法定相続情報一覧図とは?無料で相続手続きを激ラクにする全手順ガイド

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法定相続情報一覧図とは?戸籍謄本の束を1枚に変える無料制度。銀行・不動産・相続税申告すべてに使える相続手続きのパスポートを完全解説。

「親が亡くなって、銀行・証券会社・法務局・税務署と回らないといけないけど、毎回ぶ厚い戸籍謄本の束を持ち歩くのが本当に面倒…」

「銀行で『戸籍は原本還付しますが、コピーをこちらで取りますね』と言われ、提出のたびに30分以上待たされる…」

相続手続きで多くの人が直面するこの「戸籍の束を持ち歩く地獄」を、たった1枚の紙で解決してくれる無料制度があるのをご存知ですか?それが「法定相続情報一覧図」です。

結論からお伝えします。法定相続情報一覧図は、相続手続きの「パスポート」。一度発行してもらえば、銀行・証券・法務局・税務署・年金事務所など、ほとんどすべての相続手続きで戸籍謄本の束の代わりに使える、相続発生後に絶対知っておきたい制度です。

しかも完全無料、何枚でも発行可能。郵送請求もOK。にもかかわらず、利用率は相続案件全体の30%程度にとどまっており、知っているかどうかで相続手続きの楽さが何十倍も変わります。

この記事では、相続専門の未来相続ナビゲーターが、法定相続情報一覧図の取得方法・必要書類・費用・落とし穴まで、実務目線で徹底解説します。読み終えた頃には、自分で取るべきか、司法書士に頼むべきか、明確に判断できるはずです。

目次

【結論】法定相続情報一覧図を「取るべき人」と「取らなくていい人」

まず最初に、自分がどちらに当てはまるかを確認してください。これによって、わざわざ手間をかけて取る価値があるかどうかが決まります。

✅ 取るべき人(3パターン)

パターン 具体例 節約できる手間
1. 銀行口座が複数ある人 メガバンク・地銀・ゆうちょ・ネット銀行など2行以上 各行に戸籍の束を提出 → 一覧図1枚で済む
2. 不動産を相続する人 実家、田畑、複数物件など 相続登記で戸籍提出が不要に
3. 相続税申告が必要な人 遺産が3,600万円超(基礎控除超) 税務署提出の戸籍束が一覧図1枚に

❌ 取らなくていい人

  • 預金口座が1つだけ、不動産もない人(戸籍の束を1回出すだけで済む)
  • 遺産が少額で相続税申告も不要な人
  • すでに遺産分割が完了している人

法定相続情報一覧図とは?3分でわかる基本

法定相続情報一覧図とは、「亡くなった人(被相続人)の相続人は誰なのか」を一目で示した家系図のような書類で、法務局(登記所)が公的に認証してくれる制度です。2017年5月にスタートした、まだ比較的新しい制度です。

正式名称

制度の正式名称は「法定相続情報証明制度」。発行される書類が「法定相続情報一覧図の写し」です。

仕組み

  1. 相続人が戸籍謄本一式と一覧図を法務局に提出
  2. 法務局の登記官が、戸籍と一覧図の内容が正しく一致しているかチェック
  3. 認証文と公印を押した「法定相続情報一覧図の写し」を交付
  4. この写しは、戸籍謄本の束の代わりに各種手続きで使える

なぜこの制度ができたのか?

従来は、相続手続きのたびに「戸籍謄本の束」を何度も集め直したり、銀行・証券会社・法務局を順番に回って待たされたりする負担が大きく、結果として相続手続きが進まずに「所有者不明土地」が増える社会問題になっていました。これを解消するために導入されたのが本制度です。

