夫から離婚を切り出された妻が知っておきたい実践的対処法

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何気なく結婚生活を送っている中、突然夫から「離婚して欲しい」と言われてしまいました。

このような場合、妻はどのように対応したら良いのでしょうか。

おそらく、いきなりのことで動揺や混乱から真意とは異なった対応をしてしまうこともあるのではないでしょうか。

今回は、夫から離婚を切り出された場合に、妻としてはどのように対応すべきかについてご説明していきます。

ご参考にしていただければ幸いです。

※この記事は2017年5月24日に加筆・修正しました。

1.夫から離婚を切り出された場合、妻は要求を受け入れなくてはならない?

(1)離婚が認められる場合

基本的に、両者の合意があれば離婚は成立します。
ですので、片方が合意を拒絶した場合は家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります。

(2)夫の要求に妻は応じる必要があるか?

では、夫から離婚を切り出された場合、妻は離婚に応じる必要があるのでしょうか。
民法上の離婚原因によって結論が変わります。

離婚原因とは、

  1. 配偶者に不貞行為があった
  2. 配偶者に悪意で遺棄された
  3. 配偶者の生死が3年以上不明
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがない
  5. 婚姻を継続しがたい重大な事由

これら5つの内、「5.」だけは抽象的な規定ではあるものの「5.」にあたるか否かについてもある程度予測することは可能です。

例えば、長期間別々に暮らしていたりDVやモラハラなどが該当し得ます。
夫から離婚話をされても妻が拒否したとして、妻の方に民法所定の離婚原因がある場合には離婚が適用されます。

それでも、妻が応じない場合は裁判を起こす必要があります。

2.まずは、復縁を試みよう!

夫から離婚を切り出されたとしても、離婚をしたくないのであればまずは復縁を試みるのが良いでしょう。

その際、これまで以上に夫とコミュニケーションをとるとともに、離婚について触れない・触れさせないように心掛けることが大事です。

それと同時に、「離婚届不受理申出」をしましょう。
これは、配偶者が相手の意思に関係なく離婚届を提出してしまい、気づいたら離婚してしまったということを防ぐ制度のことです。

前もって役所に提出しておくと、夫が妻の意思に関係なく離婚届を提出したとしても受理されず、離婚をすることができません。

3.復縁?それとも離婚?妻にとってどちらが得?

妻としてどうしても離婚をしたくないのであれば、「2.まずは、復縁を試みよう!」でも述べたように、復縁を試みるのが良いでしょう。

しかし、これまで以上に夫とコミュニケーションをとったのにもかかわらず、復縁の兆しが見られず、夫の離婚への意思が変わらないようであれば、ある程度交渉した上で早めに離婚した方が金銭的には妻にとって得になるケースが多いです。

なお、夫と交渉する際には弁護士を代理人に立てることをお勧めします。

なぜならば、弁護士を立てることで相手方にこちらの本気度を伝えることができ、また相手方としても真摯な提案を行う可能性が高いからです。

4.離婚を切り出した夫が不倫をしていた場合の対処法

結婚生活の中で夫婦仲が悪くもなく、突然夫が離婚を切り出すという状況は夫が不倫をしている可能性も考えられます。

そういう時の対処法を下記に記します。

(1)手始めに夫の不倫の証拠を集めよう

最初は、実際に夫が不倫を行いっていることを示す証拠を集めておくことが重要です。

もし、夫と離婚をする場合には、集めた証拠が夫に対して慰謝料を請求する際に必要となります。
そして、夫の不倫を裏付ける直接的・具体的な証拠があればより多くの慰謝料を請求することも可能となります。

もし夫と離婚しないとしても、例えば夫の不倫相手にだけ金銭を請求することができます。
そのためにも、夫に対して請求する場合と同様に不倫についての証拠が必要となります。

したがって、夫が不倫をしていそうであれば、積極的に証拠収集を行うようにしましょう。

(2)どのような証拠が必要か?

では、不倫の証拠として、どのような証拠を集めたら良いのでしょうか。
具体的に以下の通りです。

  • 不倫相手とのメールやLINEの画像
  • ラブホテルに出入りしている写真(その他のホテルだと「仕事で会っていた」と言い訳されてしまうので証拠としての価値は相対的に低くなる)
  • ラブホテルの領収書

ただし、不倫の証拠を収集する際には、夫を問い詰めるようなことはしない方がいいでしょう。

なぜならば、自分が不倫しているのを感付かれたのではないかと警戒してしまい、不倫の証拠を消したりするおそれがあるためです。

そのため、夫の不倫の証拠を収集するにあたっては、浮気には気付いていないふりをして普段通りの生活を心掛けると良いでしょう。

もし、本当に夫が不倫をしているのであれば、必ずいつかボロが出て不倫の証拠を発見することができるはずです。

(3)証拠が揃えば慰謝料請求!

夫の不倫の証拠が揃ったならば、夫若しくは不倫相手又は双方に対して慰謝料を請求しましょう。

請求する場合には、

  1. 請求相手との交渉
  2. (交渉がまとまらなければ)調停や裁判

という流れになります。

なお、慰謝料の金額は不倫の期間や程度に応じて異なりますが、数十万円から200万円程度のことが多いです。

まとめ

今回は、夫から離婚を切り出された場合に妻が知っておくべき方法についてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
ご参考にしていただければ幸いです。

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