相続放棄申述書の書き方|記入例・ダウンロード・提出方法を完全解説

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相続放棄申述書は自分で30分で書ける裁判所への手紙。家庭裁判所HPからダウンロード可能。8項目の書き方、完全記入例、添付書類リスト、提出後の流れまで完全解説。

「親が亡くなり、相続放棄をすることに決めた。家庭裁判所のサイトを見たら『相続放棄申述書』を書けと言われたけど、項目が多くて何から手をつければいいかわからない…」

「司法書士に頼むと3〜5万円かかる。自分で書けば収入印紙800円で済むらしいけど、書き方を間違えて受理されなかったら期限切れ(3ヶ月)になりそうで怖い」

こうした不安を感じる方は多いはず。でも安心してください。

結論からお伝えします。相続放棄申述書は「自分で30分で書ける裁判所への手紙」。記入欄は8項目だけで、戸籍謄本さえ手元にあれば、ボールペン1本で完成します。司法書士に頼むのは「複雑な事情がある人」だけで十分です。

ただし、記入ミスでもっとも怖いのが「相続の開始を知った日」の書き方。ここを間違えると「3ヶ月の期限を過ぎている」と判断されて却下されるリスクがあります。書類自体はシンプルですが、ここだけは慎重さが必要です。

この記事では、相続専門の未来相続ナビゲーターが、相続放棄申述書のダウンロード方法・8項目別の書き方・完全記入例・添付書類リスト・提出後の流れまで、初めての方でも迷わず書けるよう徹底解説します。

目次

【結論】相続放棄申述書を「自分で書ける人」と「専門家に頼んだ方がいい人」

状況 判断 理由
親の死亡を知って3ヶ月以内、家族構成シンプル ✅ 自分で書ける 収入印紙800円のみで完了
3ヶ月期限が迫っている(残り1ヶ月以下) ⚠️ 司法書士に頼む 戸籍収集の時間も必要
すでに3ヶ月を過ぎている ❌ 弁護士に頼む 「特別な事情」の主張が必要
被相続人の財産を一部使ってしまった ❌ 弁護士に頼む 単純承認とみなされるリスク
家族構成が複雑(数次相続・代襲相続あり) ⚠️ 司法書士に頼む 必要戸籍が膨大になる

相続放棄申述書とは?3分でわかる基本

相続放棄申述書とは、「私は被相続人○○の相続を放棄します」と家庭裁判所に正式に申し出るための書類です。家庭裁判所所定の様式で、全国共通フォーマットになっています。

書式の種類は2つ

書式 対象
成人用 申述人が18歳以上(多くの方はこちら)
未成年者用 申述人が18歳未満(法定代理人=親権者の署名が必要)

相続放棄申述書のダウンロード方法

家庭裁判所の公式サイトから無料でダウンロードできます。

入手先

  1. 裁判所公式サイト「相続の放棄の申述書(成人)」
  2. 最寄りの家庭裁判所窓口でも無料で入手可能

PDF形式と Word形式の両方が用意されており、手書きでもPC入力でもどちらでもOKです。手書きの場合は黒のボールペンか万年筆を使い、消せるペンは使わないでください。

8項目別の書き方|30分で完成

1. 申述書のタイトルと提出日

用紙上部の「申立年月日」に提出日(=家庭裁判所に持参または投函する日)を記入。「令和○年○月○日」と和暦で書きます。

2. 提出先の家庭裁判所

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所名を記入。たとえば被相続人の最後の住所が「東京都新宿区西新宿1-2-3」なら、「東京家庭裁判所」と書きます。

管轄裁判所は裁判所HPの「裁判所の管轄区域」で確認できます。

3. 申述人の情報(=あなた)

  • 本籍:戸籍謄本に記載されている本籍地をそのまま記入(住所と違うことが多いので注意)
  • 住所:住民票に記載されている住所を記入
  • 氏名:戸籍通りの氏名(旧字体含めて正確に)
  • 生年月日:和暦で記入
  • 職業:会社員・公務員・自営業など簡単に
  • 電話番号:日中連絡が取れる番号

4. 法定代理人(未成年者の場合のみ)

成人の場合は空欄でOK。未成年者が申述する場合は、親権者(=父母)の情報を記入し、押印します。

5. 被相続人の情報

  • 本籍:被相続人の戸籍謄本通りに
  • 最後の住所:住民票除票通りに(=管轄裁判所を決める根拠)
  • 職業:「無職」「年金生活者」など
  • 氏名:戸籍通りに正確に
  • 死亡年月日:死亡診断書または戸籍通りに

