残業代が消滅する前に知っておきたい!一人でできる労働審判の全手順

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正社員や派遣社員、アルバイトなどで、どこかの会社に勤務している場合には、勤務先の会社とトラブルになることがよくあります。

よくあるのが「残業代の不払い」です。

こういった時は、「労働審判」で解決しましょう。

そこで今回は、労働審判の手続やそのメリット、労働審判で残業代を請求する方法についてご説明いたします。
ご参考になれば幸いです。

1.労働審判とは?

まずは、そもそも労働審判とはどのようなものなのか記載していきます。
労働審判は様々な労働問題を解決できますが、ここでは主に残業代請求に関連してご説明いたします。

(1)残業代不払いによるトラブルは多い

会社に勤めていると、会社が残業代を支払ってくれずにトラブルになることがよくあります。

中小の会社なら星の数ほど残業代不払いがありますし、大手の企業でも残業代不払いがあって世間を騒がせたこともありました。

会社による残業代の不払いがあった場合、労働者が会社に直接請求しても、対応してもらえないことが多いです。

大きな組織である会社と一個人にすぎない労働者だと、どうしても労働者の方の立場が弱くなってしまいますし、小さな会社などの場合には、世間体も気にしないので、労働者が文句を言っても聞く耳を持たないことも多いからです。

「他の社員も誰ももらっていないのに、お前だけ残業代を請求するのか。」などと言われて、逆に請求する方がおかしいと労働者が思ってしまうケースもあります。

このような場合では、とても当事者同士の話し合いで不払い残業代の問題を解決することはできません。

(2)残業代トラブルを解決する方法

このように、残業代の不払いに関して労働者と会社との間でトラブルが発生してしまったら、どのようにして解決することができるのでしょうか。

労働者と会社との間でのトラブルを解決する方法はいくつかあります。

例えば以下の通りです。

  • 弁護士に交渉を依頼する方法
  • 裁判を起こす方法

しかし、弁護士に依頼すると弁護士費用がかかりますし、裁判を起こすとなると、大変な手間になって費用も期間も長くかかります。

労働問題の解決のために、労働基準監督署に相談して、会社に対する指導や是正勧告をしてもらうように求めたり、都道府県労働局等によるあっせんを利用することもあります。

しかし、労働基準監督署による指導勧告があっても無視する会社もありますし、都道府県労働局によるあっせんには、それに応じなければならない法的拘束力がありません。

これらの方法では、会社が対応しなければ解決することができないのです。

ではどうすれば労働問題を解決できるのでしょうか?その答えが次の「(3)労働審判を利用すると効果的に問題解決できる」で説明する労働審判です。

(3)労働審判を利用すると効果的に問題解決できる

①労働審判とは?

「労働審判」を利用すると、非常に迅速にスムーズに問題が解決できる場合があります。

そもそも労働審判とは、労働者と会社との間の労働に関するトラブルについて、裁判所で審判官(裁判官)や労働審判員を交えて解決するための手続きです。

裁判所で行われる手続きですが、裁判とは異なり、迅速かつスムーズに手続きが進むことが特長です。

裁判官1名と、労働問題に詳しい労働審判員2名が関与して、話し合いをするなどしてトラブルの解決を目指すことができますし、裁判のように時間がかかることもありません。

労働審判は平成18年にはじまった比較的新しい制度ですが、裁判を起こすよりもハードルが低く、利用しやすいので労働審判の制度が導入された平成18年以降、順調に普及してきています。

②労働審判の手続きはどのように進む?

労働審判の手続きでは、3回の期日が開かれます。

それぞれの期日において、双方の言い分を聞いたり、提出された証拠の審理をします。
また、双方に話し合いの余地があれば調停を試みることもあります。

3回以内の期日で話し合いが成立すれば、その労働トラブルは解決することになりますし、3回の期日を開いても双方の争いが激しく問題が解決しない場合には、審判官が審判をして、その事件の解決方法を決めてしまいます。

2.労働審判の件数はどのくらい?

