リボ払いでも過払い金の可能性?発生する4つの条件と請求方法を解説

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昔、サラ金やクレジットカードで「リボ払い」をしていた方はいらっしゃいませんか?

その場合、サラ金会社やカード会社に対し過払い金請求ができる可能性があります。

ただし、どのようなケースでもリボ払いで過払い金請求できるわけではありません。

今回は、リボ払いで過払い金請求できるケースと過払い金の請求方法について解説します。

1.リボ払いとは

(1)リボ払いの仕組み

「リボ払いは危ない」

「リボ払いは、借金が増えるリスクがある」

などと言われることがよくありますが、そもそも「リボ払い」とはどのようなものかきちんと理解されていないことが多いです。

リボ払いは、支払金額を一定にするという債務の支払い方法です。

リボ払いを選択すると、毎月の支払金額は変わらず、借り増しをするとその分支払金が長くなる仕組みになっています。

たとえば、10万円借りていて月々1万円ずつ返済しているとします。
このとき、さらに10万円を借り増しします。

通常の分割払いなら、月々の支払いが2万円に増えます。
これに対しリボ払いの場合には、月々の支払い額は1万円のままで支払期間が20ヶ月に延びます。

このように、リボ払いを利用すると支払金額が小さいままなので「借金が増えた」と感じにくいです。

しかし、実際には借金が増えているのであり、支払期間中はどんどん利息がかさんできますから、だんだんと状況が苦しくなってきます。

(2)リボ払いが行われている借金の種類

ひと言で「リボ払い」と言っても、いろいろな種類があります。
まず、消費者金融のキャッシングで行われているリボ払いがあります。

ATMなどでキャッシングするときにリボ払いを選択したら、リボ払い方式で返済を続けることになります。
クレジットカードのキャッシングにも同じようにリボ払いがあります。

また、クレジットカードにはショッピングもありますが、ショッピングでもリボ払いを適用することができます。

こういったリボ払いの種類により過払い金が発生するかどうかが変わってくることがあります。

2.リボ払いで過払い金が発生する4つの条件


さて、実際にリボ払いで過払い金が発生するためには、どのような条件を満たす必要があるのでしょうか?

以下で、リボ払いで過払い金が発生するための条件を説明します。

(1)キャッシングのリボ払い

1つ目の条件は「キャッシングのリボ払い」であることです。
リボ払いには、キャッシングリボとショッピングリボの2種類があります。

キャッシングは、サラ金会社やカード会社から純粋に借金をする方法です。

そこで、キャッシングの返済時には利息が加算されますし過去には利息制限法を超える高い利率が適用されていました。

そこで、過去に消費者金融やクレジットカードのキャッシングリボを利用していた場合、過払い金請求できる可能性があります。
これとは反対に、ショッピングリボには過払い金が発生しません。

ショッピングのサービスは商品やサービスの購入の際、クレジットカード会社に立替払いをしてもらうというものです。

これは、借金とは異なるものと理解されています。
そこで、カード会社に支払うお金も「手数料」であり「利息」ではありません。

(2)キャッシングとショッピングの両方を使っていたケース

このとき問題になりやすいのは、キャッシングとショッピングのリボ払いを両方利用していた場合です。

この場合には、キャッシングリボについて過払い金が発生しているかもしれないのですが、ショッピングには残債が残っていることがあります。

このように、キャッシングで過払いが発生していてショッピングに残高がある場合には、キャッシングの過払い金とショッピングの残債を相殺してプラスがあれば過払い金として返還してもらえますし、マイナスになったらその分を支払うという方法で精算します。

(3)2008年以前のリボ払いであること

次に、リボ払いを利用していた時期が問題になります。
一般的に、リボ払いで過払い金が発生するのは、2008年以前の取引に限られます。

このことは、過払い金が発生する仕組みとも関わるので、以下で説明します。

カード会社や消費者金融がお金を貸し付けるときの上限利率については「利息制限法」という法律が定めています。

具体的には、以下の通りです。

  • 貸付金額が10万円未満…年率20%まで
  • 貸付金額が10万円以上100万円未満…年率18%まで
  • 貸付金額が100万円を超える…年率15%まで

そして、今の利息制限法は平成22年(2010年)6月に改正されたものです。

改正前の過去の利息制限法では、一定の要件を満たす場合、上記の上限を超える利率による貸付が有効になると定めていました。

その規定のことを「みなし弁済規定」と言います。

そこで、昔、多くの貸金業者やカード会社が、利息制限法を超過する利率で貸付をして「みなし弁済」の適用を主張していたのです。

ところが、平成18年1月13日、最高裁判所が「みなし弁済の適用を認めない」という判断を下しました。

これにより、消費者は、以前に利息制限法を超過して支払った利息を取り返すことができるようになりました。
これが、過払い金請求です。

サラ金やカード会社は、2008年頃に利息制限法を超えるリボ払いを辞めた
上記の最高裁判所の判断を受けて、2010年、国は利息制限法を改正しました。

ただ、多くの貸金業者は、利息制限法改正を見越して2007年~2008年頃には利息制限法を超過する利率での貸付を辞めていきました。

このことは、リボ払いでも同じです。
そこで、リボ払いで過払い金が発生するのは2008年頃までとなるのです。

(4)時効にかかっていない(完済している場合)

