交通事故の治療費に関して知っておきたい6つのこと

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交通事故の治療費、自分で支払わなければならないのだろうか?

これをお読みの方の中にもそのようにお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

交通事故の被害に遭われてしまった場合には、まずは病院に行って医師の治療を受けることになり、治療費がかかります。

しかし、自分は被害者なのにもかかわらず、治療費を自己負担しなくてはならないのでしょうか。加害者や保険会社が支払うのが当然なのではないでしょうか。

そこで今回は、治療費は誰が負担するのか、治療費を加害者側に請求できる場合の範囲など、交通事故の治療費について知っておくべき内容について説明します。ご参考になれば幸いです。

1、交通事故に遭った際の治療費は誰が支払う?

交通事故に遭って治療費がかかった場合、その治療費は最終的には加害者側(保険会社など)に請求できますが、病院としては基本的に治療をした被害者本人に請求するのが一般的です。つまり、一旦は被害者が病院に治療費を支払うことになります。

もし、最初から加害者側に治療費の負担を求めるのであれば、「私は交通事故の被害者なので治療費の請求は直接加害者の保険会社にして欲しい」と病院に伝えてみると良いでしょう。病院によっては加害者側の保険会社に直接請求してくれる場合もあります。

ただし、保険会社とやり取りすることが面倒なので対応してくれない病院もあります。また、過失割合に争いがあるような場合には保険会社が支払いを拒む場合もあります。

2、請求できる治療費の範囲は?

交通事故に遭って治療費がかかった場合、加害者側にいくら治療費を請求できるのでしょうか。

結論から言いますと、交通事故による治療費は、加害者側に全額請求することができます。交通事故によって被害を受けて、その結果として治療費がかかっている以上、当然と言えるでしょう。

しかし、場合によっては、治療費を全額支払ってもらえないこともあります。この点については、次の「3、支払いが拒否される可能性のある治療費とは?」で説明します。

3、支払いが拒否される可能性のある治療費とは?

「2、請求できる治療費の範囲」でも説明したように、交通事故による治療費は、全額請求できるのが原則です。

しかし、以下の治療費の場合には、相手方から支払いを拒否され、場合によっては治療費全額の支払いが認められない場合があります。

  • 持病の治療費(交通事故の前から罹患していた持病についての治療費)
  • 過剰診療(医学的に必ずしも必要のない診療)
  • 高額診療(特別な理由なく行われる診療で、一般の診療費の水準に比べて高額な診療)

4、治療費が支払えない場合にはどうしたらいい?

治療が長引き治療費の立て替え払いが高額化してきて、このままでは治療費の支払いが難しくなってきた場合には、どのようにしたら良いでしょうか。この場合には、以下の3つの方法を採ることができます。

(1)自分の人身傷害補償保険を使う

人身傷害補償保険に加入している場合には、保険料等が支払われますので、加入している保険を使うようにしましょう。

なお、人身傷害補償保険とは、交通事故によって契約者が死傷された場合に、過失割合に関係なく、契約の保険金額の範囲内で保険金を支払われる制度のことを言います。

(2)相手の自賠責保険の仮渡金制度を利用する

仮渡金制度とは、損害賠償の額が確定する前でも、将来損害賠償として支払われるであろう金額を当座の資金の支払いのために自賠責保険会社に対して被害者自身が前もって請求することができる制度のことを言います。

ただし、この制度はあくまで仮の支払いなので、最終的な損害額よりも多くの金銭を受け取っていた場合には、その差額を返還する必要があります。

なお、仮渡金制度に類似する制度として以前は内払い制度がありましたが、現在は廃止されています。

(3)裁判所に対して仮払仮処分を申し立てる

その他にも、民事保全法による仮払仮処分を利用する方法も考えられます。この制度は、裁判所から保険会社や加害者に治療費(損害賠償金)の支払いを命じてもらう制度です。

ただし、この制度は裁判所を利用する制度ですので、裁判において、加害者の責任や損害の発生やこの制度を利用する必要性などを主張立証していかなくてはならないという煩わしさがあります。

5、治療費を本人が立替え払いする際に気をつけておきたいこと

保険会社が治療費を支払ってくれない場合には、被害者本人が立て替え払いするしかありません。

その際には、以下の3点に気を付けると良いでしょう。

(1)領収書を必ず保管する

治療費を立て替え払いした際には、治療にいくらかかったのかを明らかにするために、必ず領収書を保管するようにしましょう。

そうしないと、後日請求できなくなってしまう可能性があります。

(2)自分の健康保険を使う

自分は交通事故の被害者なのにもかかわらず、その治療に自分の健康保険を使うことに違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれせん。もちろん、被害者がご自身の健康保険を使う義務はありません。しかし、健康保険を使うことが被害者のメリットになることもあります。

例えば、被害者に過失がある場合です。完全なもらい事故なら関係ないのですが、被害者にも過失がある場合には、その過失部分については被害者本人の負担になります。簡単に言えば、被害者の過失割合が30%ならば、治療費の30%は被害者の自己負担になります。そのため、健康保険を使った方が治療費の負担を軽減でき、結果として自己負担額も抑えることができます。

(3)加入している任意保険を確認する

前述のように、もし任意保険に加入している場合には、保険内容を確認するようにしましょう。人身傷害補償保険に加入していれば、ご自身の保険から治療費等が支払われます。

6、保険会社から治療費の支払いを打ち切られた場合の対処法

被害者の怪我が症状固定になるまでは、原則として治療費の全額を支払ってもらうことができます。しかし、保険会社から突然治療費の支払いを拒まれることがあります。いわゆる、「治療費の打ち切り」です。

治療費を打ち切られた場合の対処法について詳しくは、「交通事故の治療期間はどれくらい?治療が打ち切られた場合の対処法」の記事をご参照下さい。

7、交通事故の治療費に関するまとめ

今回は交通事故の治療費について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。今回の話が交通事故の治療費について知りたい方のご参考になれば幸いです。

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