詐欺罪で逮捕された場合に知っておきたい4つのこと

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
shutterstock_384055675

自分は犯罪とは無関係だと思われている方が大半だろう。しかし、いつ自分が犯罪者になるか分からない。例えば、詐欺である。オペレーターの仕事の割には割がいいと思って請負ってみたら、実は振り込め詐欺の電話の仕事だったりすることもあり得る(もっとも、このように犯罪をする意図がない場合は必ずしも逮捕されるとは限らない)。また、犯罪などしたくなくても経済的事情などで過ちを犯してしまうこともあるだろう。

もし、自分が詐欺に関与して逮捕されてしまったら、はたまた家族や知人が詐欺で逮捕されてしまったらどのように対応したらよいだろう。

今回は詐欺罪で逮捕されてしまった場合に知っておきたい事柄について説明したい。ご参考になれば幸いだ。

目次

1、詐欺罪とはどのような犯罪?

2、詐欺罪で逮捕されてからの流れ

3、詐欺罪で逮捕された場合に釈放される場合とは?

4、詐欺罪の保釈金の相場は?

1、詐欺罪とはどのような犯罪?

そもそも詐欺罪とはどのような犯罪だろうか?

(1)詐欺罪は重大犯罪?

詐欺罪の法定刑は懲役10年以下であり、窃盗罪の法定刑(10年以下の懲役または50万円以下の罰金)とは異なって罰金刑がない。つまり、起訴されれば必ず正式な裁判になる。そして、詐欺罪で起訴されて実刑判決(執行猶予が付かない判決)が出れば必ず刑務所に服役することになる。

この点で、詐欺罪は重大犯罪と言える。

(2)典型的な詐欺行為とは?

典型的な詐欺行為としては、以下のものがある。

  • 振り込め詐欺・オレオレ詐欺
  • 保険金詐欺
  • 結婚詐欺
  • 無銭飲食
  • 無賃乗車(いわゆるキセル)
  • 募金詐欺
  • フィッシング詐欺
  • オークション詐欺

など

(3)具体的に詐欺罪が成立する場合とは?

詐欺罪が成立するには、以下の4つの要件を満たし、かつそれらが関連している(因果関係で結ばれている)ことが必要になる。

①欺罔行為

欺罔行為とは、事実や評価について人の判断に誤りを生じさせる行為を言う。

例えば、オレオレの詐欺の場合では、「会社のお金を使いこんで今日中に100万円返さないと会社をクビになってしまう」という息子を装った親への電話がこの欺罔行為にあたる。

②被害者が錯誤に陥る

①の欺罔行為によって告知された内容を真実だと勘違いすることが必要になる。

前述の例に即して言えば、息子を装った親への電話によって息子からの電話だと勘違いすることが、被害者が錯誤に陥るということである。

なお、欺罔行為の途中で被害者が虚偽であることに気付いた場合には、詐欺罪は未遂に止まる。

③被害者が財物を交付する

そして、勘違いした被害者が犯人に対して、財物(例えば、お金や物)を交付することが必要になる。

前述の例に即して言えば、犯人にお金を振り込んでしまうことが、被害者が財物を交付するということである。

なお、被害者が相手の欺罔行為に気づいたにもかかわらず財物を交付した場合には、詐欺罪は未遂に止まる。

④財物が移転する

実際に被害者が犯人に対して財物を交付することが必要になる。

前述の例に即して言えば、親が犯人の指定する口座に送金することで親のお金が犯人の口座に移動した、すなわち財物が移転したということになる。

2、詐欺罪で逮捕されてからの流れ

次は逮捕されてしまった場合の流れについてみていきたい。

(1)逮捕されるとどうなる?

詐欺罪での逮捕に限らず、逮捕された場合には、逮捕された時点から最大で72時間、警察署の留置場にいることになる。そして、身柄を拘束されている間は警察による取り調べを受ける。

逮捕後は、48時間以内に、事件が警察官から検察官に送られる。そして、そこから24時間以内に、検察官が、被疑者を引き続き身体拘束するのか、それとも釈放するのかを決めることになる。

なお、逮捕されている間は、法律上、身体拘束に対する異議申立てをすることができない。

(2)勾留されるとどうなる?

検察官が被疑者を引き続き身体拘束すると決めた場合、検察官は裁判官に対して勾留請求をする。勾留請求が認められれば、被疑者は10日間引き続き留置場にいることになる。

そして、検察官が勾留延長の請求をしてこれが認められれば、さらに10日間留置場にいることになる。

つまり、逮捕された場合には、逮捕・勾留により、最大で23日間も留置場にいることになる。

(3)起訴されるとどうなる?

勾留期間が終わると、検察官が被疑者を起訴するか、それとも不起訴にするかを決めることになる。

起訴された場合には、裁判所で裁判が始まることになるため、裁判が終わるまでは警察の留置場や拘置所にいることになる。もし、裁判が1回で終わる事件であれば、少なくとも約1カ月は身体拘束が続くことになり、裁判が4~5回続く場合であれば、半年以上身体拘束が続く場合もあり得る。

3、詐欺罪で逮捕された場合に釈放される場合とは?

詐欺罪で逮捕されてしまっても、以下の場合には釈放される。釈放されるために重要なポイントの一つが被害者と示談が成立しているか、という点である。示談とは、お金等を支払うことを条件に、告訴(被害届)を取り下げたり、「被害者の処罰を望まない」旨記載された示談書に被害者が署名・押印することをいいます。

示談が成立していると、釈放されやすくなるだけでなく、不起訴になる可能性も高くなります。なお、示談金の相場は被害額+30万円ほどです。

(1)検察官が勾留請求しない

2、詐欺罪で逮捕されてからの流れ」で説明したように、逮捕された後、検察官が被疑者を引き続き身体拘束すると決めた場合には、検察官は裁判官に対して勾留請求をすることになる。

そのため、検察官が勾留請求をしなければ釈放されるのである。ただし、詐欺事件のように関係者が複数いる事件では、検察官は基本的に勾留請求をしてくるので、この段階で釈放されることは基本的に難しい。

(2)勾留決定を取り消す

仮に検察官の勾留請求に対して勾留決定がされた場合でも、不服申立てを行い、当該勾留決定が違法であると主張して勾留決定を取り消してもらうという方法がある。この方法を「準抗告」と言う。この準抗告は、勾留すべき理由がないのに勾留決定したことに対して、勾留決定をした裁判官以外の裁判官に対して勾留の当否を判断してもらう手続きである。

ただし、勾留決定が取り消されることは基本的には難しいのが現状である。

4、詐欺罪の保釈金の相場は?

保釈金の相場は、一般的には150万円から200万円前後と言われている(なお、保釈とは、被告人が保釈金を支払うことを条件に身柄拘束の状態から開放されることをいう)。

詐欺事件の場合には保釈金の金額は多少幅があるのも事実である。例えば、規模が小さい単発の詐欺事件であれば、150万円程度で済むことがある。他方で、振り込め詐欺やオレオレ詐欺といった組織的な詐欺事件の場合には、500万円前後と高額になることがある。

また、保釈金の金額は被告人の経済力も踏まえて決定されるので、上記の金額はあくまで目安であることに注意して欲しい。

ただし、保釈金は事件ごとに別途必要になるので注意したい。つまり、複数の詐欺事件で起訴されている場合には、その事件ごとに保釈金を用意する必要がある。

まとめ

今回は詐欺罪で逮捕された場合に知っておきたい事柄について説明してきたがいかがだっただろうか。今回の話が読者の方の参考になれば幸いだ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

Twitter・RSSでもご購読できます。