性犯罪とはどのような犯罪?性犯罪の種類について

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性犯罪と一言で言っても、その種類は様々です。

よくニュースなどで、「強姦罪」や「強制わいせつ罪」などが報道されています。

しかし、性犯罪はそれらには限られません。

今回は、性犯罪の種類を紹介した上でそれぞれの犯罪がどのような犯罪でどのような特徴があるのかについて説明していきます。

性犯罪に関して知りたい方のご参考になれば幸いです。

目次

1.強姦罪・準強姦罪

(1)強姦罪・準強姦罪とはどのような犯罪?

強姦罪とは、13歳以上の女子に対して暴行(例えば、殴る蹴るといった行為)や脅迫行為を行って姦淫(性行為)を行う、または13歳未満の女子に対して姦淫行為を行うことにより成立する犯罪のことを言います。

13歳未満の女子が相手の場合には手段を問わず姦淫に至れば強姦罪が成立します。
また、たとえ同意があっても強姦罪が成立します。

他方、準強姦罪とは、人の心神喪失(精神的な障害が原因で正常な判断力を失った状態)、抗拒不能(心理的または物理的に抵抗ができない状態)に乗じ、または心神を喪失させ、もしくは抗拒不能にさせて姦淫を行うことにより成立する犯罪のことです。

例えば、泥酔状態で判断能力を失った女性を姦淫する場合です。

(2)法定刑はどれくらい?

強姦罪・準強姦罪の法定刑は、3年以上20年以下の有期懲役です。
そして、3年を超える懲役刑の場合には執行猶予はつかないため、実刑となる可能性が非常に高いです。

また、強姦罪・準強姦罪の法定刑には罰金がないため、起訴された場合には、必ず公開の法廷で刑事裁判が行われることとなります。

(3)強姦罪・準強姦罪の特徴

特に強姦罪で争点になりやすいのが被害女性の同意の有無と暴行・脅迫の有無です。

当初は男女双方の合意の上での性交渉であったにもかかわらず、後日男女間の仲がもつれた結果女性がその腹いせに告訴をしたり、はたまた悪質な女性が示談金目当てに告訴をするという場合があります。

また、「強姦罪」と「準強姦罪」は「親告罪」です。
「親告罪」に関しては、簡単に言えば、「告訴(犯人の処罰を求めること)」をしなければ起訴されない犯罪です。

被害者の名誉の保護ために親告罪とされています。

2.強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪

(1)強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪とはどのような犯罪?

強制わいせつ罪とは、13歳以上の男女に対して「暴行」や「脅迫」を行って淫らな行為を行うことや、13歳未満の男女に対して淫らな行為を行うことにより成立する犯罪です。

例えば、「陰部」や「臀部」に接触する行為や口づけをする行為が「強制わいせつ罪」に該当します。

他方、「準強制わいせつ罪」とは、「人の心神喪失」や「抗拒不能に乗じ」、または「心神を喪失」、もしくは「抗拒不能」にして淫らな行為を行うことにより成立する犯罪のことを言います。

例えば、泥酔状態で判断能力を失った女性に対するわいせつ行為です。

(2)法定刑はどれくらい?

強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪の法定刑は、6ヶ月以上10年以下の有期懲役です。

「強制わいせつ罪」と「準強制わいせつ罪」の法定刑に「罰金」が存在しないので、起訴された場合、必ず公開の法廷で刑事裁判が行われます。

(3)強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪の特徴

「強制わいせつ罪」にあたるケースでは、いわゆる「痴漢」が該当します。
痴漢は、強制わいせつ罪になる場合と後述の迷惑防止条例違反になる場合があります。

両者の区別は、行為の態様の悪質性にあります。

もう少し詳しく言えば、「強制わいせつ罪」になるか「迷惑防止条例違反」に該当するかは「被害者自身が恥ずかしいと思う身体の部位を衣服を介さずに直接触ったか否か」で区別されます。

また、強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪は、強姦罪・準強姦罪同様、親告罪です。

3.集団強姦罪

(1)集団強姦罪とはどのような犯罪?

「1.強姦罪・準強姦罪」で説明した強姦罪を、複数の人間が共同して犯した場合を集団強姦罪と言います。

(2)法定刑はどれくらい?

集団強姦罪の法定刑は、4年以上20年以下の有期懲役です。
量刑に関しては、基本的に「強姦罪」よりも重く、刑の減軽が行われない限りは「実刑判決」を受けます。

(3)集団強姦罪の特徴

複数人が実際に姦淫する必要はなく、姦淫することについて意思を通じた者が一人でも姦淫に至れば集団強姦罪が成立します。

集団強姦罪は、強姦罪・準強姦罪とは異なり、親告罪ではありません。
そのため、被害者の告訴の有無は関係なく起訴されます。

4.強姦致死傷罪・強制わいせつ致死傷罪

(1)強姦致死傷罪・強制わいせつ致死傷罪とはどのような犯罪?

強姦致死傷罪に関しては、「強姦」か「準強姦」を行い、被害者に「死傷」が生じた場合に成立する犯罪です。

他方、強制わいせつ致死傷罪に関しては、「強制わいせつ行為・準強制わいせつ行為」を行って、被害者に「死傷」が生じた場合に成立する犯罪です。

(2)法定刑はどれくらい?

