借金返済が苦しくなり債務整理を考えているけど「クレジットカードは今後作れなくなるの?」「今のクレジットカードは停止になるの?」「新規でカードローンはできないの?」など疑問に思うことが多くあると思います。
そこで今回は、債務整理とクレジットカードの関係を、わかりやすく解説します。
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目次
1.債務整理をするとクレジットカードを作れなくなる?
結論からお伝えすると債務整理をするとクレジットカードは作れなくなります。
債務整理には、任意整理や特定調停、個人再生、自己破産の4種類がありますが、この内のどの手続きをとってもクレジットカードは発行できなくなります。
ただ、債務整理の中でも過払い金請求をする場合のみ取扱いが違いクレジットカードが作れない状態(いわゆるブラック状態)にはなりません。
過払い金請求をしたときにブラック状態にならないのは、単純に過払い金請求をしただけで終わったケースです。
複数の借入があり「一部は過払い、一部は任意整理で解決して支払いが残った」というケースでは、やはりブラック状態になりクレジットカードの利用はできなくなります。
以上のように一般的な債務整理をする場合、まずは手続き後にクレジットカードが使えなくなることを覚悟しておかなければなりません。
2.債務整理でクレジットカードを作れなくなる理由
それでは、債務整理をするとどうしてクレジットカードを作れなくなるのでしょうか?
その理由を確認しましょう。
これは、債務整理をすると個人信用情報に事故情報が登録されてしまうからです。
個人の借金の利用状況に関する情報である個人信用情報は、3つの指定信用情報機関において管理されています。
そして、クレジットカード会社や信販会社、サラ金などの貸金業者や銀行・信用金庫などの金融機関はどこかの信用情報機関に加盟しています。
カード利用希望者がカード発行の申請をすると、カード会社は自社が加盟する信用情報機関に情報を参照して申込人の信用情報を調べます。
個人信用情報にはその人の借金の申込履歴、借り入れ履歴、入金や滞納に関する情報などが載っているので、それを見るとその人がどのくらい信用に足りる人かが判断できるのです。
そして、債務整理をするとこの個人信用情報に「事故情報」(ネガティブ情報とも言います)が登録されます。
すると、クレジットカード会社がカード発行の審査をする際に個人信用情報を確認し債務整理による事故情報を見られてしまうことになります。
3.どこのカード会社でもカードを作れないのか?
次に、どのカード会社でもクレジットカードを発行することができないのか見てみましょう。
たとえば、銀行系のクレジットカード会社などでは「総量規制が及ばないから、審査が緩い」という宣伝をしているものがあります。
つまり、現在、ローンやクレジットカードを利用する場合、年収の3分の1を超える借り入れをすることができないことになっており、それを超える借金をしようとしても、審査に通りません。
このことを「借金の総量規制」と言います。
ところが、銀行には総量規制が及ばないために、銀行発行のクレジットカードは総量規制を超えても発行できるのです。
このように、総量規制が及ばないクレジットカードであっても、債務整理によってブラック状態になっているとやはり審査に通ることはできません。
そこで、債務整理をするとどのようなクレジットカードを発行することもできません。
ただ、発行することができないのはポストペイのクレジットカードのみであり、同時払いのデビットカードや前払い方式のプリペイドカードなら利用できます。
4.債務整理後クレジットカードを作れない期間
次に、債務整理後にクレジットカードを作れない期間について確認しましょう。
債務整理によって個人信用情報に事故情報が登録されても、一生消えないわけではありません。
事故情報の登録後、一定期間が経てば情報は消去されます。
ただ、事故情報が消されるまでの期間は、利用する債務整理の種類と対象の信用情報機関によって異なります。
まず、任意整理や特定調停をした際には、手続き後5年~7年程度で事故情報が消去されます。
これに対し、個人再生や自己破産をした際には(信用情報機関がJICCやCICの場合には)手続き後5年~7年程度で事故情報が消去されますが、全銀協(KSC、全国銀行個人信用情報センター)の場合には10年間事故情報が登録され続けます。
クレジットカード会社や信販会社の場合、多くはCICに加盟しているため、主にCICでの記録保存期間に注意すると良いでしょう。
そうなると、債務整理後5年~7年程度が経過するとクレジットカードを発行できる可能性が出てくることになります。
5.今持っているカードを止められるのか?
債務整理をするとき、今使っているカードがどうなるのかも問題です。
(1)個人再生、自己破産の場合には必ず止められる
まず、個人再生や自己破産の場合には、すべての借金を対象にしなければならないので今クレジットカードやカードローンの借り入れ利用をしている場合、それらの借金もすべて対象にしなければなりません。
そうなると、当然カードは強制解約になりますしその後5年~7年程度は新たにカードを発行することができなくなります。
(2)任意整理、特定調停ならすぐには止められないことも
これに対し、任意整理や特定調停の場合にはすべての借金を対象にする必要がありません。
そこで、今使っている一部のカードを手元に残し、それ以外を債務整理することによってカードを使い続けることができないのかと考えることがあります。
まず、一部のカードを債務整理の対象にしなかった場合、債務整理によってそのカードがすぐに止められることはありません。
そこで、しばらくの間はカードを使い続けることが可能な場合もあります。
(3)カードの与信審査、更新の際に止められる
しかし、クレジットカード会社はたびたびカード利用者の「与信審査」を行っています。
与信審査とは、利用者の信用状況をチェックすることです。
いったんカードを発行しても、その後信用状況が悪化することもあるので定期的や不定期的にチェックすることで、不良顧客の発生を防いでいるのです。
与信審査のとき、クレジットカード会社は利用者の個人信用情報を見ます。
すると、債務整理による事故情報が登録されているため、債務整理をしていることが判明してカードを止められてしまいます。
また、クレジットカードは通常4年に1回の更新があります。
カード更新の際にも同じように利用者の個人信用情報をチェックされるため、やはり事故情報を知られてカードを止められてしまいます。
このように、債務整理の対象にせずにカードを手元に残したつもりでも、いずれはカードの利用を止められることになるので覚えておきましょう。
6.カードローンはどうなるの?
債務整理で一部のカードを対象にしない場合、クレジットカードを残せないとしてもカードローンがどうなるのかが問題です。
これについても、クレジットカードとほとんど同じことが言えます。
対象にしない以上、すぐに止められることはありませんがいずれかのタイミングで借り入れはできなくなります。
カードローンにも更新があるので、最長でも更新月には利用ができなくなります。
カードを止められても借金がなくなるわけではないので、その時点で「返済しかできないカード」になってしまいます。
以上のとおり、債務整理をしたらクレジットカードやカードローンを利用することはできなくなります。
債務整理をするとき、このブラック状態を恐れて躊躇することがあります。
しかし、債務整理後一定期間が経過すると再度カードを発行してもらうことができますし、利用することも可能です。
また、借金返済を滞納したら個人信用情報に延滞情報が登録されるため、結局ブラック状態になって借金ができなくなります。
延滞状態は延滞を解消しない限り消えないので、借金を返済しない限り一生ブラック状態が続きカードの発行ができないままになってしまいます。
そうであれば、早めに債務整理をして5年間のブラック状態を我慢した方が良いです。
まとめ
また、ブラック状態でもデビットカードやプリペイドカードは利用できるので、これらを上手に利用するとクレジットカードなしでも便利に生活出来ます。
借金返済が苦しいならブラック状態になることをおそれず、早めに債務整理をしましょう。