顧問弁護士のメリットデメリットは?契約前の注意点等も解説

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企業や事業を経営している場合には、顧問弁護士をつけることがあります。

そもそも顧問弁護士とはどのような弁護士で、顧問弁護士をつけるとどのようなメリットがあるのでしょうか?反対にデメリットがないのかも気になるところです。さらに、顧問弁護士をつける場合には弁護士との間で顧問契約を交わしますが、契約前に注意すべき点などはあるのでしょうか?このことを知っておかないと、良い顧問弁護士を選ぶことができず、後から不利益を受けるおそれもあるので、抑えておく必要性が高いです。さらに、顧問弁護士をつけていると、意外に役立つことがあるのかなどの情報も知っておきたいところです。

そこで今回は、顧問弁護士をつけるメリットデメリットや契約前の注意点について解説します。

1.顧問弁護士をつけるメリット

顧問弁護士とは、ある企業と契約をして、継続的に優先してその企業の法的問題に対応してくれる弁護士のことです。顧問弁護士をつけると、継続的に企業のかかえる法的問題について弁護士に相談してアドバイスをもらえますし、企業が法的トラブルに巻き込まれた場合には、問題解決のために対処してもらうことができます。

このような顧問弁護士をつけることによって、企業には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?以下で順番にご説明します。

(1)気軽に相談できる

顧問弁護士をつけていると、企業がかかえる日常の業務や法的問題について、いつでも気軽に相談できます。

顧問契約をする場合には、月額の顧問料を支払う内容になりますが、この顧問料の支払いによって日常の法律相談料はすべてカバーされます。よって、何度法律相談をしても料金はかかりません。電話やメールなどで気軽に相談することも可能です。

(2)弁護士を探す手間が省ける

顧問弁護士をつけていると、企業が法的な問題に直面して弁護士が必要な際に、わざわざ弁護士を探す必要はありません。もし顧問弁護士がいないと、自分で1から弁護士を探さないといけないので大変な手間になりますし、相手の弁護士がどのような人かもわからないので不安が大きいです。

相談を受ける弁護士の側も、相手の企業の事業内容や考え方などを理解していないので戸惑うこともあるでしょう。

このように、顧問契約をしていない場合には、新たに弁護士を探さないといけませんし相手がどのような弁護士かわからないリスクがありますが、顧問弁護士がいると、その手間が省けてリスクも避けられるメリットがあります。

(3)法的トラブルを予防出来る

顧問弁護士をつけていると、無料で日常的に気軽に法律相談ができるので、気になることがあればすぐに弁護士の法的なアドバイスを受けられます。このことによって、問題が大きくなる前に、弁護士からのアドバイスに従って企業が適切な行動をとることができるようになります。たとえば、危険の大きそうな契約であれば弁護士は「やめておいた方が良い」とアドバイスしてくれるでしょう。このことによって、その契約により後々発生するリスクを回避することができるのです。

このように、顧問弁護士をつけていると、紛争が起こる前に法的トラブルを事前予防出来るメリットがとても大きいです。

(4)企業のニーズに応じたアドバイスを受けられる

顧問弁護士をつける場合、その顧問弁護士には日常的に継続して法律業務を相談したり、依頼することになります。よって、顧問弁護士の側も、企業の事業内容や考え方、経営方針などを熟知できます。このことによって、顧問弁護士は企業に対し、企業の個別のニーズに応じた内容のアドバイスをすることが可能になります。

もし初めて会った弁護士なら、企業のニーズなどがわからないので、企業の希望に即したアドバイスや解決方法をとってくれない可能性がありますが、継続的につきあっている顧問弁護士であれば、そのような問題は起こりません。

このように、顧問弁護士をつけていると、企業の要望や実情に応じた適切なアドバイスをくれて、企業の希望に即した事件解決を実現してくれるというメリットがあります。

(5)優先対応してもらえる

顧問弁護士ではない弁護士に法律相談や事件依頼をした場合、その弁護士が必ずしも対応してくれるとは限りません。その弁護士が忙しい場合や、取り扱い事件の範囲外の法的問題であった場合などには、法律相談を受けてもらえないこともありますし、事件依頼を断られることもあります。

これに対して、顧問契約をしている顧問弁護士であれば、法律相談や事件依頼を断られることは原則的にありません。顧問契約がある場合には、顧問先の企業の相談や事件は優先して取り扱うことにしていることが普通だからです。