1枚あればできること・できないこと一覧表

手続き 一覧図で代用 備考
不動産の相続登記 ✅ 可 これが本来の使い方
銀行預金の払戻し・名義変更 ✅ 可 メガバンクは概ね対応
証券会社の口座移管 ✅ 可(多くは対応) 独自書式を求める会社もあり
相続税の申告(税務署) ✅ 可 提出書類が大幅減
年金手続き(遺族年金・未支給年金) ✅ 可 年金事務所
自動車の名義変更 ✅ 可 運輸支局
生命保険の保険金請求 △ 一部対応 保険会社による
遺産分割協議書の作成 ❌ 不可 遺産分割は別途必要
相続放棄の申述 ❌ 不可 家庭裁判所は戸籍が必要

このように、遺産分割協議や相続放棄を除く、ほぼすべての相続実務手続きで使える万能パスポートです。

戸籍謄本の束 vs 法定相続情報一覧図|決定的な4つの違い

項目 戸籍謄本の束 法定相続情報一覧図
厚さ・量 10〜30枚以上になることも 1枚(A4サイズ)
銀行への提出 提出→コピー→返却で30分〜1時間待ち 渡すだけ。コピー処理不要
複数手続きでの使い回し 原本を取り戻す手間あり、同時並行不可 何枚でも無料発行できるので並行作業可
取得費用 1通450円×複数通=数千円〜1万円 戸籍取得費は同じ+認証は無料

特に「複数の金融機関で同時並行で手続きできる」のは大きなメリットです。戸籍の束だと、A銀行の手続きが終わるまでB銀行に出せない、というボトルネックが発生します。

法定相続情報一覧図を取得する4ステップ

STEP 1:戸籍謄本一式を集める

以下の戸籍を、それぞれの本籍地の市区町村役場で取得します。郵送請求も可能です。

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍すべて
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)
  • 申出人(代表相続人)の住所を証明する書類(住民票・運転免許証コピーなど)

被相続人の戸籍は、結婚や本籍移転で複数の市区町村にまたがることが多く、ここに最も時間がかかります(1〜3ヶ月)。

STEP 2:法定相続情報一覧図を作成する

法務省の公式サイトにひな形(Excel/PDF形式)が公開されており、無料でダウンロードできます。手書きでもPC入力でもOKです。

記載する内容:

  • 被相続人の氏名・最後の住所・本籍・生年月日・死亡年月日
  • 相続人全員の氏名・住所・生年月日・続柄
  • 家系図のような線で相続関係を図示

STEP 3:申出書を記入する

法務局の申出書(「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」)に必要事項を記入します。これも法務局HPからダウンロード可能。

STEP 4:法務局に提出する

提出先は、次の4箇所のいずれかから選べます。

  1. 被相続人の本籍地を管轄する法務局
  2. 被相続人の最後の住所地を管轄する法務局
  3. 申出人(代表相続人)の住所地を管轄する法務局
  4. 被相続人名義の不動産がある場所を管轄する法務局

窓口提出・郵送どちらでもOK。申請から認証付き写しの交付まで、通常1〜2週間です。

費用は実質ゼロ|内訳を公開

項目 金額
法定相続情報一覧図の認証・交付 0円(何枚でも無料)
戸籍謄本×複数通 1通450円×平均5〜10通=2,000〜5,000円
住民票・除票 1通300円×2〜3通=600〜900円
郵送費(往復) 500〜1,000円
合計(戸籍取得込み) 3,000〜7,000円程度

戸籍は法定相続情報一覧図を取らなくてもどのみち必要なので、実質的に法定相続情報一覧図そのものの追加費用はゼロと考えていいでしょう。

自分で作る vs 司法書士に依頼|どちらを選ぶべきか

項目 自分で作る 司法書士に依頼
費用 3,000〜7,000円 戸籍取得込みで3〜5万円
所要期間 1〜3ヶ月(戸籍収集次第) 1〜3週間
難易度 シンプルな家族関係なら容易 すべて任せられる
推奨ケース 相続人が配偶者と子のみ 養子・代襲相続・前妻の子など複雑なケース