6. 申述の趣旨

定型文「相続の放棄をする」にチェック(または記入)。これ以外を書く必要はありません。

7. 【最重要】申述の理由

相続の開始を知った日」を記入する欄。ここの書き方を絶対に間違えないでください

選択肢 該当ケース
① 被相続人死亡の当日 死亡したその日に知った場合
② 死亡の通知をうけた日 後日電話・葬儀の連絡などで知った場合
③ 先順位者の相続放棄を知った日 子全員が放棄して自分(=親や兄弟姉妹)に相続権が回ってきたことを知った日
④ その他 「借金があることを後から知った」など特殊ケース。自由記述

この日付から3ヶ月以内であることが申述受理の絶対条件です。3ヶ月を過ぎていそうな場合は、自己判断で日付を改ざんせず、弁護士に相談しましょう。

8. 放棄の理由

該当するものにチェック(複数選択可):

  • 1. 被相続人から生前に贈与を受けている
  • 2. 生活が安定している
  • 3. 遺産が少ない
  • 4. 遺産を分散させたくない
  • 5. 債務超過のため
  • 6. その他

「5. 債務超過のため」が多くのケースで該当します。借金が多くて放棄する場合はこれを選びましょう。

9. 相続財産の概略

把握している範囲で、被相続人の財産の概要を記入します。

  • 資産:預貯金、土地、建物、現金、有価証券、その他
  • 負債:金融機関への借入、その他

「不明」と書いてもOKです。完璧に把握している必要はありません。

【完全記入例】架空の山田太郎さんのケース

具体例で書き方を確認しましょう。

状況設定
被相続人 山田 太郎(父)— 令和7年3月15日 死亡(東京都新宿区在住)
申述人 山田 一郎(長男・35歳・東京都中野区在住・会社員)
放棄理由 父に多額の借金があったため
申述日 令和7年5月10日

記入例

[申立年月日]
 令和7年5月10日

[提出先]
 東京家庭裁判所 御中

[申述人]
 本籍 東京都中野区中野1-2-3
 住所 東京都中野区中野1-2-3
 氏名 山田 一郎
 生年月日 昭和55年7月20日
 職業 会社員
 電話番号 090-1234-5678

[被相続人]
 本籍 東京都新宿区西新宿4-5-6
 最後の住所 東京都新宿区西新宿4-5-6
 職業 無職(元会社員)
 氏名 山田 太郎
 死亡年月日 令和7年3月15日

[申述の趣旨]
 相続の放棄をする

[申述の理由]
 相続の開始を知った日:令和7年3月15日(被相続人死亡の当日)

 放棄の理由:☑ 5. 債務超過のため

[相続財産の概略]
 資産:預貯金 約50万円、不動産なし
 負債:銀行借入 約500万円、消費者金融借入 約200万円

添付書類リスト|申述人の立場で変わる

全員に共通する添付書類

  1. 被相続人の住民票除票(または戸籍の附票)— 1通
  2. 申述人の戸籍謄本— 1通

申述人が「配偶者または子」の場合

  • 被相続人の死亡記載のある戸籍謄本— 1通

申述人が「孫」(代襲相続人)の場合

  • 被相続人の死亡記載のある戸籍謄本
  • 被代襲者(=申述人の親)の死亡記載のある戸籍謄本

申述人が「親」(第2順位)の場合

  • 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
  • 被相続人の子(および代襲者)全員の死亡記載のある戸籍謄本(=子が誰もいないことの証明)

申述人が「兄弟姉妹」または「甥姪」(第3順位)の場合

  • 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
  • 被相続人の子(および代襲者)全員の死亡記載のある戸籍謄本
  • 被相続人の父母(および祖父母)の死亡記載のある戸籍謄本(=直系尊属が誰もいないことの証明)

後順位ほど必要戸籍が増えていきます。第3順位の兄弟姉妹で放棄する場合は、戸籍収集だけで1〜2ヶ月かかることもあるので、早めに動きましょう。

その他の必要物

  • 収入印紙 800円(申述人1人あたり)— 郵便局・コンビニで購入
  • 連絡用の郵便切手— 家庭裁判所により金額が異なる(通常500円程度)