このように、必要がある場合には優先して対応してもらえることも、顧問弁護士をつけるメリットとなります。

(6)事件依頼費用の割引がある

顧問弁護士をつけていても、すべての法律問題について月額の顧問料だけでカバーしてもらえるわけではありません。顧問料の範囲でカバーされるのは、通常は日常の法律相談とアドバイス、簡単な契約書のチェックなどの法律事務のみです。これらの範囲を超えて、たとえば訴訟対応などが必要になる場合には、別途弁護士費用がかかります。

この場合には、顧問弁護士の事務所の報酬規定に従って、弁護士の着手金や報酬金などの弁護士費用を支払う必要があります。弁護士事務所によっては、1時間ごとに費用がかかるタイムチャージ制を採用している事務所もあります。

ただ、顧問契約をしている場合には、これらの弁護士費用が一般の依頼者に比して割り引かれることがあります。

たとえば着手金や報酬金の金額が、一般的な依頼者と比べて1割~3割程度減額されたり、タイムチャージの金額が一般の依頼者よりも低くなるのです。

つきあいの長い企業の場合などには、本来別途費用がかかるような事件であっても、多少のことなら顧問料の範囲で事件処理をしてくれることなどもあります。

このように、顧問契約をしていると、一般の依頼者と比較した場合と比べて事件依頼費用の割引が受けられることも、顧問弁護士をつけるメリットの1つです。

(7)経営に専念できる

事業や企業経営をしていると、自分の事業内容に関する法令の改正などがあった場合には、その内容をしっかりチェックすることが必要になります。会社を経営しながら、法律問題までチェックしなければならないとなると、かなりの手間がかかりますし大変です。法律問題を調べている手間がかかる分、経営問題をいったん棚上げすることもありえます。

このことにより、重要なビジネスチャンスを逃してしまうこともあるかもしれません。

顧問弁護士をつけていると、法律問題の調査や対処などは、すべて顧問弁護士が対応してくれます。企業側が自分で法律を調査したり対応する必要はなくなります。このことにより、企業は事業経営に専念できるので、ビジネスチャンスなどを逃すこともありません。

このように、顧問弁護士をつけていると、法律問題は顧問弁護士に任せて企業側は完全に事業経営に専念できるメリットがあります。

(8)企業の信頼が向上する

近年、企業のコンプライアンスなどが注目されており、企業としても事業成績だけではなく法令を遵守する態度が求められています。そこで、顧問弁護士をつけていると、企業の社会における信頼性が非常に高まります。顧問弁護士がいるくらいだから、法的に間違った対応はしていないだろうという目で見られますし、基本がしっかりした信頼できる会社だと受け止めてもらえます。このことによって、新たな取引先と契約する場合にも取引しやすくなりますし、クリーンなイメージになるのでさまざまな社会活動や事業活動もしやすくなります。

取引先との間でトラブルが起こった場合などにも、顧問弁護士がいることが交渉の有利にはたらくことが多いです。相手方業者に対して「顧問弁護士に対応してもらう」と言ったり、実際に顧問弁護士に出てきてもらったら、相手方企業の態度が変わって折れてくることなどもあります。

このように、顧問弁護士をつけていると社会における企業の信頼性が高まることも、大きなリットとなります。

2.顧問弁護士のデメリット

顧問弁護士をつける場合、デメリットはあるのでしょうか?

顧問弁護士をつけると、月額の顧問料がかかります。顧問料の相場は月額3万円~5万円程度になりますが、あまり日常的に法律相談をしない企業にとっては無駄になることもありえます。このように顧問料を払い損になると、顧問弁護士にはデメリットが発生します。顧問弁護士を依頼する場合には、顧問料を支払う分きっちり活用することが重要です。

3.契約前の注意点

顧問弁護士と顧問契約をする場合、契約前に注意すべき点がいくつかあります。以下で具体的に見てみましょう。

(1)顧問料がいくらかかるのか

重要な問題として、顧問料の支払いがあります。顧問弁護士をつけると月額の顧問料がかかります。だいたいの相場は3万円~5万円ですが、中には10万円という事務所もあります。顧問契約前には、必ず月額の顧問料がいくらになるのかをしっかり確認する必要があります。