自分で作る方が向いている人

  • 相続人が配偶者と実子のみのシンプルな家族構成
  • 被相続人の本籍が引っ越しの少ない地域
  • 平日に役所や法務局に行ける時間がある
  • 節約したい

司法書士に依頼した方が向いている人

  • 養子縁組・代襲相続・前妻との間の子など複雑な相続関係
  • 本籍が複数の市区町村にまたがっている
  • 仕事が忙しく時間が取れない
  • 相続登記もまとめて任せたい(むしろお得)

4つの注意点・デメリット

1. 戸籍収集の手間は変わらない

法定相続情報一覧図を取るには、結局すべての戸籍を集める必要があります。「楽になるのは取得した後の手続きだけ」と理解しておきましょう。

2. 一部の金融機関では受け付けないことがある

大手金融機関は対応していますが、一部の地方銀行や信用金庫、証券会社では「独自の書式提出を求める」「戸籍原本もあわせて要求する」というケースもあります。提出前に念のため各機関に確認しましょう。

3. 数次相続(相続人がさらに亡くなったケース)には使えない

被相続人が亡くなった後、相続人の一人がさらに亡くなった「数次相続」のケースでは、一覧図を別途作成する必要があり、複雑になります。

4. 一覧図に記載できない情報がある

相続放棄をした人、廃除された人、相続欠格者は一覧図に「相続人」としては記載されません(被相続人との関係性は記載される)。

よくある質問(FAQ)

Q1. 一覧図の写しは何枚もらえる?追加発行は有料?

必要枚数を申請時に指定すれば、希望分すべて無料で発行されます。後日追加発行も、保存期間(5年間)内であれば無料です。「金融機関は3行、不動産2件、相続税申告」など使い道を逆算して、必要枚数を見積もりましょう。

Q2. オンライン申請はできる?

2024年現在、オンライン申請は対応していません。窓口提出または郵送のみです。ただし、申請に使うひな形や申出書は法務局HPからダウンロードできます。

Q3. 一覧図に有効期限はある?

法律上の有効期限はありません。ただし、金融機関や税務署が「発行後6ヶ月以内」「1年以内」などの独自ルールを設けているケースがあります。一覧図を取ったらなるべく早めに手続きを進めるのが安心です。

Q4. 海外在住の相続人がいる場合は?

海外在住者の住所証明は、住民票の代わりに「在留証明書」「サイン証明書」(在外公館で発行)が必要になります。やや手間がかかるので、司法書士に依頼するのが現実的です。

Q5. 一覧図と戸籍謄本、両方提出する必要はある?

一覧図の写しがあれば戸籍謄本の提出は基本的に不要です。ただし、相続放棄があった場合は「相続放棄申述受理証明書」を別途提出する必要があります。

Q6. 申出人は誰がなれる?兄弟がもめている場合は?

申出人は相続人の誰か一人で問題ありません。他の相続人の同意も不要です。揉めていても、自分一人で進められます。

まとめ|銀行・不動産・税申告のどれかがあれば「絶対取るべき」

法定相続情報一覧図は、相続手続きを劇的に楽にしてくれる無料制度でありながら、まだ知らない人が多い「隠れた便利制度」です。最後にポイントを整理します。

  1. 銀行口座が複数ある・不動産がある・相続税申告が必要 → 絶対取るべき
  2. 費用ほぼゼロ、何枚でも発行無料
  3. 戸籍の束を持ち歩く手間が消える
  4. 複数手続きを同時並行で進められる
  5. シンプルな家族構成なら自分で作成可能、複雑なら司法書士へ

相続手続きは、悲しみと混乱の中で進める精神的にも体力的にも負担の大きい作業です。「ちょっとした制度を知っているかどうか」で、その負担が何分の一にもなります。

未来相続ナビゲーターでは、相続の状況に応じて、自分で進められる手続きと専門家に頼むべき手続きを整理し、最適な専門家(弁護士・司法書士・税理士)を無料でご紹介しています。「何から手をつければいいかわからない」「自分で進めて本当に大丈夫か不安」というときは、お気軽にご相談ください。あなたとご家族の相続手続きが、少しでも穏やかに進むことを心から願っています。

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