「強姦致死傷罪」の法定刑に関しては、「無期または5年以上の懲役」です。
他方、「強制わいせつ致死傷罪」の法定刑に関しては、「無期または3年以上の懲役」です。

(3)強姦致死傷罪・強制わいせつ致死傷罪の特徴

強姦行為・強制わいせつ行為が未遂に終わっても、被害者に致死傷の結果が発生すればそれぞれ強姦致死傷罪・強制わいせつ致死傷罪が成立します。

強姦致死傷罪・強制わいせつ致死傷罪いずれも親告罪ではありません。
そのため、被害者の告訴の有無は関係なく起訴されます。

5.わいせつ目的略取・誘拐罪

(1)わいせつ目的略取・誘拐罪とはどのような犯罪?

わいせつ目的略取・誘拐罪とは、わいせつ行為をするまたはさせる目的を持って、略取(暴行や脅迫を用いる場合)または誘拐(騙したり誘惑したりする場合)して、被害者を犯人または第三者の支配下に置くことで成立する犯罪のことを言います。

(2)法定刑はどれくらい?

「わいせつ目的略」や「誘拐罪」の法定刑は、「1年以上10年以下の有期懲役」です。

(3)わいせつ目的略取・誘拐罪の特徴

わいせつ目的略取・誘拐罪は、親告罪です。

なお、略取行為・誘拐行為自体は性犯罪ではないですが、わいせつ目的が加わった場合には、性犯罪に分類されることになります。

6.公然わいせつ罪

(1)公然わいせつ罪とはどのような犯罪?

公然わいせつ罪とは、文字通り、「公然」とわいせつな行為をすることによって成立する犯罪のことを言います。

「公然」に関しては、判例を参考にすると、「不特定または多数人が認識し得る状態」のことです。

そしてこの定義に照らせば、対象者が不特定であれば少数であっても「公然」と言えますし、対象者が特定されていても多数人であれば「公然」と言えることになります。

難しく聞こえるかもしれませんが、要するに、「公然」とは、人目につく場所を言うので、公共の場やインターネットなどのメディア上はもちろんのこと、個人の家であっても周りから丸見えである場合には「公然」と言えます。

(2)法定刑はどれくらい?

「公然わいせつ罪」の法定刑に関しては、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留(1日以上30日未満の間、刑事施設に身柄を拘束される刑)もしくは科料(徴収される金額が1,000円以上1万円未満の場合)です。

なお、「公然わいせつ罪」に関しては、特定の被害者が存在しないので、刑罰は比較的軽いです。

(3)公然わいせつ罪の特徴

公然わいせつ罪は、性犯罪に位置づけられますが、前述した強姦罪や強制わいせつ罪と違って親告罪ではありません。

これは、公然わいせつ罪には特定の被害者がいないので、被害者の名誉を保護しようした親告罪の考え方が妥当しないためです。

また、公然わいせつ罪は法定刑に罰金刑が定められているため、正式な裁判を開かずに書面審理により刑を言い渡す略式手続きになることもあります。

7.わいせつ物頒布等罪

(1)わいせつ物頒布等罪とはどのような犯罪?

わいせつ物頒布等罪とは、刑法には行為態様が事細かに規定されていますが、簡単に言えば、卑猥な内容が記載された「文章や画像」を「頒布」・「販売」・「公然」と展示することによって成立する犯罪です。

裏ビデオや裏DVDの販売が「わいせつ物頒布等罪」の典型例です。

(2)法定刑はどれくらい?

「わいせつ物頒布等罪」の法定刑に関しては、「2年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金」か「科料または懲役及び罰金の併科」です。

この規定の仕方からもお分かりのように、わいせつ物頒布等罪の場合には、懲役刑と罰金刑が場合によっては併科、すなわち両方科されることがあります。

(3)わいせつ物頒布等罪の特徴

「わいせつ物頒布等罪」に関しては、わいせつ物の交付を受ける側に関しては原則、犯罪は成立しません。
この点で、収賄罪・贈賄罪の関係とは異なります。

8.痴漢などの迷惑防止条例違反

(1)迷惑防止条例違反とはどのような犯罪?

迷惑防止条例は各都道府県が定めています。

性犯罪における迷惑防止条例違反の典型は、痴漢です。
その他にも、公共の場所での盗撮やのぞき行為は迷惑防止条例違反になります。

ただし、痴漢の場合、「2.強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪」でも説明したように、強制わいせつ罪になるケースもあります。

(2)法定刑はどれくらい?

迷惑防止条例に関しては、「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」になります。
都道府県によりますが、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」になります。

(3)迷惑防止条例違反の特徴

(1)でも少し触れましたが、痴漢の場合、強制わいせつ罪になる場合と迷惑防止条例違反になる場合があります。

両者の区別は、前述のように、被害者が恥ずかしいと思われる身体の部位を衣服を介さずに直接触ったか否かです。

また、迷惑防止条例違反は、強制わいせつ罪とは異なり、親告罪ではありません。

9.軽犯罪法違反

(1)軽犯罪法違反とはどのような犯罪?

性犯罪における軽犯罪法違反の典型は、他人の家など公共の場所とはいえないところでの盗撮やのぞき行為です。

(2)法定刑はどれくらい?

軽犯罪法の法定刑は、拘留または科料になります。

(3)軽犯罪法違反の特徴

軽犯罪法違反は比較的軽微な犯罪であるため、起訴されても場合によっては刑が免除されることがあります。

また、軽犯罪法違反は、迷惑防止条例違反と同様、親告罪ではありません。

性犯罪の種類に関するまとめ

今回は性犯罪について詳しくご説明いたしました。
皆様のご参考になれば幸いです。

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