現在の労働審判の利用件数はどのくらいになっているのでしょうか。

労働審判は、その制度が導入された平成18年には新規係属件数が877件でしたが、その後順調に利用者が増え、平成21年には、件数が3000件を超えました。

その後はだいたい横ばいで推移してきており、以下の通り平成25年には新規係属件数が3496件となっています。

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出典:厚生労働省資料「労働審判制度について

導入当初はあまり手続についてあまりよく知られていませんでしたが、順調に利用件数を伸ばしてきた理由は、後に説明するように労働審判にはいろいろなメリットがあり、利用者にとってとても便利な制度になっているからです。

また労働審判を利用した場合に実際にトラブルが解決出来ることも多く、実績をたくさん作って社会において信頼を得てきたということもあります。

このように、労働審判は、導入後約10年が経過しますが、その間確実に実績を作ることによって社会での評価も高まり、利用者数が増加してきたのです。

3.労働審判を利用できるケースは?

労働審判とはどのような制度で手続なのかは上記のとおりですが、労働審判を利用することが出来るケースは、具体的にどのような場合なのでしょうか。

労働審判は、労働に関するトラブルであればどのようなものでも利用出来るわけではありません。

労働審判で取り扱いができるケースは、①労働者の法的な権利にかかわる、②労働者と会社との間のトラブルです。

具体的には以下の通りです。

  • 不当解雇
  • 雇い止め
  • 退職勧奨
  • 給与の不払い
  • 退職金の不払い
  • 残業代の不払い

などです。

これらに対して、労働者の法的な権利とは言えない賃上げ闘争などについては、労働審判は利用出来ません。

また、労働審判を利用できるのは労働者個人と会社との間のトラブルのみです。
よって、上司によるパワハラやセクハラなど、対個人間のトラブルについては、労働審判を利用して解決することは出来ません。

同じ理由で、労働組合と会社との間のトラブルについても労働審判で解決することは出来ません。

さらに、労働審判は民事上の労働問題を解決するための手続です。
よって、労働審判を利用できるのは、民間の会社を相手にする場合のみです。

公務員に関しては、「国家公務員法」や「地方公務員法」になるので、民間の労働問題とは言えないので、労働審判を利用することはできません。

4.労働審判を利用するメリットは?

メリットに関しては下記になります。

(1)トラブルを迅速に解決できる

まず、労働審判を利用すると、トラブルを迅速に解決できます。

労働審判では、申し立て後約1ヶ月で1回目の労働審判期日が開かれます。
ここで、双方の言い分を聞いて審理を行います。

その日に労働者と会社との間で話し合いが出来れば、その日で労働審判が終了し、トラブルが解決出来ます。

もし1回目で話し合いができなくても、2回目、3回目と期日を開いていきます。
その間に話し合いができればその時点で問題が解決して手続は終了します。

もし3回の期日を開いても話し合いが出来ない場合には、裁判官が審判によって、問題解決の方法を決定してしまいます。

このように、労働審判では、長くても3回までしか期日が開かれません。
このことにより、問題が迅速に解決できます。

だいたい70日くらいもあれば1回の手続が終了することが多いです。

この点、たとえば労働訴訟(裁判)の場合には、期日の回数に制限はありません。
よって、残業代請求のために訴訟を起こしてしまうと、8ヶ月~1年以上もの間裁判が続いてしまうこともめずらしくありません。

このように、迅速に問題が解決出来る点は、労働審判の大きなメリットとなります。

(2)柔軟な解決が出来る

また、労働審判を利用すると、柔軟な解決が可能になります。
労働審判では、当事者の言い分や証拠を出し合って審理も行いますが、並行して話し合いによる解決手続きも進めます。

話し合いには、労働問題に詳しい労働審判員が2名関与してくれます。

当事者だけで話し合ってもお互いの感情などがあって解決が難しいことが多いですが労働審判員が入ってくれたり、労働審判員がその知識や経験にもとづいて適切なアドバイスをしてくれることによって、当事者も納得しやすくなり、解決できる可能性が高くなります。

また、労働訴訟を起こして、裁判による判決で裁判官が結果を決めてしまうと、どうしても判断が一律になってしまいますが、労働審判で話し合いで解決する場合には、事案の内容に応じた柔軟な解決が可能になります。

(3)適切な解決方法を導ける

労働審判を利用すると、適切な内容の解決を導くことが出来ます。
当事者同士で話し合いをしても、当事者はそれぞれ素人なので、何が法的に正しいのかなどを適切に判断出来ないことが多いです。

