交通事故で損害を負ってしまった場合の休業補償について

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毎年50万件以上発生する交通事故。

いくら気をつけていても防げないこともあります。

これをお読みの方にも、ご自身が、もしくは親族が交通事故に遭ってしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

交通事故に遭い、仕事を休まなければならなくなった場合、保険会社に対して休業補償を請求でき、生活費等に充てることができます。

今回は、休業補償についてご説明いたします。
ご参考になれば幸いです。

1.休業補償とは?休業損害との違いについて

休業補償とは、簡単に言えば、交通事故で仕事を休んで収入が減少したことに対する補償のことです。

巷では、「休業損害」と「休業補償」を同じ意味に扱っている場合もありますが、厳密には「休業損害」と「休業補償」は異なります。

「休業補償」とは、会社を休んだことに対して金銭が支払われることです。
「休業損害」は、交通事故で入通院したことに対して支払われる金銭です。

具体的な違いとしては、補償の範囲につき、休業損害は休業補償よりもその対象範囲が狭いです。

2.休業補償がもらえる人もらえない人

休業補償とは、交通事故が原因で休業した分の補償です。
ですので、仕事をしていない人はたとえ交通事故に遭っても休業補償をもらうことはできません。

詳細に関しては、以下の通りです。

(1)休業補償をもらえる人

例えば、

  • 実際に仕事をしている人(給与所得者や自営業者等)
  • 家事従事者

です。

なお、主婦などの家事従事者は、家事をすることで収入を得ているわけではないが、家事も立派な労働であり、仮に交通事故によって家事ができなくなった場合には家族や家政婦など他の人に家事を代わってもらう必要が出てきます。

そのため、家事従事者も休業補償の対象になります。

(2)休業補償をもらえない人

他方、仕事をして収入を得ていない人は、休業補償をもらうことができません。
例えば、

  • 学生
  • 無職の人
  • 年金受給者
  • 生活保護受給者
  • 家賃収入などの権利収入で生活をしている人

などです。

ただし、交通事故時に学生や無職であったとしても、交通事故の前に内定をとっていて近々働くことが予定されていたり、または就職活動中で仕事をする可能性があったのであれば休業補償が認められることがあります。

具体的には、以下のような事情があって、かつそのことをきちんと書面で証明できる場合です。

  • 仕事をしようと職を探していた場合
  • 就職先が既に決まっていたなど仕事をする可能性があった場合
  • 仕事をする能力(技術)があった場合

3.休業補償の範囲は?

休業補償は必ずしも全額請求できるとは限りません。

4.休業補償の計算方法

休業補償の計算方法は、以下の3つがあります。

保険会社側と直接交渉する場合には、基本的に「(1)自賠責保険基準」で計算することになります。

他方、弁護士に依頼した場合には「(2)弁護士基準・裁判基準」で計算することになります。

金額としては、(3)弁護士基準・裁判基準が最も多く、次に(2)任意保険基準、(1)自賠責基準と続くことになります。

なお、基本的には、本人が保険会社と直接交渉するより弁護士に依頼した方が休業補償の金額が高くなります。

(1)自賠責保険基準

自賠責保険基準で計算をすると、

休業補償=5,700円×休業日数

です。

もっとも、例外的に1日の収入が5,700円を超えると認められた場合には、1万9,000円を限度として、その実額が1日あたりの金額として算定することができます。

「休業日数」は、交通事故が原因の負傷で実際に休業した日数のことで、自賠責保険基準の場合でも、後述の裁判基準の場合でも同じです。

(2)任意保険基準

各保険会社によって、一定の「限度額」や「基準」があります。
ですので、決まった計算式がないにしろ、実際の収入に近い金額が支払われているようです。

(3)弁護士基準・裁判基準

裁判基準で計算をすると、

休業補償=1日あたりの基礎収入×休業日数

です。

なお、裁判基準の場合、実際の収入を基に「基礎収入」を算出します。
算出するにあたり、基本的に「交通事故前の3ヶ月分の収入」を基に、1日の「基礎収入」を計算します。

ですので、雇用主に交通事故前3ヶ月間の給与額等を載せた「休業損害証明書」を作成してもらいましょう。

計算式は、

1日あたりの基礎収入=交通事故前3ヶ月分の収入÷90

です。

また、休業日数も休業補償の計算に関わります。
休業補償は前述の通り、交通事故が原因で仕事を休まざるを得なくなった日数のことです。

日数に関しても、「休業損害証明書」に記入してもらいましょう。

5.休業補償を請求する流れは?請求先と請求方法について

基本的に、「休業損補償の請求方法」に関しては、法律で決められていません。
ですので、交通事故時に収入があったことを証明するために、以下の流れで請求を行いましょう。

(1)給与所得者の場合

①提出方法

雇用主に、「休業損害証明書」へ所定事項を記入してもらいましょう。

休業損害証明書に、事故前年度の源泉徴収票または所得証明書を添付して、加害者または保険会社に提出します。

なお、今回はこちらで「休業損害証明書」の雛形を用意したので、ぜひダウンロードして活用してもらいたいです。

休業損害証明書の雛形のダウンロードはこちら

②休業損害証明書の書き方

参考までに、休業損害証明書の書き方についてご説明しているソニー損保のホームページをご紹介いたします。

ソニー損保のHP(ホームページ)はこちら

(2)自営業者の場合

事故前年度の確定申告書を加害者か保険会社へ提出します。

(3)家事従事者の場合

同居人との「続柄」が省略されていない住民票を加害者または保険会社に提出することになります。

6.より多くの休業補償を獲得するためのポイント

(1)有給休暇の場合でも休業補償がもらえる!

前述の通り、入通院の期間中に会社から給料が支払われている場合は、交通事故で仕事を休んでも収入が減収していないので、休業補償を請求することは当然できません。

しかし、有給休暇を使って治療を行った場合には、本来なら自由に使えたはずの有給休暇を、やむをえずに怪我の治療のために使うことになってしまったので、当然休業日数として扱われます。

(2)必ず医師の診断を受けること!

休業補償は、入院した場合はもちろん請求できるが、通院リハビリだけでも請求できる場合があります。

しかし、保険会社としてはできるだけ休業補償をしたくないと考えることから、医師の診断に基づいていなければなかなか休業補償を認めない傾向があります。

医師の診断が無ければ、たとえ休業する必要が相当期間あったとしても保障してくれる期間が短くなってしまいかねません。

そのため、医師には診察時にしっかりと自分の症状を伝えて事故の影響で仕事を休んでいることとその理由となる症状を具体的に説明するようにしましょう。

そして、それらの事をカルテにきちんと記録してもらいましょう。

(3)弁護士に依頼する!

弁護士に依頼した場合には、前述の休業補償の計算式のうち、裁判基準を用いて損害の計算をします。

ですので、本人が直接保険会社と話し合いをするよりも弁護士に依頼した方が獲得できる金額が上がります。

この点で弁護士に依頼した方がより多くの休業補償を獲得できることにつながります。

また、弁護士に依頼すれば面倒な手続きを全て弁護士に任せることができるので、その点も弁護士に依頼するメリットです。

まとめ

今回は交通事故に遭われてしまった場合の休業補償についてご説明致しました。
今回の話が休業補償を受ける場合の一助になれば幸いです。

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