過払い金には、時効があります。
そこで、過払い金請求するためには時効完成前に行う必要があります。

過払い金の時効は、完済後10年間です。
借金をすでに完済しているケースでは、10年が経過していると過払い金請求することができなくなります。

2008年頃より前に消費者金融やクレジットカードのリボ払いを利用していた記憶があるなら、早めに過払い金請求をしておくことをお勧めします。

また、「時効援用とは?借金を長期間返していなければ返済が不要になる?」や「過払い金がなくなる?過払い金返還請求の時効と時効を止める方法」も併せてご参照ください。

(5)ある程度長期の取引がある(借金が残っている場合)

昔リボ払いを利用していた方は、今でも引き続いて借金しているケースがあるでしょう。

この場合、借金の残高があるはずです。
そこで、まずはその借金を完済しないと過払い金請求することができません。

ただ、時間的に「借金を完済してからでないと過払い金を請求できない」という意味ではありません。

借金返済中でも発生した過払い金が大きければ、その過払い金で、今支払っている借金を完済することができます。
そのためには、借金を完済するのに充分な金額の過払い金が発生している必要があります。

過払い金は、払いすぎの利息なので取引が長くなればなるほど高額になります。
そこで、借金を完済するためには、ある程度長期間の取引が必要です。

目安は、5年程度です。

ただし、現在の借金の残高や取引内容などによっても必要な取引機関が異なってくるので、まずは、取引履歴を入手して過払い金が発生しているかどうかを調べてみることが重要です。

3.リボ払いで過払い金請求する方法


昔、消費者金融やクレジットカードのキャッシングでリボ払いを利用していたので過払い金請求をしたいなら、以下のような手順で進めましょう。

(1)取引履歴を入手する

まずは、相手業者から「取引履歴」を入手します。
取引履歴には、借入当初から今までの、すべての借り入れと返済の記録が載っています。

取引履歴を取り寄せるとき、電話で送ってくれる業者もありますし申請書の提出が必要な業者もあるので、ホームページなどを見て、業者に合わせて対応しましょう。

(2)利息制限法引き直し計算をする

取引履歴を入手したら、「利息制限法引き直し計算」をします。

業者から送られてきた取引履歴は、利息制限法を超過するもともとの高い利率で計算されていることが多いので、利息制限法を適用するとどのくらい過払い金が発生するのか、あるいは借金が残るのか計算し直す必要があるのです。

利息制限法引き直し計算をするときには、計算用ソフトがあるので利用すると良いでしょう。

計算が終わったら、発生している過払い金の金額が判明します。

(3)交渉をする

過払い金の計算ができたら、相手業者に対して過払い金請求書を送ります。
過払い金計算書も一緒に就けて送りましょう。

すると、しばらくして相手業者から連絡が入ります。
通常、満額返済してくれることはないので、いくら返してもらえるのか交渉する必要があります。

過払い金の返還額について合意できたら、合意書を作成してその金額を返してもらえます。

(4)裁判をする

もし、合意ができなかったら裁判をしないと過払い金を返してもらうことはできません。

裁判をした場合には、多くのケースで途中で和解することになります。
和解ができた場合にも、和解内容に応じて過払い金を返してもらうことができます。

和解ができなかった場合には、裁判所が判決によって過払い金の返還を命令してくれます。

普通の貸金業者は裁判所の命令には従うので、最終的に裁判をしたら過払い金を取り戻すことができます。

また、必要に応じて「過払い金請求をすると、クレジットカードが作れない?利用中のカードはどうなる?」も併せてご参照ください。

4.リボ払いの過払い金請求を弁護士に依頼するメリット


リボ払いの場合、取引期間が長くなるので、過払い金の金額も大きくなることが多いです。
この場合、過払い金請求を弁護士に依頼するといろいろなメリットがあるのでご説明します。

(1)過払い金の金額がアップする

まずは、取り戻せる過払い金の金額が上がります。
過払い金請求をするときには、相手業者と交渉をする必要があります。

ただ、消費者が自分で交渉をすると業者はいろいろなことを言って過払い金の減額を主張してきます。

たとえば「経営が苦しい」「いったん完済しているので、法律上、過払い金が減額される」「今ある借金をなくすので、過払い金はなしにして、ゼロゼロで和解しましょう」などと言ってくることがあります。

消費者が合意すると、大損することもあるので注意が必要です。

弁護士であれば、このような言葉に惑わされず、8割~10割の高い過払い金を取り戻すことができます。

(2)楽に過払い金を取り戻せる

また、弁護士に過払い金請求の手続きを任せてしまうと消費者は自分では何もしなくて良くなるのでとても楽です。

依頼してしまえば、ほとんど何もしなくても待っているだけでお金が返ってきます。

(3)周囲に秘密で過払い金請求できる

昔借金していたことを家族に秘密にしている方も弁護士に依頼したら、秘密で過払い金を回収することも可能です。

また、必要に応じて「過払い金請求の無料相談を受けたいと思う人が知っておくべきこと」や「過払い金請求にかかる費用と弁護士に依頼した場合のメリットを解説」も併せてご参照ください。

まとめ

このように、リボ払いで過払い金請求をするときには弁護士に依頼するのが一番です。

過払い金には時効もあるので、できるだけ急いで請求されることをお勧めします。

これから過払い金請求をしようと考えている方は、お早めに弁護士に相談してみて下さい。

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