夫または妻が不倫をしていることを発見してしまいました。
自分の夫や妻に対して怒りや憎しみを感じますよね。
夫や妻の不倫相手に対しても怒りや憎しみをぶつけたいですし、金銭を請求したいと思う方もいらっしゃいますよね。
そこで今回は、不倫相手に慰謝料を請求する方法、及び請求する慰謝料の金額が高額化するケースについてご説明させていただきます。
今回の話がご参考になれば幸いです。
※この記事は2017年5月24日に加筆・修正しました。
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目次
1.慰謝料を請求できる場合
(1)慰謝料とは
そもそも「慰謝料」とは、「精神的苦痛」に対しての賠償です。
例えば、配偶者の不倫や暴力が原因で精神的苦痛を被った場合に慰謝料の請求が可能です。
(2)慰謝料を請求できる場合
下記の①〜③の事実と証拠が必要です。
事実だけではなく、証拠も必要なことがポイントとなります。
つまり、もし不倫慰謝料請求されても、証拠がなければ支払いを拒否できる可能性があるのです。
①不倫・浮気の事実
基本の証拠として肉体関係の有無を証明する必要があります。
しかしながら、一般的に肉体関係は閉鎖された空間で行われるので証拠の獲得が困難です。
ですので、証拠を得るために間接的な方法で証拠を集めます。
具体的には、以下のような証拠です。
- 夫や妻と不倫相手がラブホテルに出入りする写真や動画です(なお、ビジネスホテルの場合には、仕事で仕方なく利用していたと言い訳されてしまう場合があるので、相対的に証拠としての価値が下がってしまいます)。
- 夫または妻と不倫相手が特に理由なく、二人で旅行に行き同室で就寝した証拠です。例えば、旅行した時の風景写真や宿泊先の領収書などです。
- 電子メールやLINEなどに、肉体関係を持ったことを推察できるような文言の画面の画像。
- 夫や妻の不倫相手が不倫をしたと認めた内容を書面化したもの
②不倫相手にて夫または妻が既婚者であることを知っていたこと
次に、不倫相手が夫また妻が既婚者だと認知していた事実と証拠が必要です。
例として、下記の証拠です。
- 夫婦の結婚式に不倫相手も出席していた事実
- 夫または妻と不倫相手が勤務先の上司と部下の関係にあること(一般的に、同じ会社に勤めていたら既婚者だと認知していないはずがない)
- 不倫相手と「旦那さん又は奥さんにばれたら大変なことになるね」などと表示されているメールやLINE画面のキャプチャ画像
また、本当に認知していなかった場合も過失がある場合は慰謝料請求ができます。
例えば、夫または妻が「自分は独り身です」と言い張っていても、左手の薬指に指輪をしている場合には、過失があることになります。
③婚姻関係が破綻していないこと
不法行為に基づく慰謝料の請求権が成立するためには「損害」が必要となります。
「損害」とは、婚姻関係を破綻させた原因です。
ですので、不倫行為を行う前に婚姻関係が破綻していた場合、慰謝料請求はできません。
例えば、婚姻関係の破綻とは、
- 別居している
- 同居しているが、性関係もなくほぼ会話もない
等を言います。
2.慰謝料の金額
基本的に、金額は請求する側が自由に決めることができます。
極端に言えば1億円でも請求すること自体は可能です。
しかし、あまりにも相場からずれた金額を請求しても相手は支払ってくれません。
そして、無駄に裁判を繰り返すことになるので、時間と金銭がかかってしまいます。
ですので、浮気や不倫の金額の相場です。
裁判では、
- 「相手の年収」
- 「不倫の悪質性」
- 「婚姻期間」
などで決まります。
もちろん事案は様々なので、慰謝料の金額にもバラつきはありますが、裁判上の慰謝料の相場はおおよそ200万円です。
幅としては100万円~500万円の間がほとんどです。
3.不倫慰謝料の金額が高額になるケース
金銭の請求を考えている方の中には、「できれば高額欲しい」という方もいらっしゃいますよね。
