再婚禁止期間とは?現在の状況と今後の動向について

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最近、再婚禁止期間についてニュースで取り上げられることが増えている。

最高裁でも憲法違反だと判断されてきたが、いよいよ法改正に向けて議論が進んでいる。

そもそも再婚禁止期間とは、離婚してからすぐに次の結婚をすることができず、一定期間結婚が禁止されるその期間のことをいう。

今回は、この再婚禁止期間について、今後の動向も含めて説明したい。ご参考になれば幸いだ。

目次

1、再婚禁止期間とは?

2、再婚禁止期間に関する判例は?

3、再婚禁止期間が短くなる?

4、再婚禁止期間を守らないとどうなる?

5、再婚禁止期間に例外はある?

6、妊娠していない場合には即再婚が可能になる?

1、再婚禁止期間とは?

(1)再婚禁止期間とは?

再婚禁止期間とは、文字通り、再婚が禁止されている期間のことを言う。民法では、女性に

ついてのみ、離婚や死別、あるいは婚姻取消しから原則6ヶ月を経過しないと再婚できないと定められている。

(2)なぜ再婚禁止期間が定められている?

では、なぜ女性にだけ再婚禁止期間が定められているのだろうか。

一言で言うと、子供が生まれた際に「前の夫と後の夫のどちらの子なの?」という事態になることを事前に回避することをいう。つまり、女性が離婚してからすぐに結婚できることにすると、結婚してから1年以内に生まれた子供が前の夫の子供か現在の夫の子供か分からないという状況になる(ただ、あくまで民法が制定された100年以上前の時代の話で、現代ではDNA鑑定などによって判断は可能)。それを回避するために設けられたのが再婚禁止期間だ。

なお、生まれてきた子供の母親は、分娩の事実によって明らかであるので、母親が誰であるかという点は問題にならない。

2、再婚禁止期間に関する判例は?

「1、再婚禁止期間とは?」で説明したように、現在の民法では女性は離婚後6ヶ月を経過しなければ原則再婚することができないとされている。しかし、この規定が違憲(憲法違反)であると、昨年の12月16日、最高裁が判断した。

具体的には、「女性は離婚後6カ月間再婚できない」とする民法733条1項について、100日間を超える部分を違憲だと判断したのだ。

この事件は、岡山県内に住む30代女性が、平成23年に「再婚禁止期間があるため再婚が遅れ精神的苦痛を受けた」として国に約165万円の国家賠償を求めて提訴したものであった。結局、1審、2審、そして本判決いずれにおいても国家賠償は認められなかったものの、最高裁は、上記の通り、6ヶ月の再婚禁止期間中100日を超える部分については違憲であるとした。

3、再婚禁止期間が短くなる?

女性の再婚禁止期間の100日超部分を憲法違反とした最高裁判決を受け、法務省は民法改正案をまとめた。

現行民法では女性の再婚禁止期間は「6ヶ月」とされているが、これを100日に改めることとなった。政府は3月にこの改正案を国会に提出し、6月1日までの今国会で成立を図る予定だ。

この法案が可決されれば、再婚禁止期間は現在の6ヶ月(約180日)から100日へと大幅に短くなることになる。

なお、違憲判決が出た当日に、法務省は、離婚後100日を経過した女性についての婚姻届を受理するよう、全国の自治体に通知を出している。

4、再婚禁止期間を守らないとどうなる?

では、仮に再婚禁止期間を守らなった場合はどうなるのだろうか。再婚禁止期間を守らないと、前述の通り法律上「生まれてきた子供が、「現在の夫の子なのか、それとも前の夫の子なのか」分からない、という状況が発生してしまう。

5、再婚禁止期間に例外はある?

繰り返しになるが、再婚禁止期間は、父性が重複することで父子関係をめぐる紛争を未然に防ぐために定められている。裏を返せば、子供の父親が前の夫と現在の夫のいずれであるかがはっきり確定するのであれば、再婚禁止期間を気にすることなく再婚することができるのである。具体的には、以下のような場合だ。

  • 離婚する前から妊娠していた子を出産した場合
  • 前婚の夫と再婚する場合
  • 夫の生死が3年以上不明であることを理由に離婚判決を受けた場合
  • 夫の失踪宣告により婚姻が解消した場合
  • 離婚後女性が優生保護法に基づく優生手術を受けた旨の医師の証明書を提出した場合
  • 女性が受胎能力のない年齢(67歳以上とされている)に達している場合

6、妊娠していない場合には即再婚が可能になる?

3、再婚禁止期間が短くなる?」で説明した、法務省の民法改正案の内容は、再婚禁止期間を6ヶ月から100日に短縮することだけでなく、再婚禁止期間の例外規定も大幅に見直し、医師の証明によって離婚時に妊娠していないことが判明すれば直ちに再婚することを認めることとしている。

そのため、今回の法改正によって、離婚時に妊娠していない女性については離婚後すぐに再婚することができるようになる。

まとめ

今回は再婚禁止期間について説明してきたがいかがだっただろうか。長年この再婚禁止期間については合理性がなく憲法違反だと言われてきたが、昨年の最高裁判決を機にやっとのことで民法が改正されることとなった。今国会での法改正の動向に注目したいところである。

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