(2)月額顧問料でカバーされる範囲

顧問料を支払って顧問契約をしても、その顧問料だけですべての法的サービスがカバーされるわけではありません。個別の交渉や訴訟対応などが必要になると、別途費用がかかることが多いです。このように、どの範囲まで顧問料でカバーされるかというサービス内容は、各弁護士によって異なります。よって、顧問契約をする前には、必ず月額顧問料でカバーできる範囲を確認する必要があります。

(3)顧問料以外の弁護士報酬の確認

顧問契約をしても、月額顧問料でカバーされない部分については、別途弁護士費用の支払が必要になります。この場合、各法律事務所の定める報酬基準に従った金額がかかります。弁護士の報酬は自由化されているので、法律事務所によって弁護士報酬の金額は異なります。

よって、顧問弁護士と契約する場合には、顧問料でカバーされる範囲以外の弁護士報酬が安い事務所と契約する方が、全体的な弁護士費用を抑えられます。顧問料が安くてもその他の弁護士報酬が高ければ、結局は別途費用の支払いがかさんで弁護士費用が高くなってしまうおそれがあるのです。

よって、顧問契約をする前には、顧問料以外のその事務所の弁護士報酬基準がどのくらいになっているかについてもチェックする必要があります。

(4)弁護士との相性にも注意!

弁護士と顧問契約をする場合、その弁護士とは長期的継続的なつきあいになります。また、日常的に法律相談をするので、非常に親密な関係になります。このようなことがあるので、顧問弁護士をつける際にはその弁護士との相性が非常に重要になります。相性の合わない弁護士を顧問弁護士にすると、何かとストレスがたまります。たとえば、仕事はできるけれどもあまり好きなタイプではない弁護士を顧問弁護士にしていると、法律相談をするのも何となくおっくうで放置してしまうかもしれません。そうなると、問題が悪化してしまって結局は何のために顧問弁護士をつけていたのかわからなくなってしまいます。

反対に、相性が良く話しやすい弁護士を顧問にしていると、電話やメールなどでも気軽に相談できて、すぐに適切なアドバイスがもらえるので問題が悪化することはありません。

このように、顧問弁護士をつける場合には弁護士との相性が非常に重要です。顧問弁護士と契約する前には、本当にその弁護士と長期的に継続してつきあっていけそうかについて、しっかり検討する必要があります。

4.顧問弁護士をつけると意外と役立つ!

顧問弁護士をつけていると、意外と役立つ面があります。以下でその具体例をご紹介します。

(1)費用なしで事件受任してもらえることがある

顧問弁護士をつけていても、月額顧問料の範囲を超えた事件対応などが必要になれば、別途費用がかかることが普通です。

しかし、付き合いが長い企業やサービスの良い弁護士などの場合には、簡単な事件であれば、弁護士報酬なしで顧問料の範囲で、サービスで対応してくれることがあります。

このように、顧問弁護士をつけていると、ときには費用なしで事件受任してもらえることがあります。

(2)役員や従業員の個人的な相談にも乗ってもらえる

企業や事業経営者が顧問弁護士をつけている場合、通常その相談内容は事業経営に関する問題です。ただ、顧問弁護士がいると、実際にはその企業の代表者個人の問題(たとえば離婚や交通事故など)にも乗ってもらうことができます。会社の役員や従業員などが法的トラブルを抱えた場合にも、同様に相談に乗ってくれてアドバイスをくれるので大変助かります。

(3)子会社などについての相談もできる

顧問弁護士が顧問契約をしているのが親会社である場合、それと関連する子会社などに関する相談にも乗ってくれることが普通です。顧問先の企業と資本提携関係にある会社については、費用なしで相談できることが多いです。

このように、直接顧問契約をしていなくても関連会社の相談もできるので、顧問弁護士がいると全体的な経営に役立ち、とても心強いです。

顧問弁護士のメリット・デメリットまとめ

今回は顧問弁護士をつけるメリットとデメリット、契約前の注意点を解説しました。

顧問弁護士をつけると、法的トラブルを予防出来ますし、日常的に気軽に法律相談ができて、社会からの信用も高まるなどたくさんのメリットがあります。ただ、月額顧問料がかかるので、顧問弁護士をつける場合にはしっかり活用することが重要です。

顧問弁護士と契約する前には、月額顧問料の金額とそれでカバーされる範囲、さらにカバーされない場合の弁護士報酬体系をしっかり確認しましょう。顧問弁護士をつけると隠れた意外なメリットなどもあります。

今回の記事を参考にして、企業と相性の良い顧問弁護士を探して、安心して企業経営を行いましょう。

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