これに対して、労働審判では、法律のプロである裁判官と、労働問題に詳しい労働審判員が関与してくれるので、合理性のない解決方法や不当な内容での合意が導かれることがありません。

(4)個人でも利用しやすい

さらに、労働審判は個人でも利用しやすいというメリットもあります。
労働審判の手続きは、比較的簡単です。

通常の裁判のように複雑な書類が大量に必要になったり、裁判所から専門的な指示事項が下されてそれに適切に従わないといけないということが少ないです。

労働審判員と審判官が主導して個人でも手続出来るように手続をすすめてくれるので、弁護士に依頼しなくても個人が自分でできます。

このことによって、訴訟を依頼すると多額になりがちな弁護士費用を節約することも可能です。

裁判に負けた場合、弁護士費用が無駄になります。
ですが、労働審判を自分で手続きした場合には、そのような心配は要りません。

このように、労働審判は個人が自分だけでも手続を進めやすいというメリットが大きいです。
ですので、労働審判を利用すると、大変メリットが沢山あります。

5.労働審判のデメリットは?

反対にデメリットはないのでしょうか。

労働審判は、3回の期日の間に話し合いで決着できなければ、審判官(裁判官)が審判によって問題解決の方法を指定してしまいます。

上記に対して、双方は異議を申し立てることが可能です。
片方から異議が出ると、審判内容は無効になって、通常の訴訟(裁判)手続に移行してしまいます。

すると、結局はその後8ヶ月かそれ以上にも及ぶ裁判手続になってしまい、時間も手間も大変多くなります。

せっかく約70日以上もの間手間をかけて労働審判の手続を進めてきたのに、審判後異議が出たら、結局すべてが無駄になってしまうので、デメリットといえるでしょう。

ただ、労働審判を利用すると、解決率がとても高いです。
第一回期日で解決出来るケースが30.7%もありますし、2回目までに解決出来る事例を遭わせると70%にもなります。

さらに、全案件の80%程度が、労働審判の手続内で、終局的に問題解決が出来ています。
労働審判後、当事者のどちらかから異議が出て最終的に解決出来ていない事例は、20%以下なのです。

このことを考えると、労働審判では問題が終局的に解決できないリスクがあるとしても、やはり残業第請求のために労働審判を利用する価値はあると言えます。

6.残業代請求できるケースとは?

残業代の不払いがあった場合、会社に未払い残業代を請求するなら、労働審判を利用すると、いろいろなメリットがありますが、その前提として、そもそも残業代は、どのような場合に請求出来るのでしょうか。

(1)2種類の残業代

残業代には、2種類があります。

①法定時間外労働

労働基準法が定めている労働時間を超えて働いた分です。

労働時間に関しては、労働基準法によって制限されています。
「1日8時間」、「1週間40時間」が基準です。

上記を超えて、残業する場合、「法定時間外労働」が該当します。
「法定時間外労働」を行った場合、「割増賃金」の請求が可能です。

②法内残業

「会社が規定している所定の労働時間」を超えていて、「労働基準法が定める労働時間」を超えていない状態です。

たとえば、「会社所定の労働時間が7時間」の場合に、「9時間」働いたとします。
それに対して、「労働基準法の定める労働時間は8時間」です。

よって、「1時間は法内残業」で、「もう1時間は法定時間外労働」に当てはまります。

法内残業の場合にも残業代請求は可能ですが、割増賃金はもらえません。

(2)残業代の計算方法

次に、残業代の計算方法を見てみましょう。

法定時間外労働の場合、

時間外労働の時間数(時間)×1時間あたりの賃金(円)×1.25(割増賃金)

で計算が出来ます。

割増賃金の数字は基本的に「1.25」です。
ですが、1ヶ月の時間外労働が60時間を超過した場合には、60時間を超える部分に関して、「1.5」です。

法内残業の場合は、

法内残業の時間数(時間)×1時間あたりの賃金(円)

で計算が出来ます。

ただ、「法内残業」の場合でも、「就業規則」などにより、「法定時間外労働」と同様の「割増賃金」を支払うことが規定されている場合も多いです。

必ず、勤務先の就業規則を確認しましょう。

会社によっては、就業規則本体とは別に賃金に関する定めである賃金規定がもうけられているケースもありますので、その場合には賃金規定も合わせて確認しましょう。

なお、会社には、「就業規則の周知義務」が存在します。
労働者からの申し出があったのに、就業規則を開示しない場合は「労働基準法違反」に該当します。

(3)時効に注意!

