しいということになる。通常万引きで逮捕されているということは、現行犯で逮捕されているということである。しかも、その後の捜査を重ねて証拠が十分だと判断されたからこそ起訴されているわけである。よって、万引きで起訴された場合に無罪になる可能性はほとんどないと言って良いだろう。

いったん起訴されたら無罪になる可能性は期待できないことからしても、起訴前に不起訴処分を勝ち取ることが重要になってくるのだ。

7、少年犯罪の場合は?

先ほどの不起訴処分にする方法は、成人が万引きをした場合の方法である。少年事件の場合にはどのような対処方法を執れば良いのだろうか。以下では少年審判を有利にすすめる方法を解説する。

(1)保護観察処分をとることが重要

少年事件の場合には不起訴処分がないので、基本的にすべての事件が家庭裁判所に送致される。家庭裁判所に送致された後には少年審判が開かれるが、ここで重要なのは、保護観察処分を勝ち取ることである。保護観察処分になればまた社会に戻って学校などに行くこともできるが、保護観察にならずに少年院送致になった場合には、数ヶ月~数年間少年院で過ごさなければならなくなるからである。少年審判では、保護観察処分を受けることが

極めて重要になる。

(2)保護観察処分を勝ち取る方法

少年事件の場合に保護観察をとるには、どのような対処法を執ればよいのだろうか。

この場合にも、基本的には成人の場合の不起訴処分を勝ち取る方法と共通している。本人がどれだけ反省しているかや、被害者がどれくらい被害感情を持っているかなどが重要になる。

よって、本人にしっかりと自分のしたことを自覚させて、反省させる必要がある。そして反省文なども書かせて裁判所に提出しよう。被害者との示談交渉をすすめたり、嘆願書を書いてもらう手続をすすめることも成人による万引きの場合と同じである。

そして、少年事件の場合には、家庭裁判所の調査官による調査が入る。少年審判の場合、調査官にどのような心証を持たれるかが非常に重要になってくる。そこで、調査官と面談をして、少年が心から反省していることや、今後は家族がしっかり監督するので再度同じような過ちを犯すおそれはないことなどを説得的に説明する必要がある。調査官や家庭裁判所は、家族による強力や監督を非常に重要視する。家族が非協力的な場合には、それだけで少年院送致を決めてしまうこともあるくらいである。子どもが万引きをして、その子どもを守りたい場合には、家族がいかに少年の監督や更正に積極的かをアピールする必要がある。大変重要な点なので、よく覚えておこう。

8、未成年の場合には家庭裁判所に送られる

万引きの場合の手続の流れは理解できたところであるが、上記の手続は成人の場合の手続である。万引き犯が少年(未成年)の場合には、上記とは手続の流れが異なってくる。未成年の場合も、現行犯で見つかって店主に警察を呼ばれ、逮捕勾留されて取り調べが行われるところまでは同じである。ただし、その後、未成年の場合には最終的に起訴されることはなく、家庭裁判所に送致されるのである。少年の場合には、刑事裁判にかけられることは原則としてない。家庭裁判所での少年審判を受けることになる。この場合には、少年は少年鑑別所にて身柄を拘束されることになる。大人のような警察の留置場とは異なる。

家庭裁判所に送られた後は、裁判所で少年審判が行われるが、審判において保護観察処分となれば、少年は釈放されて社会生活が出来る。これに対し、裁判所が少年院送致を相当と判断すれば、少年院に行かないといけなくなってしまう。少年院への送致は長い場合で2年程度である。

なお、少年の場合には、少年院に行ったとしても前科扱いにはならない。

9、再犯を防ぐことも重要

家族が万引きをして逮捕された場合の対処法は理解できたところであるが、たとえ送検前に釈放されたり、不起訴処分になって身柄を解放されたとしても、事件前と同じような生活をしていれば、また同じような万引きをしてしまうおそれがある。実際、万引き犯は非常に再犯率が高い犯罪なのだ。しかも、件数が重なると、取る方法が過激になったり、取る対象も高額になってくることもある。そして、万引きも、初犯の場合には許されることが多いが、回数がかさなって常習犯となると不起訴処分は難しくなって、裁判にかけられてしまうおそれも高まる。度重なると、執行猶予がつかずに実刑になって刑務所に行かなければならなくなるリスクも高まる。

よって、家族が万引きで逮捕された場合、その後の生活で再犯に及ばないようにしっかり監督することが非常に重要になる。

家族が再犯に及ばないようにするには、ともかく本人に自分がしたことをしっかり見つめ直させて心から反省させること、もしストレスなどが原因で万引きしている場合には、よく本人の話を聞いたりカウンセリングを受けるなどしてストレス原因を取り除くこと、また、本人が買い物に行かないようにしたり、家族が一緒に買い物に行くようにするなどの対処が有効だ。子どもが悪友と一緒になって万引きをしていた場合には、悪友との関わりを断たせることも重要である。

まとめ

今回は、家族が万引きで逮捕された場合にどのような手続きの進み方になるのかや、家族が早期に解放されるための対処方法について解説した。万引きが発見されても必ずしも逮捕されるとは限らないし、逮捕されたからと言って必ずしも裁判になるわけでもない。ただ、いったん起訴されてしまうと、ほとんど必ず有罪になってしまう。よって、被害者と示談交渉をすすめるなどして不起訴処分を勝ち取ることが非常になってくる。万引き犯が未成年の場合には、調査官への説得も重要だ。事件後は、再犯に及ばないように本人をしっかり監督しよう。

今回の記事を参考にして、もし家族が万引きに及んでしまった場合にも、適切な対応を取って家族を守ってほしい。

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