過払い金返還請求するにあたって過払い金の計算をしてみたいけどどのようにしたらいいのだろう・・・
この記事をお読みの方にはそのようにお考えの方もいらっしゃるでしょうか。
インターネットやテレビCM、さらには電車のつり革広告などで、過払い金に関する広告を目にする機会は多いのでしょう。
もし、貸金業者から長い期間借り入れをしてきた場合には、いわゆる「過払い金」が発生している可能性が高いといえます。
今回は、実際にExcelの計算ソフトを使って、過払い金の計算をするための手順についてご説明いたします。
過払い金計算について関心がある方のご参考になれば幸いです。
目次
1.過払い金を自分で計算するために用意すべきものは?
ご自身で過払い金を計算する場合には、
- 取引履歴
- Excelが使えるパソコン
- 過払い金計算ソフト
が必要です。
取引履歴は、「取引履歴開示請求書」を作成して貸金業者に送付しましょう。
なお、取引履歴の請求書は下記よりダウンロードできるようにしたので、ご利用頂きたいと思います。
2.実際に過払い金を計算する流れは?
では、「1.過払い金を自分で計算するために用意すべきものは?」で述べたものが全て揃ったら、以下の手順に従って実際に過払い金を計算してみましょう。
なお、今回は、過払い金計算ソフトはこちらで用意したので、ぜひ計算に使って頂きたいと思います。
(1)まずは、取引履歴の中身を確認
最初に、取引履歴の内容を確認してからデータを入力しましょう。
(2)取引(借入れまたは返済)があった日付の入力
最初は、「B列」に日付を打ち込みましょう。
入力にあたっては、西暦で入力する必要があります。
例えば、平成11年4月25日の場合には、「99/4/25」と入力することになります。
なお、入力にあたっては、西暦の下2桁の入力で足りるため、「1999/4/25」と入力せず、上記のように、「99/4/25」と入力すれば済みます。
(3)当該取引日の取引金額(借入れ金額または返済金額)の入力
「C列」には借り入れた金額を打ち込みます。
「D列」には返済した金額を打ち込みます。。
(4)当該取引日の時点での利率(法定利息)の入力
法定利息は借入残高によって決まります。
詳細は下記です。
- 借入残高が10万円未満 20%
- 借入残高が10万円以上100万円未満 18%
- 借入残高が100万円以上 15%
なお、一度利息が下がった時はそのまま維持されます。
(5)最後の取引まで、(1)から(4)の流れで入力を繰り返す
一番古い取引日から(1)から(4)を繰り返して入力する。
(6)入力が終わったら?
最後まで入力が終わって、残元金がマイナスかどうかを確認しましょう。
マイナス(数字の色が赤色)になっている場合、過払い金が発生しています。
上記に、「残元金」と「過払利息残額」を含んだものがあなたの過払い金額です。
なお、実際に過払い金を貸金業者に請求する際には、B3の「債務者」、B4の「会員番号」、B5の「貸金業者」、H5「作成者」の入力もしておきましょう。
3.自分で過払い金を請求する方法は?
過払い金請求は自身で行う女とが可能です。
具体的には、以下の手順に従って請求することになります。
(1)まずは、取引履歴を取得しよう
まずは、取引履歴を取得するために取引履歴請求書を作成して貸金業者に送ります。
(2)引き直し計算をする
次は、過払い金の計算をします。
一般的には、これを「引き直し計算」といいます。
そして、引き直し計算をするにあたっては、「1.過払い金を自分で計算するために用意すべきものは?」で述べたように、
- 取引履歴
- Excelが使えるパソコン
- 過払い金計算ソフト
が必要となります。具体的な計算方法は「2.実際に過払い金を計算する流れは?」で記載した通りです。
(3)実際に貸金業者へ請求する
「(2)引き直し計算をする」を行って、過払い金があることが分かったら、その金銭の支払いを求めて貸金業者へ過払い金請求書を送ります。
(4)貸金業者と電話等で交渉する
基本的に、和解交渉は電話で行います。
ほとんどの貸金業者は、実際の過払い金額よりも低い額で和解を求めてくる可能性が高いです。
ですので、正当な権利を行使するための対応をしましょう。
自身がよしとする金額であれば、和解成立となって過払い金が入金されます。
(5)交渉が決裂したら訴訟で回収
もし、納得がいく金額でなければ、過払い金返還請求訴訟を提起することが可能です。
訴訟自体は、訴状その他必要書類と所定の収入印紙と郵便切手を裁判所に提出することで始まります。
訴訟になれば、最終的に判決をもらって解決することになりますが、訴訟と併行して交渉を行い、場合によっては途中で和解に至ることもあります。
上記が解決したら、貸金業者から過払い金が入金されます。
- 交通事故
- 過払い
- 離婚問題
- 刑事事件
- 企業法務
- 遺産相続
- 労働問題
- B型肝炎
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4.過払い金の計算と請求を弁護士に依頼するメリット・デメリット
ここまでお読み頂き、「自分で請求手続きを行うのは面倒だから弁護士に依頼しよう」と考えている方もいらっしゃいますよね。
依頼するか否かご判断頂くにあたって参考になるよう、弁護士に依頼するメリットとデメリットについて記載していきたいと思います。
(1)弁護士に依頼するメリット
①全てを任せることで時間と手間が省ける
本当に取引履歴を請求して、引き直し計算を行い、それをもとに貸金業者に請求して、実際に過払い金を獲得する作業には、多大な時間と手間がかかることになります。
ですので、弁護士に依頼すると、基本的な交渉や書類などを全て代行してもらえます。
②家族に知られずにすむ
自身でやり取りをする場合は、基本的に電話と書類でのやり取りになります。
ですので、書類等が自宅に郵送されてしまいます。
郵送されてきた書類が家族の目に触れてしまい、借金をしていたことが家族に知られてしまう場合もあります。
しかし、そのような不安も弁護士に依頼することによって解消されます。
弁護士が全ての窓口になるので、本人に直接連絡がこなくなります。
そのため、弁護士に依頼した場合には、家族に知られずにすむのです。
③より高額の過払い金が期待できたり、早期解決が望める
もちろん、過払い金返還請求は弁護士に依頼せず、個人で行うことも可能です。
ですが、その場合だと貸金業者は実際よりも低い金額を提示してくることが多いです。
さらに、「交渉」や「支払期限」を後回しにされることもあります。
ですので、弁護士に代行してもらうと、こちらにとって有利な結果を得る可能性が高いです。
(2)弁護士に依頼するデメリット
弁護士に依頼する場合、金銭が必要です。
下記にて、必要な金銭をご紹介いたします。
①相談料
相談料は、30分5000円(税抜)が相場です。
しかし、過払い金請求に関しては現在多くの弁護士事務所では無料で対応しています。
②着手金
着手金が、各業者ごと金銭が必要です。
約1社ごと4万円です。
③基本報酬
着手金が必要ない事務所の場合でも、基本報酬は各1社ごとに金銭が必要です。
約4万円が相場です。
※着手金と基本報酬はどちらか一方が必要です。
④成功報酬
過払い金を獲得した時の金額に応じて必要になる金銭です。
裁判を行わずに獲得した場合は、獲得した金額の約20%が相場です。
裁判を行なって獲得した場合は、獲得した金額の約25%が相場です。
⑤減額報酬
減額に成功した場合、減額した金額によって必要になる金銭です。
減額に成功した金額の約10%です。
5.過払い金の計算方法まとめ
今回は、過払い金の計算の手順について説明してきたがいかがだったでしょうか。
今回の話が、実際に過払い金の計算をしたいとお考えの方のご参考になれば幸いです。