さらに、残業代は2年の時効にかかることにも注意が必要です。
せっかく残業代が発生していても、何らの請求手続をとらないまま2年が経過してしまうと、請求ができなくなってしまいます。

未払いの残業代がある場合には、早めに請求手続きをとることが重要です。

7.労働審判で残業代の請求をする手順

労働審判を利用すると、残業代を効果的に請求することができます。

(1)まずは証拠を集める

最初に行うべきは、証拠を集めることです。

労働審判は、手続の中で話し合い(調停)も行いますが、調停だけを目的とする手続ではありません。
当事者同士で話し合いができなければ、審判官が証拠や主張内容にしたがって審判で決定を出すこともあります。

また、話し合いを進めるに際しても、自分の言い分を補強する証拠がないと、自分の有利に話し合いをすすめてもらうことは出来ません。

ですので、まずは証拠を集めなくてはいけません。

残業代の請求に関しては、給与に関しての定めが書かれている「雇用契約」や就業規則、賃金規定」などが必要です。

また、実際に残業したことの証明のために、自分が働いた時間がわかる資料が必要です。
たとえばタイムカードや勤怠表などを集めましょう。

さらに、実際にいくら支払われたのかも重要な資料になります。
残業代を請求する期間の給与明細書はきちんととっておく必要があります。

そして、証拠を集めた上でもし余裕があれば、それぞれの証拠について説明をするための証拠説明書を作成することも有効です。

証拠説明書には、その証拠の標目(名前)や作成日時、その証拠によって何を証明したいのかなどを説明して書き入れます。

(2)労働審判手続申立書を作成する

①労働審判申立手続書の雛型をダウンロードする

労働審判で提出するための証拠を集めたら、労働審判の申立書を作成する必要があります。

裁判所のホームページに労働審判手続申立書という書類の書式があるので、これを利用して書き込んでいけば完成します。

労働審判申立手続書の雛型のダウンロードはこちら

②雛型をベースに書いてみる

自分の氏名や相手方会社の名称、住所などを書き入れた上で、

  • 申立の趣旨
  • 申立の理由

を記載します。

申立の趣旨とは、結論としてどのようなことを希望するかという内容です。
たとえば100万円の残業代を支払ってほしければ、

「相手方は申立人に対し、金100万円を支払え」

などと記載します。

その下に「申立の理由」を記載します。
申立の理由とは、その申立をする具体的な原因や理由のことです。

たとえば100万円の残業代を請求する場合であれば、

「平成〇〇年〇月から平成〇〇年〇月まで、~時間働いたににもかかわらず、残業代が一切支払われていない。実際には100万円の残業代が発生している」

などの具体的な事情を記載します。

そのことによって、100万円の残業代の支払を求めるということになるのです。

(3)裁判所に行って申立てる

労働審判手続申立書が作成できたら、いよいよ申立てを行います。
裁判所に行って、作成した申立書と証拠書類を提出します。

このとき、申立書は裁判所用の正本が1通と、労働審判員用の副本が2通、相手方用の副本が1通、合計4通が必要になります。
証拠と証拠説明書は、裁判所用と相手方用の2セットが必要になります。