よくある書き間違い5つ

1. 本籍と住所を混同する

本籍は戸籍に記載された場所、住所は実際に住んでいる場所。違うことが多いので必ず両方を確認しましょう。

2. 「相続の開始を知った日」を被相続人の死亡日と勘違い

これは「あなたが知った日」です。海外赴任中で1ヶ月後に知った場合は、知った日を書きます。間違えると不利になる可能性があります。

3. 氏名の旧字体を新字体で書く

戸籍が「澤」なのに「沢」と書くなど。戸籍通りに正確に。

4. 押印を忘れる(成人用は不要に変更)

2021年9月以降、相続放棄申述書(成人用)は押印が不要になりました。ただし、未成年者の場合は法定代理人の押印が必要です。

5. 収入印紙を貼る場所を間違える

申述書の指定された欄に貼ります。割印(消印)は家庭裁判所側が押すので、自分では押さないでください。

提出方法と受理までの流れ

提出方法(窓口 or 郵送)

  1. 窓口持参:その場で書類不備をチェックしてもらえるので安心。家庭裁判所の受付時間は平日9〜17時
  2. 郵送:書留郵便で送付。証拠を残すため簡易書留以上を推奨

受理までの3つのステップ

ステップ 内容 所要時間
1. 申述書提出 窓口 or 郵送 当日
2. 照会書・回答書が届く 家裁から「本当に放棄の意思か」など確認の手紙 提出から1〜2週間後
3. 回答書を返送 質問に回答してチェック → 返送 受け取ってから1週間以内
4. 受理通知書が届く 「相続放棄申述受理通知書」— これで完了 回答書返送から1〜2週間後

申述書提出から完了まで、合計1〜2ヶ月が目安です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 代筆してもらってもいいですか?

申述人本人の自書が原則です。ただし、病気・高齢で書けない場合は家族の代筆も認められます。その場合は申述人本人の意思確認のため、家庭裁判所から追加の照会がくる可能性があります。

Q2. 申述書を間違えたら書き直し?

修正テープで直すのはNG。二重線を引いて正しい内容を書き、訂正印を押すのが正しい修正方法です。大きな間違いは新しい用紙に書き直すのが安全です。

Q3. 申述書はコピーを取っておくべき?

必ず取っておきましょう。家庭裁判所から照会書が届いた時に、自分が何を書いたかを確認するため必要になります。

Q4. 提出した後にやっぱり放棄を取り下げたいです

受理前であれば、家庭裁判所に取り下げ書を提出すれば取り下げ可能です。ただし、受理された後は原則として撤回できません

Q5. 必要書類が揃わないけど、申述書だけ先に出していい?

原則は全部揃えて提出ですが、3ヶ月期限が迫っている場合は申述書だけ先に出して「他の書類は追って提出する」と伝えることも可能です。受理されれば期限の問題はクリアできます。

Q6. 「相続の開始を知った日」を空欄や曖昧に書いたらどうなる?

必ず家庭裁判所から照会書で詳細を聞かれます。最悪、3ヶ月以内であることが立証できないと却下されるので、正確に書いてください。「○月○日頃」のような曖昧表現も避けましょう。

まとめ|30分で書けるが「知った日」だけは慎重に

相続放棄申述書のポイントを最後に整理します。

  1. 家庭裁判所HPから無料DL可能、手書き・PC入力どちらでもOK
  2. 記入欄は8項目のみ、30分で完成できるシンプルな書類
  3. 「相続の開始を知った日」だけは絶対に間違えない(3ヶ月期限の起算点)
  4. 申述人の立場(子・親・兄弟姉妹)で必要戸籍が変わる。後順位ほど多い
  5. 収入印紙800円 + 切手500円程度で完了
  6. 受理まで1〜2ヶ月なので、期限ギリギリで動かない

相続放棄は3ヶ月という厳しい期限があり、しかも一度受理されると撤回できない重要な手続きです。「自分のケースで本当に放棄すべきか」「書類が複雑で自信がない」「3ヶ月期限ギリギリで焦っている」というときは、相続専門家への相談が安全です。

未来相続ナビゲーターでは、あなたの相続状況に合わせて、自分で進められるか、専門家に依頼すべきかを無料診断し、最適な司法書士・弁護士をご紹介しています。期限に追われる前に、お気軽にご相談ください。あなたとご家族の不安が、少しでも早く軽くなることを心から願っています。

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