前述のように、そもそも慰謝料とは精神的苦痛に対して支払われる金銭です。
そのため、どれだけ辛い思いをしたのか、すなわち「辛い思い」をしたような事情の有無と程度等によって決まることになります。
また、請求する側とされる側の収入なども考慮されます。
以下では請求する側の事情、される側の事情等に分けて具体的に慰謝料の金額に影響を与える要因を見ていきましょう。
(1)請求される相手の要因
- 不倫の期間が長いか(長いほど高額になる傾向がある)
- 妊娠の有無(妊娠したような場合には慰謝料は高額となる傾向がある)
- 交際に至る経緯(不倫相手が既婚者であると知っていたにも関らず積極的にアプローチしていた場合には慰謝料は高額となる傾向がある)
- 年齢(年齢が高いほど金額が高くなる傾向がある)
- 職業(一般的に、社会的地位が高かったり、収入が高いと思われる職業に就いている場合には金額が高くなる)
- 資産・収入(資産・収入が高いほど金額が高くなる傾向がある)
(2)あなた側(請求する側)の要因
- 年齢(年齢が高いほど金額が高くなる傾向がある)
- 職業(一般的に、社会的地位が高かったり、収入が高いと思われる職業に就いている場合には金額が低くなる)
- 初婚・再婚の別(再婚の場合と比較して、初婚の場合の方が金額は高くなりやすい)
- 再婚の可能性(再婚の可能性が低い方が金額は高くなる傾向がある)
- 自殺未遂やノイローゼなどの精神的苦痛を類推させる事情(精神的苦痛を類推させる事情があると金額は高くなる)
- 資産・収入(資産・収入が少ないほど金額が高くなる傾向がある)
(3)その他の要因 ・有責行為の内容
- 婚姻期間(期間が長いほど金額が高くなる)
- 子どもの有無・人数(子供がいると金額が高くなる傾向がある)
4.自ら不倫慰謝料請求する方法
実際に慰謝料を請求しようとした場合、弁護士を雇わなくても自身で慰謝料請求をすることが可能です。
(1)慰謝料請求の具体的方法
基本的な方法として、内容証明郵便を利用した請求方法があります。
もちろん、普通の郵便やメールでも請求自体が可能です。
(2)内容証明郵便に記載すべき事柄
内容証明郵便は、法律的に一般的な書面による請求と変わりません。
ですが、郵便局が書面の内容を証明してくれるので、後々証拠として有効になります。
相手に対して精神的な圧力を与えることが可能です。
内容証明郵便は、縦と横の文字数などが決まっています。
具体的には、1枚520字以内で、縦書きの場合には1行20字以内、1枚26行以内、横書きの場合には1行20字以内、1枚26行以内 とされています。
そして、上記字数制限の範囲内で、①不倫の事実 ②不倫慰謝料を請求する旨 ③請求金額等の内容を記載することになります。
内容証明郵便は証拠になるので、間違った内容で送ってしまうと後々不利に働く場合があります。
そのため、文案の作成・送付にあたっては、弁護士に相談することを勧めます。
(3)不倫慰謝料請求の内容証明郵便の雛形ダウンロード
上記(2)で述べたところからお分かりのように、作成するのに一苦労です。
そこで今回は、不倫慰謝料請求するための内容証明郵便の雛形を用意しました。
(4)不倫慰謝料請求をする裁判の方法
相手が金銭を支払ってくれない場合には、裁判を起こす必要があります。
ここでは裁判に関してご説明いたします。
①裁判に必要な費用及び書類
- 訴状2部
- 証拠(1-(2)で述べたもの)
- 収入印紙(請求する内容によって異なるので,訴状を提出する裁判所への確認が必要)
- 郵便切手(訴状を提出する裁判所への確認が必要)
②裁判の流れ
裁判は、下記で行います。
- 訴状の作成
- 訴状の提出
- 相手方へ訴状の送達
- 第一回口頭弁論期日の決定
- 数回の口頭弁論を繰り返す
- 判決
なお、場合によっては途中で和解が成立することもあります。
まとめ
今回は、配偶者が不倫をした場合の金銭を請求する方法と金額が増額する条件に関してご説明しました。
ご参考にしていただければ幸いです。