これらの書類を持って裁判所に行けば、労働審判の申立てができます。
このとき、手数料としての収入印紙が必要になります。

収入印紙の金額は、相手方への請求金額や請求無いようによって異なりますので、裁判所に尋ねるとよいでしょう。

予納郵便切手も数千円必要になりますので、具体的に必要な金額を裁判所に聞いて提出しましょう。

8.申立て後の労働審判の手続の流れ

労働審判の申立をすると、いよいよ実際の労働審判の手続きが開始されます。

(1)第一回期日

審判手続申立書が受け付けられると、労働審判の第一回期日の日にちと時間が決定されます。
第一回審判期日は、だいたい申し立て後1ヶ月経った頃に開催されます。

第一回期日には、相手方の会社も来ます。
そこで、「労働審判申立書や証拠書類」、相手方の会社が提出した「答弁書や証拠」をもとに審理が行われます。

審判官(裁判官)や2名の労働審判員を交えて双方の主張と証拠内容を確認していきます。

これと並行して申立人と会社側での話し合いによる調整も試みます。

もしこの日に話し合いがついた場合には、その内容によって調停が成立します。
残業代請求の事件の場合には、通常請求の全額又は一部の金額を会社が支払う内容で調停が成立し、調停内容に応じた金銭が受け取れます。

(2)第二回期日

第一回期日だけでは話し合いが出来ず、手続が終了しなかった場合には第二回期日が開かれます。

第二回期日では、当事者双方が第一回期日で提出したり主張した内容を元にして話し合いが行われます。

このとき、話し合いが成立すれば、やはりその内容で調停が成立して、問題が解決出来ます。
第一回期日で調停が成立した場合と同様、調停成立後に、会社から決まった内容の残業代が支払われることになります。

前述の労務安全情報センターの平成22年~26年のデータによると、第二回期日で手続が終了する割合が39.0%にもなっています。

よって、第一回期日で終了する場合と合わせると、第二回期日までに労働審判が終了する割合は70%にも及ぶことになります。

(3)第三回期日

第二回期日でも当事者双方に折り合いがつかず、解決が出来なかった場合には、第三回期日が開かれます。

原則的に、労働審判は第三回期日までで手続が終わります。

第三回期日においても、当事者双方の調整が行われますが、それでもやはり双方に折り合いがつかない場合には、それ以上話し合いが継続されることはなく、裁判官が問題の解決方法を決定してしまいます。

もし第三回期日で双方に折り合いがついて、残業第の支払金額や支払い方法について合意ができればその内容で調停が成立します。

調停が成立すれば、その内容に従って会社から残業代が支払われることになります。

第三回期日で当事者双方に折り合いがつかず、審判になってしまった場合には、後日裁判所で審判が行われて、審判書という書類が自宅宛に郵送されてきます。

審判内容に不服がある場合には、異議申立てをすることができます。
異議申し立てをする場合には、審判書を受け取ってから2週間以内にする必要がありますので急いで手続きをしましょう。

労働審判に対して異議を申立てると、手続が裁判に移行して、その後は訴訟の場において相手方会社に未払い残業代の請求をしていくことになります。

また自分の方に異議がなくても会社が異議を申立てると、やはり審判は効果を失ってしまいます。

その場合には、通常の訴訟手続(裁判手続)に移行して、その後は裁判によって残業第の支払いを求めていかなければならなくなります。

なお、労働審判で最終的に異議が出て問題が解決できない事例は、全体の件数のうち、20%以下になっています。

このことからすると、労働審判を利用すると、残業代の支払いを受けられる可能性が高いということになります。

まとめ

以上、今回は、残業代を請求する際に利用出来る労働審判手続について解説しましたがいかがでしたでしょうか?

労働審判とは、裁判所で審判官(裁判官)と労働審判員2名が関与して、話し合いや審理などを行って労働問題を解決するための手続のことです。

労働審判が利用出来るのは、労働者と会社間の民事的な労働問題です。

ですので、「上司からのセクハラやパワハラ」、「労働組合と会社の問題」などは解決出来ません。
他にも、公務員に関しても労働審判を利用することはできません。

労働審判を利用すると、訴訟よりもとても迅速に問題解決できますし、柔軟に、しかも適切な内容で問題解決出来るので、とてもメリットが大きいです。

弁護士に依頼しなくても、当事者が自分で手続きしやすいメリットもあります。

労働審判を利用する場合には、まずは証拠を集めて労働審判申立書を作成し、裁判所に提出して申立をします。

申し立て後、「3回の期日」を開催して調停を行います。
調停でまとまらなければ、裁判官が審判で解決内容を決定します。

労働審判を利用すると、全体の8割のケースでは終局的に問題解決できます。

会社が残業代を支払ってくれずに困っている場合には、是非とも1度利用してみましょう。

弊社記事が皆様のご参考になれば幸いです。

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